2025年11月05日公開
今シーズンはすでに納竿した人も多いことだろう。毎年、10月いっぱいまでの釣行を予定している私は、シーズンの締めくくりにどの川へ行こうか?と吟味していた。この時期になると禁漁の河川も増え、オトリ屋も店仕舞いするところが多くなってくる。そんな中、シーズン後半までオトリの購入が可能で、まだ若い鮎たちが迎えてくれる河川があるという。そこは今季遡上好調と呼び声高い、静岡県安倍川水系だ。元気な鮎たちに出会うべく、遅ればせながら今季初の静岡釣行を決行した!
静岡河川の今!
安倍川、藁科川、富士川、興津川、狩野川…と静岡県の河川は漁期も長く、遅くまで鮎釣りを楽しめるとあってシーズン後半に訪れる釣り人も多い。特に今シーズンは安倍川水系、富士川水系の好調さが際立っていた。盛期は数釣りを楽しみ、富士川に関しては10月を過ぎた頃から大鮎、尺鮎狙いの釣り人で賑わいを見せていた。10月半ばを過ぎても、追いが活発な若い鮎が掛かるということで、静岡河川に足を運んだ釣り人も多かったようだ。
静岡に向かう道中、車を走らせながら様々な河川を覗いてみると、この時期にしてはそれなりの釣り人の姿が見られた。そんな中、今回私の選んだ河川は安倍川水系の藁科川である。この時期にして初河川チャレンジとなった。初ということで、事前に入川口などの情報を念入りに調べた後に現地へ向かった次第である。
気温24℃。曇り予報とまずまずのお天気。静岡には本当にまだ若い鮎たちがいるのだろうか?事前に営業確認をとっていたオトリ屋「川小屋」さんを目指す。
オトリ屋さんオススメポイントは朝から好反応!
初河川では見るもの手すべてが新鮮。景色はもちろん、時折見かける釣り人、川底まで見える清流にワクワクが止まらない!
まずは「川小屋」さんで、オトリと遊漁券を購入。この時期にも「やっていてくれてよかった~」と思っていた私であったが、話を聞けばなんと11月末まで通常営業しているとのこと。これには驚いた!さすが静岡の河川である。
店主に「初めて来たのですが…」と言うと、地図を使い駐車場所から、ポイントまでを丁寧に教えてくれた。釣れるか不安だった私は〝オトリのおかわり〟を想定し「何時までやっていますか?」と尋ねると、不安そうな私の心を一蹴するように店主はすかさず「大丈夫!釣れるから!」と何とも心強い言葉をかけてくれたのだった(笑)さらに、石色を見る事が重要で「黒い石色の所を狙うべし!」と釣りのアドバイスまでしてくれたのである。いるところでは一発で追って来るのだそうだ。何だか大丈夫な気がしてきた~(笑)!早速おすすめポイントへと向かう事に!
最初の入川点は、おすすめされた水見色川合流点。土手には広めの駐車場所があり、階段も付いていたりと入川も容易なポイントであった。川を見れば左岸側は大きな河原が広がり、目の前には良い感じの長い瀬が見えた。足場もよく、川に浸からずとも釣りが成立してしまうポイントだ。早速入川口から目の前の瀬へ。石色も良く、透明度の高い美しい川である。瀬には大きな石が点在し、複雑な流れを作っている。
オトリ屋さんの助言通り、黒い石を探す。川を見渡すと長い瀬の中央から下流が石色が良く、特に大きな石周りは良い苔が付いているように見えた。その大石周りからスタート。ラインを緩め過ぎないよう注意しながら上流へと上飛ばしに!するとひと流し目で「ギュン!」と早速ヒット!おお~、キタキタ~!18cm程と決して大きくはない鮎だが、サビも無く若い鮎であった。その鮎を放てばまたしても「ギュン」と小さなアタリ!がしかし、掛かり鮎の姿が見えたところでポロリ…。どうやらチビ鮎が絡んで掛かったようでバレてしまった。
それにしても出来過ぎなくらいの反応の良さである。先にも述べたが、川の透明度がとても高く白っぽい川。である故なのか、鮎も白っぽい魚体をしており、川と鮎が同化してしまって目視では鮎の姿を見ることは難しかった。しかし、川縁を歩くと「シュンシュン」と鮎の走る姿が多く見られた。
泳がせで連チャ~ンの午前中!
掛かった鮎を丁寧に泳がせると、自分よりオトリが上流、いわゆる〝上飛ばし状態〟になるとたちまち反応が出た!川底に沈む石の間をスーッと上る瞬間「ギュイーーーン!」。竿を立てると粘る引きは、盛期を思わせる力強さ!やっと顔を見せた掛かり鮎は、バッチリ背掛かりの20cm程。鮮やかな追星を持つ、美しい鮎がタモに収まった!
この背掛かり鮎を皮切りに、なんと連チャンがスタートする!ポイントは上飛ばし!自分の上へと上れば「ギラリーン!」と水中で美しく煌めく!同じ場所で3~4尾釣りあげると反応が無くなるので、狙いの石を変えながら泳がせていく。ほぼ前アタリは無く、突然の「ギュイーン」が訪れるのだ!
7.5号のシワリ系の針を使っていたのだが、途中からバレが多発し始めたこと、さらに鮎のサイズもさほど大きくなかったので、針をサイズダウンして6.5号のスピード系にチェンジ。これが奏功したのか、掛かりどころは良くないこともあったが、バレることはなくなった。この日は、オトリのおかわりを覚悟できたというのに怖いぐらい順調だ(笑)。オトリ屋さんの案内、アドバイスのお陰である!ありがと~!
午前中はまさかの時速8尾という釣果で、楽しい時間を過ごすことができた。
突然の雨、気温ダウンで状況は一変!
今日は元々下り坂の天気予報ではあったが、思ったよりも早くひと雨来てしまった。「サー」とシャワーのような雨が降るのと同時に顔を見せていたお日様も姿を隠し、心なしか気温・水温ともに下がったように感じた。この頃から状況が一変。パタリと反応がなくなってしまった。
とにかく足を使い歩きまくるべし!なるべく竿を入れにくい場所、いわゆる竿抜けを狙っての拾い釣りとなった。そうしているうちに、追い気の強い鮎がやっとヒットするようになった。やはりいくら若い鮎とはいえ、10月も半ばとなると気温や水温にはかなりシビアである。
午後になり釣り人も増えて来たのだが、午後から訪れた釣り人たちにはかなり厳しい状況となった。後に、同じ日に富士川釣行へと向かった友人から話を聞いたのだが、状況は藁科川と全く同じ。午前中の釣果が良く、午後には厳しい時間が続いたのだという。もちろん天気もあるが、朝イチの活性が良いのだろう。近隣の河川でも、一度鮎を抜いたポイントでは中々釣り返しが効かない状況が伺えた。
とはいえ1日を通し、〝良い時間〟と〝考える時間〟を与えてくれた藁科川には感謝である。今回の釣行もとても楽しいものとなった。来シーズンはぜひ、もっと早い時期の鮎たちにも会いにいきたいと考えている。
季節はグングン進み、寒ささえ感じるようになったが、最後にもう一度鮎の顔を見たいと言う釣り人にはおすすめの静岡河川!美しき鮎たちが、きっと最後の最後まで私たちに付き合ってくれることだろう!
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この記事を書いたライター
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