釣りビジョン

【岐阜県高原川】会いたい鮎が目的地!美しく健やかなる高原鮎は金色に輝いていた!

2025年08月05日公開

1427_main

今シーズンの岐阜県高原川は、解禁を前に大雨に見舞われ、上流の谷で土砂崩れが発生。度々濁りが入り、鮎の成長も遅れ気味とのことだが、あの桃源郷の鮎たちは元気だろうか?と不安な気持ちも持ちつつ、7月中旬に一路高原川を目指した。道中安房峠で夜明けを迎えると、そこには釣り人の特権とも言うべき、思わず天空を見上げてしまうほどの色彩を放つ朝焼けが、山々の隙間から神々しい光を放っていた。不安は希望へと変わった。輝く美しき高原鮎に逢いたい!仲間たちと真夏の陽射し降り注ぐ高原川での楽しい1日が始まる!

【この記事を書いたライター】SHOHEY

竿抜けを求め上宝地区上流ポイントへ!

車から降りるとカラッと涼しい…いやいや、むしろ肌寒い!と感じる程の気温に驚かされ、何とも清々しい朝を迎えた。

高原川に到着して最初の楽しみは「オトリ屋もんじろう」さんに会うことだ。この日は三連休初日ということもあり、もんじろうさんの駐車場は多くの県外ナンバーで大盛況。混雑していても相変わらず丁寧な対応で、一人一人にポイントのアドバイスをしてくれる。どこの河川に行っても「何処のポイントに入れば良いものか?」と頭を悩ませるものだが、ここ高原川ではもんじろうさんのお陰でいつもポイント選びには迷わずに済んでいる。

話を聞けば、どうやら場所ムラはあるようで「竿抜け」を探すことが釣果を上げるポイントとなるようだ。今回オススメしてもらったのが、今まで濁りが強くあまり釣り人が入っていない上流のポイントである。もちろん、今回竿を出すのは初となるポイント。どんな景色が広がっているのだろうか?ワクワクしながら、すぐさま仲間たちと目的地を目指した!

上流に向け、30分ほど車を走らせ到着したポイントには先行者の姿はなし。薄っすらと濁りはあるが、竿を出せないレベルではなさそうだ!トロ場に段々瀬、チャラ瀬とバラエティに富んだ渓相が広がっていた!仲間たちとの意見も一致したため、さっそく竿を出してみることにした。

朝一は浅場右岸ヘチ狙いで!

笹濁り状態ではあったが石を見れば少しずつ減水し、濁りも改善されてきているようだ。川底には鮎の気配も見られた。それぞれ好きなポイントへと散っていく。私はまず入川口目の前へ。いかにも鮎の溜まりそうな落ち込みの深みを見つけたので、ここから始めてみることにした。鮎がいれば一発で掛かりそうなポイントだ。

まずは、オトリのやりたいようにさせてみようと、足下から送り込んでいく。しばらく泳がせてみても反応なしだったが、上流を見れば仲間が浅場のトロでHITさせているではないか!さらに他の仲間も下流の段々瀬のヘチでHITさせている!仲間たちが続々と鮎を掛けていた。「この様子だと、朝方は深場ではない」と判断し、下流の瀬肩を目指した。

手前の水深のある流れを避け、左岸浅場の流れのヨレにオトリを通すと「スッコーン!」というアタリがあった!読み通り!過去にも感じたことのある高原鮎らしいアタリである。タモに入ったのは〝オトリにピッタリ〟な18cm程の美しい追星鮎であった。眺めていると、高原鮎らしい素晴らしいスイカの香りが漂ってくる。この1尾の釣果だけでも「ここへ来て良かった」と思わせてくれる。

 

水温上昇で高活性化!連チャンも!

兎に角、午前中は浅場狙い!同じ場所では掛からないので筋を変え探っていく!すると入れ掛かりとまではいかないものの、飽きない程度に鮎が掛かってくれる。上流を見ても下流を見ても同じ状況のようだ。

ポツポツと鮎は掛かるが追い自体は活発でない印象。ハリスの長さを変えたり工夫はしてみたものの、口や頭など掛かりどころがよろしくないことも多かった。そしてしばらくの間増水していたこともあり、葉っぱや枝などが流れてきて根掛かりもしやすく、早掛け系の針ではなくシワリ系の針がマストであった。しかし掛かる鮎はどれも美しく、コンディション抜群だ!

10時を過ぎると朝の涼しさが嘘のように気温がグングン上がり始めた。それと共に水温も上昇。この頃になると目視できる鮎も増えてきて、朝には掛からなかった水深のある流れや、トロ場でも掛かるようになってきた。数は少ないが背掛かりも増え、活性が上がっている模様。連チャンも増え、益々爽快なアタリで私たちを楽しませてくれる!

ここで午前中の釣りは終了。全員が満足する釣果で終えることができた。後に下流のポイントに入った釣り人に話を聞くと、「難しかった…」とのこと。ポイントによって場所ムラもあるようだ。今の高原川は足を使い、反応のない所では粘らず場所移動が必至のようである。

突然の濁りからの場所移動が大当たり!

午後、釣りを再開すると、開始早々から大フィーバー!もはや何処でも掛かる状態に…!短時間で10尾の釣果をあげた仲間もいるほどである。しかし2時間程経った頃だろうか「ん?何かおかしい!?」急に掛かりが悪くなったのである。最初はさほど気にならなかったが、川の中の意思が見えにくくなってきているではないか!なんらかの要因で濁りが入ってきていたのだ。

慌てて雨雲レーダーをチェック!しかし上流で雨が降っているわけでもなさそうだ。川面に頭を出す石を見ても、増水どころか減水しているイメージである。みるみる濁る川に不安を覚え、もんじろうさんに連絡を入れると「崩れている上の谷から少し土砂が入ったのだろう」と。このタイミングから鮎からの反応はすっかりなくなってしまったのである。浅場とはいえ、足元がここまで濁ると危険と判断しすぐさま場所移動を決意した!

ひと足先にダム下に移動していた仲間に連絡すると、全く濁りはないとのことで大きく下流へ移動。さて何処に入ろうか?とばかりに地図を見ていると、以前〝良い思い〟をしたポイントのメモを発見した。状況は全くわからないが、とりあえずそこを目指す。到着すると、見える範囲に先行者は1人。人気ポイントとあって午前中にだいぶ叩かれているだろうことは予想がついたが、ゴールデンタイムに賭けてみることにした。

私は橋の下流の緩い流れ、仲間たちは橋上の瀬にそれぞれ入った。流れの頭に、〝今日イチ〟のオトリを送り込むんでいくと、流れの筋に入った瞬間「カッツーン!ギュイーン!」と強烈なアタリがあった。しかも背掛かりで型も良い!さらに、ここからの釣果が凄かった!連チャンに次ぐ連チャンで、掛かればほぼ背掛かり!立ち位置が逆光状態だったので、鮎の姿を目視することは出来なかったが相当数の鮎が溜まっているのだろう!

橋上の瀬に入った仲間たちも、良型鮎の強いアタリを満喫しているご様子である。まさに、数年前に来た時と同様「ゴールデンタイム到来の入れ掛かりタイム」を満喫することができた。

とはいえ、夢中な時間はあっという間。陽が傾き始め日陰になった場所では釣れるペースがダウン。陽を追い、移動しながら最後の釣り人になるまで高原鮎を狙い続けたが、いよいよゴールデンタイムも終了の兆しが見えてきたため、納竿としたのであった。

今シーズンの高原川は解禁前から困難に直面し、放流時期なども苦労があったことだろう。しかし漁協や地元の方の努力は実り、川には今年も多くの鮎が見られるようになった。未だ、少しの雨でも濁りが入ってしまったり不安は拭いきれていないが、足を使い、釣れない場所は見切って場所移動を行う等工夫することで、美しく高原川らしい鮎たちに出会えることができた。桃源郷は健在!といったところだろう。

今が正に盛期!ぜひともみなさんにも、金色に輝く美しき高原鮎を手にして頂きたい!

施設等情報

高原川漁協協同組合
岐阜県飛騨市神岡町船津2132-23
TEL:0578-82-2115

施設等関連情報

日釣券3,500円、年券25,000円
※女性:日釣り2,000円、年券10,000円(減免事務取扱店のみ・宝フィッシング・川甚亭・もんじろう商店・漁協事務所)

「オトリ屋もんじろう」
岐阜県飛騨市神岡町釜崎384-2
TEL:0578-82-4338
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
このライターの他の記事も読む

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部