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鮎釣り終盤!秋深まる箒川で〝真逆戦法〟が大当たり!?

2025年10月23日公開

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今回、向かうは栃木県の箒川。高速を降り、すっかり黄金色に染まった田んぼを貫く様に走る〝ライスライン〟をひた走る。シーズン後半に強い河川と言うこともあり、箒川へはこの時期に訪れることが多い。しかし、当日はお天気下り坂の雨予報。この時期の雨は大きく釣果に響いてくる。さあ~どうなる?秋深まる箒川で試行錯誤の鮎時間が始まる!

【この記事を書いたライター】SHOHEY

鮎の姿は見えるが、釣るのは難し

この時期になると禁漁になる河川も増え始め、河川の選択肢が少なくなってくる。まして天気が不安定となれば尚更だ。箒川方面はお天気下り坂ではあったが昼過ぎからの小雨程度とあって多くの釣り人の姿が見られた。早朝は朝焼けが美しく、青空も見え、陽射しは暑いと感じる程であった。

仲間達と待ち合わせし、暫し本日入るポイントについて作戦会議。地元の方の勧めもあり、箒橋周辺を目指すことにした。早速オトリ購入に、と向かった先でトラブル発生!な、なんとオトリが売り切れ!9時には再入荷があるとのことで待つことにしたのだが、次から次へとオトリを待つ釣り人が増えていく。早くポイントへ行かないと混みそうだな~。やっとのことでオトリを購入できたのは9時30分。出遅れてしまったので慌ててポイントへ。しかし、心配するほど混雑はなく安心した。

川へ着くと思ったよりも水温は低くなく、石色も良い。この箒橋周辺は小砂利と岩盤の混じるポイントとなっている。橋上の岩盤を見れば黒々し、鮎の気配ムンムンだ!緩い浅場では鮎達の跳ねも見られた。仲間達は下流へ。私はこの橋上の岩盤へ一目散!右岸ヘチに立ち手前から探ってみることに。オトリはすこぶる元気でグングンと上流へ。反応がなければ一歩前に出て、筋を変え丁寧に泳がせていく。が、30分経っても反応はなし。鮎は見えているのに。オトリが元気な状況で反応が得られぬことで、このポイントには見切りをつける。どうやら今日は一筋縄ではいかぬ、難しい戦いとなりそうだ。

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必殺「真逆戦法」!思わぬ場所で掛かる鮎

一級ポイントだと思っていた場所で撃沈を喰らい、さてはて次はどこへ行こうか?ここでふと思い出した言葉があった。「何かをやってダメなら真逆を試してみよ。」これは、私に鮎釣りを教えてくれるアニキがよく言っている言葉である。さっきは「流れが弱く、浅場がダメだった」ということで、「流れが強い、深場」に当てはまるポイントを探してみる。見つけたのは、橋下の分流からの落ち込みで強い流れがあり、水深もあるポイントであった。

さあ~ここからだ!気を取り直して、サラのオトリを出動。すると、今まで反応が皆無だったのが嘘のように、ガツッと強い当たりが!針掛かりはしなかったが本日初の反応を得ることができた。反応のあった場所へもう一度オトリを入れ直す。するとズドーン!目印が吹っ飛んだ。キターーー!しかもこの引きは良型の予感。バレぬよう流れに乗せ、下流へと送り込み慎重に取り込む。シャッとタモに収まったのは予想通り良型の鮎。アニキの言う通りやって、ここまで綺麗に結果が出るとは驚くばかりだ!アニキは凄いなあ~と鮎を眺めながらしみじみ思ってしまった。ありがとう~アニキ!単純な私はこれから暫くこの「真逆戦法」にハマるのであった。

それにしても釣れた鮎はこの時期にも関わらずサビも無く若い!まるで盛期の鮎のような姿であった。私が1匹目を手にした頃、下流の友人達もやはり水深があり、流れのあるポイントで釣果をあげていた。

 

釣り返しは効かず、サイズは大小さまざま

野鮎が獲れたことで、断然反応は良くなった。しかし、入れ掛かりとはいかず。そう甘くはない今年の箒川。お昼近くになると時折雨も降り、肌寒い。この天気が影響を及ぼしているのか定かではないが、手を尽くしての拾い釣りといった感じだ。良型の鮎が続けば良いのだが、そうもいかず。オトリになるだろうか?というチビ鮎も混じってくる。このチビ鮎が掛かるとリズムが崩れ、沈黙の時間が続く。

そして、もう一つ。同じポイントで釣り返しが効かない。追いけのある鮎を抜いてしまうと、たちまち反応がなくなってしまうのだ。狙う筋を変えたり、足を使ってポイントを探っていく必要があった。簡単な状況ではなかったが、試行錯誤の末、鮎を掛けていく時間も楽しい時間であった。お昼休憩に友人達と話していると、鮎が乱舞し溜まる場所もあったとのこと。そのポイントに入った友人は半日で20匹程の釣果を上げていた。どうやら場所ムラがあるようなので、見切りを早くし、多くのポイントに竿を出すことが釣果アップの肝となるようだ。

夕刻にプチゴールデンタイム

相変わらずどんよりとした空模様ではあったが何とかお天気はもっていた。入川口から少し下流の、午前中に入ったポイントを通りかかると「ギラン」と大きな煌めきが見えてしまい足が止まる。1回だけ竿を出してみよう。仕掛けを張る間にも鮎の煌めきが見えている。これはもしや時間を置いたことにより、また釣れるのでは!?早速オトリを送り込む。目印の真下でギラリン!が、反応がないまま時間だけが過ぎる。やはり一度抜いたポイントだからダメなのか?見切りをつけ順々に下流の深場を攻めていく。しかし、どんなにポイントをずらしても反応はないままであった。

そこでもう一度「真逆戦法」を試してみようと思い立ち、ポイントを浅場へと移した。すると水深が浅いこともあるだろうが、キランキランと鮎の煌めきがあちらこちらで見えるではないか!今日イチ元気な鮎をオトリで送り込むと、ひと流し目でバッキューン!掛かった~!ここからは〝プチ入れ掛かり〟となり、8匹の鮎を掛けることができた。決して大きな鮎ではなかったが、どの個体も若く、鋭い当たりで十分に楽しませてくれた。どうやら14時30分頃をさかいに、川全体で活性が上がったようだ。下流の流れのある岩盤を狙った友人達も飽きぬ程度に釣果を上げていた。この岩盤で釣れる鮎は型揃いで良型が多く、最大27.3cmのデカ鮎も掛かっていた!

皆良い感じで釣果を上げていたが、16時30分頃になると強い雨が降り出す。ずぶ濡れになった私達は後ろ髪を引かれつつ納竿とした。今回の箒川はお日様も顔を出さず、気温も上がらぬ状況下であったが、まだまだ若い元気な鮎達が顔を見せてくれた。簡単に釣れるわけではないが、1日を通せば活性の上がる時間もあり、型、数ともに十分楽しませてくれる。日々秋は深まり、状況が変わる時期ではあるが、もう少し、あと少し、最後まで私達を楽しませてくれることだろう。今シーズンの締めくくりに箒川はオススメの河川である。

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施設等情報

那珂川南部漁協協同組合 那珂川南部漁協協同組合ホームページ

施設等関連情報

年券14,000円 日釣券3,000円
「オトリ」
漁協MAP参照釣り場MAP
     
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この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
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