釣りビジョン

2014.10.1号

栃木丸・神奈川県長井新宿港
待望のヤリイカシーズン開幕!神奈川県・長井新宿港

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相模湾西部・小田原方面でヤリイカが釣れ出した。長井沖~沖の瀬にも群れが入って来た。待ちに待ったヤリイカシーズンの開幕だ。ヤリイカは、スルメイカとは一味違った繊細な釣り。食べては、甘いシコシコ食感。釣っては、繊細な駆け引き。そして、イカの女王にも匹敵する透き通った身が堪らない。食べて良し、釣って良しのヤリイカ。“初ヤリ”を求めて22日(月)、神奈川県・長井新宿港『栃木丸』に出掛けた。

先ずは、釣り教室で腕磨き

午前5時15分、『栃木丸』に着いた。数人の先着者が休憩所でお茶を飲みながら談笑していた。船宿の前が駐車場になっていて、釣り道具はそのまま船に積めばよい。平日にも関わらず私を含め8人。左右に分かれて乗船した。
この日、「ヤリイカ釣り初めて」と言う男女2人が“釣り教室”を予約していた。出船前、栃木拓若船長がイカヅノの投入機への入れ方や、オモリの置く位置等、丁寧に教えていた。「初めての人は“釣り教室”で、基本を学び、イカ釣りの面白さを味わって貰いたいとの思いで始めた」と言う。

『栃木丸』受付
釣座番号に名前を記入
釣り教室は右舷のキャビンの下2人

イカ釣り教室の“生徒”。若船長の指導で40分足らずで5匹ゲット

定刻6時。ベタナギ快晴の海を快走し、7時頃には沖の瀬に着いた。船長は慎重に“魚探反応”を探し、エンジン音が静かになると「はい、やって見て。水深は143m。底からやって見て下さい」。栃木稔宏大船長の合図でスタート。左舷ミヨシ(船首)の依田誠仁さん(羽村市)が船中第1号のヤリイカを取込んだ。左舷のトモ(船尾)の伊藤友勇さん(荒川区)は開始早々ダブルで取り込んだ。順調な滑り出し。一気に船内が活気づき、懸命に竿をシャクる。若船長は、この日、海釣り初めてと言うYさん(男性)に付きっ切りで、竿のシャクリ方を教えている。「半年前頃から海釣りを始めたが、イカ釣りは初めて」と言う、Kさん(女性)は、隣で教わっている友達のYさんの竿のシャクリを見ながら、早速イカを乗せた。Yさんも殆ど同時にリールを巻き出した。Yさんは上のハリに大きなサバ。下のツノにヤリイカが乗っていた。Kさんは、船長に仕掛けを手繰って貰い、イカを取込み、「人生初めてのヤリイカです」と頬を崩す。次の投入では3点掛けを難無く取り込み、更に次も1匹釣り上げた。40分足らずで5匹のヤリイカを仕留めた。

伊藤友勇さん。やったね!
釣り教室 初めてヤリイカを釣りました
船内でも買えます

釣れた側からヤリイカの船上干し

左舷側を見に行くと、依田さんの桶には3匹ヤリイカが泳いでいた。見ている前でダブルを取込んだ。釣り指導の合間を見て、若船長は直結仕掛けで快調に釣っている。目の前でヤリイカの4点掛け、2点掛けを取込み、釣れた側からヤリイカの腹を開き、ワタを綺麗に取り除き、海水で洗ってスルメイカの様に船上干し。船上にヤリイカ“暖簾”が伸びて行く。

乗った…?
乗りました、ダブルでした
ヤリイカの船上干し

時合を逃さず、多点掛けを狙う

開始から2時間、乗りが浅いのか上げて来る途中でバレる事が度々有る。「乗ったよ!」と言って慎重に巻き上げて来ても、ツノに足先だけ残してバレてしまう。小型のヤリイカが触るのだろう。ここで私も竿を出した。120号のオモリに引かれ8本ヅノ仕掛けが海中に消えて行く。着底後に糸フケを取り、ゆっくり誘い上げた時、“ズン”と落し込みで乗った。リールを巻いてくる途中でバレないか気が気ではない。覗くと海中に白い影。今シーズン初めてのヤリイカ。ホッと胸を撫で下ろす。2投目、着底後、4度、5度と竿一杯に煽り、近くにいるイカにアピールとジラシ作戦。一呼吸置いて聞き上げると“ズン”。手巻きで2、3回巻いて追い乗りを誘い、電動スイッチを入れた。途中ズン、ズンと竿先を揺らす。上がって来たのは、予想通り中型のヤリイカがダブル。入れ乗りとまではいかないが、開始から順調に25、26cmの中型ヤリイカが釣れ続く。

ヤリとスルメのダブル
仕掛け図
25~26cmをダブル(取材者)

仕掛の投入は、ヨーイドン!

9時半頃から潮の流れが少し速くなり辛抱の釣りになった。船長の合図で素早く投入。水深173m。糸フケを取りながら聞き上げた時、“ズン”と気持ちの良いシグナル。1匹ながら無事に取込んだ。その後、中層でサバに捉まり、手こずる中、直結の若船長はサバをかいくぐり、ヤリイカの3点掛けや、時折スルメも顔を出す。潮が速くなると、釣れる確率が段々低くなって来る。舵を握った大船長は「潮が速くなると、ヨーイドンで投入し、最初の着底で乗らないと、イカの群れから外れてしまう」と言う。

スルメイカでした…
イカ釣り船長。栃木拓若船長

テレビで「関東沖釣り爆釣会」を見て、嵌まりました!

山崎大輔さん。“関爆”を見て、イカ釣りに嵌まった
右舷ミヨシの山崎大輔さん(瀬谷区)は、「テレビで、“大漁!関東沖釣り爆釣会”のスルメイカ釣りを見て、嵌まってしまいました。それから『栃木丸』のイカ釣り教室に3、4回通ってから竿とリールを買い揃えました。今回、初めて手作り仕掛けでやってみましたが、全然乗らない。市販の仕掛けに替えたら釣れた」と、苦笑しながら話してくれた。

釣果はトップで25匹!

栃木拓若船長は、教室指導の合間に25匹。次が11匹。釣り教室の特訓を受けたKさんは、早くもコツを掴んだのか、3点掛けを含め6匹。
大船長は、「今日は沖の瀬を攻めましたが、まだはしりの時期。これから海水温が下がり、長井沖から城ケ島沖、そして洲ノ崎沖など広範囲で釣れ出します。群れの固まりも大きくなって本番に突入する」と話す。今後、HPの釣果情報から目が離せなくなるだろう!

(釣りビジョンAPC・飯妻 武夫)

今回利用した釣り船
神奈川県長井新宿港『栃木丸』
〒238-0316
神奈川県横須賀市長井5-3-9
TEL:046-856-2446
詳細情報(釣りビジョン)
栃木丸ホームページ
出船データ
乗合料金:9,000円
出船時間:6:30 沖上り:13:30(9月27日より)
出船時間は確認の事(月により変更する)
定 休 日:毎月第1、第3金曜日
貸 道 具:竿セットで2,000円(電動)
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