2025年05月16日公開

ゴールデンウィークも半ばに差し掛かった頃、日本一早い解禁を迎えた秩父荒川の鮎たちにも変化が見られ始めた。朝晩は冷え込み、日中は夏のような日差し。埼玉県の山間部は相変わらず寒暖差が激しく、大雨の影響で一時40cmの増水となったり、追加放流があったりと釣り人にとっても、鮎たちにとっても翻弄される日々が続いていた。そんな環境変化の中でもしっかと成長していく鮎たちの逞しさ!解禁から1週間が経過した秩父荒川の鮎たちの動向はいかに!?
解禁当初の鮎たちは2パターンに大分された!
今シーズンの荒川の鮎たちは「七色ダム湖産」。湖産の性質がモロに出て基本的には上流へ上流へと上っていく個体が多くみられる。昨年が低水温もあり、下ってしまう鮎が多かった事もあり今年は湖産鮎の採用となったようだ。
4月26日に解禁を迎え初日、2日目と言うのは比較的放流量の多かったオトリ店前に留まり群れている鮎が多かった。しかし、3日目を過ぎた頃だろうか、徐々にいつも群れの見えていた場所から鮎の姿が消えていった。はて?鮎はいずこ?連日竿を出していた私も含め多くの釣り人たちは戸惑った事だろう。
実はこの頃鮎たちは大移動を開始していた!オトリ店から約2km上流の久那橋付近、更に上流で多くの鮎の姿が見られると言うのだ。確かにこの頃になると上流へと向かった釣り人の釣果はグングンと伸びていた。場所によっては車ほどの大きな群れも見られたとのこと。流石湖産鮎!元気に遡上してくれるではないか!
しかしオトリ店前に鮎が居なくなった訳でもないのだ。確かに数は減ったもののオトリ店下流の淵には多くの鮎の姿が見られ、かなり下流域でも鮎の姿は確認されていた。しかし、留まった鮎たちは日中深場にいる事が多く掛かるには掛かるが、水深がある事もあり掛けるのが実に難しく、根気がいるものだった。 私は荒川の鮎たちを探るべく上流から下流へと果てしなく釣り歩く日々が始まった!
上流で多くの良型鮎発見!連日大釣りも!14時過ぎの浅場は入れ掛かりのチャンス!
オトリ店から久那橋まで川遡りの道のりは中々足に来る。一緒に向かった相方とは口も聞かず黙々と歩いたのだが、到着する頃には二人とも汗だく(笑)。
橋上下には淵があり多くの鮎たちの姿が見られた。「こりゃ~来た甲斐があった!」。早速竿を出す。下流とは群れの密度が違う!水深があっても掛かる、掛かる!流れに入れば掛かるペースもアップ!掛かる鮎はチビ時々良型といった感じで、私も相方も飽きぬほどに釣果が上がる!
そうこうしていると、淵上の岩盤に昨年もお会いしたお兄さんが「ここ凄いですよ!」と。目を凝らし岩盤を見るとなんと真っ黒!大量の鮎たちが群れ、流れで留まっていたのだ。浅場であること、群れが留まる場所が点在することで、オトリを入れれば一発!「ゴン!ギューン!」と実に気持ち良いアタリが見られた。
時刻は14時。この頃。淵からは帯をなして浅瀬へと向かう鮎たちが見られていた。群れていることに変わりはないが、活性が上がったのか、浅場で掛かる鮎は背掛かりが多く、しっかり追って掛かるので気持ちの良いアタリが続いた。相方も下流の淵から出てきた鮎たちが瀬に入り連チャンも!この日から数日上流鮎の動きを見ると14時が浅場へと動き出すチャンスタイムになるようだ!
大雨増水!追加放流で鮎の付き場に変化が!
5月3日。前日の大雨による濁りが入っていたが、予定通りの追加放流が行われた。今回の放流も「七色ダム湖産」。しかし初期の放流のものよりも良型が多く14~17cm程の鮎が放流されていた。この日は、当日2025年の解禁を迎える友人も一緒に入川した。
予想通り、放流直後の鮎たちは最初はバラけて流れへと入ったが、居心地の良い場所を見つけるとかたまり群れる傾向で、群れに当たれば釣果が伸びた。解禁を迎えた友人は群れを当て終始「バッキューン!バッキューン!の入れ掛かり~」と最高なスタートを切ることができた!
この日のポイントは、群れの動きが早かったことで、使用するラインにより釣果に差が出た。複合や金属の水切れの良い細糸を使うことにより、釣果が伸びた。フロロやナイロンラインでは、群れに置いていかれ掛かりが悪かった。
強烈な〝アタリ〟と積極的な〝追い〟!短期間で成長するアユたち
〝この日までは〟解禁当初と繰り返しの変わらぬ状況であったが〝この日を境に〟鮎の動きに変化が起きたのだ…。解禁当初のイメージでは2日程は放流場所に留まり、上流へと向かうところだが、GW後戦は2日目にして鮎の姿を見つけるのが難しくなってしまった。上流へ早めに向かってしまったのか?いやいや…上流に向かい偵察してきた友人によると、上流でも鮎の姿が見えないと言うのだ。仕方なく、様々な場所を釣り歩き、竿を出した。
しばらくすると見たことのあるポイントに到着。ここはこれまで渇水で鮎の姿を見ることのなかったが、増水により鮎の留まる場所となっていた。さらに、放流された鮎たちが加わる事により、元々いた鮎たちの群れが分裂しバラけていたのだ。この小さな群れは目視ではとても発見しにくく、見逃していたのだ。そして何より動きが早い!掛かり鮎を曳舟に仕舞おうと一瞬でも目を離せば行方しれずに…。とにかく鮎を追うのが大変。皆「どこいった~?」とキョロキョロである(笑)
この頃になると掛かる鮎も色付き初め、追星も出てきた。アタリも強くなり、たとえ群れ鮎であってもしっかり追ってくる。背掛かり鮎も増え、たった1週間たらずで、鮎たちはずいぶん成長するものだな、と感心してしまった。
まだまだ深場などでは群れている鮎も見られるが、徐々に縄張りを持ちつつある荒川鮎たち!日々鮎の成長と共に状況は変わり、所謂「鉄板ポイント」と言うのは存在しない。上流が良い日もあれば下流が良い日もある。目まぐるしく状況が変化していくが確実に鮎たちは成長し、鮎本来の動きになってきている。
ここからが本番だ!水中でのあの輝き、すっ飛ぶ目印、スカッとする引き!日に日にやる気を出すこれからの荒川鮎とのやりとりが楽しみだ!
※これから全国各地解禁を迎える河川が増えてくる。今年はどこへ行こうかと皆心踊らせていることだろう。釣りが終わったらシューズやウエアをしっかり殺藻、消毒(アルコール消毒・しっかり乾燥させる)し、次なる釣行に備えたい。私たちの大好きな川や、鮎たちを守っていこう!
この記事を書いたライター
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