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チビ鮎デカ鮎に翻弄される灼熱の相模川!いよいよ大会シーズンに突入だ!

2025年07月23日公開

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神奈川県相模川は、7月に入ると大会シーズンとなり、高田橋エリアが多くのコンペティターたちで賑わいを見せる。しかしながら、7月初旬の相模川はダムの放水も少なく、石を見ればコケぐされ気味で青ノロも発生し始めていた。梅雨はいづこへ…?といった雰囲気で〝雨待ち〟の状況が続いていたのだ。そんな状況下であっても、暑さにも負けぬ多くの鮎たちの跳ねも見られる。はてさて、この鮎達を掛けることはできるのだろうか?参戦予定の大会下見から本番にかけての模様をリポートしていこう!

【この記事を書いたライター】SHOHEY

大苦戦の下見!チビ鮎から大鮎までサイズのバラツキに翻弄される…

神奈川県相模川で鮎釣り大会が開催されたのだが、その1週間前に仲間たちと共に下見釣行へ出掛けることとなった。入ったポイントは高田橋周辺。よく鮎釣り大会が開催されるエリアである。

それにしても暑い!日影のない河原は強烈な暑さだ。今年は梅雨だと言うのに雨が少なく、スコールのようなゲリラ豪雨があっても一瞬で、渇水の川が改善されるほどではない。まずはオトリ浸けのために川へ向かうと、ヘチの垢は腐り、非常に滑りやすい状態になっていた。ん~これは中々難しい釣りを強いられそうだ…。

試合開始時刻の7:00に合わせてスタートフィッシング。渇水という状況を考慮して、まずは大きな石が沈む水深のあるエリア、高田橋上から始めると、…アレッ!?掛かった。小ぶりな鮎が口掛かりしたのである。ただし、釣れたというより、ギリギリ引っ掛かった、といったところ。案の定、連発することはなく放浪する時間が続いたのであった。たまーに掛かる鮎も最小7cm最大22cmとサイズも様々。サイズのバラツキに、仕掛けや針はどんなものを使ったら良いものか?と悩んでしまう。下流へ行った友人も、瀬を攻めた友人も皆苦戦しているようだ。釣れる場所に法則は無く、誰しもが答え合わせに頭を悩ませていた…。

大会1日目を見学!おやおや鮎の状況が変わっているぞ!

釣況の芳しくなかった下見から1週間後。いよいよ2日間に渡る大会が始まった。初日は翌日に控える本番に向けてしっかり見学することにした。狙っているポイントは高田橋前後のエリアだ。橋の上から川の様子を確認すれば、目視で多くの鮎の姿を確認できた。

7時のホーンの合図で一斉にオトリ鮎が放たれる。開始3分、早速1人の選手が良型を掛ける。その後、瀬肩の浅瀬に入った選手もポツリポツリと掛け始めた。何だか下見の時とは異なる印象である。全員に満遍なく釣果がある訳ではないが、野鮎を獲れた選手は数を伸ばしている印象。1尾目に時間が掛かっても、野鮎が取れれば入れ掛かりとはいかないまでもポツポツと掛かるイメージ。

それでも、その1尾目を取るのはそう容易ではなさそうである。垢ぐされの中、鮎の通り道は中黒く石色が良い筋が見えていた。橋の上から見ているとよく分かるが、浅場、深場に関わらずやはり石色の良いポイントに入った選手が竿を曲げているようだ。

 

なんだ、なんだ?連チャンか!?

そんな中驚異的な掛かりを見せる選手の姿が!橋上左岸ヘチのチャラ瀬で1人入れ掛かりだ!丁寧な泳がせで次から次へと鮎を掛けていく!一緒に見学していた仲間達も驚きを隠せない!こんなに釣れる場所なんてあったっけ…?水深の浅い場所だか決してチビ鮎という訳ではなくしっかりオトリになるサイズが多い。1尾掛ければ3~4連チャン!周りと比べれば恐ろしいペースである!

1日目の様子を見る限りこの日は橋前後のエリアでヘチ狙いの選手が比較的良い釣果をあげていた。下流エリア、深場狙いの選手には厳しい戦いとなったようだ。そして相模川名物〝鯉のオトリ泥棒事案〟も発生し、うなだれ仕掛けを張り直す選手の姿も見られた。これは充分気を付けなければならない。さあ~明日は楽しく真剣に頑張るのみ!いざ!

大会2日目!またしても状況は一変!水位低下で深場に勝機あり!

2日目。いよいよ大会当日である。この日も快晴。最高気温37℃予報。前日と違うことと言えば、ダムの放水量が少し減ったこと。珍しくくじ運も悪くなく、想定していたポイントにも入れそうだ。

オトリ配布後は汗だくになりながら、ひたすら上流を目指すと、入りたい場所にも入れ一安心。しかしポイントについて「ハッ」とした。なんと、立ち位置が逆光になり水中がまったく見えないのだ。しかし時すでに遅し…他の場所に移動できる状況ではなくなっていた。それでも、後ろに入ったお兄さんからの「頑張りましょうね!」という声に救われた。落ち着きいて準備を進めることが出来たのであった。

仕掛けを張りながら狙うは左岸ヘチ。…だったのだが、背中側で多くの鮎の跳ねがあったことが気になっていた。その後、まさかの展開になるのだが、この時知る由もなかった…。

そして、試合スタート。気合十分でオトリを送り込んだが、うんとも…すんとも…で、あっという間に1時間が経過。ただ、この時点では昨日に比べて竿が曲がっている印象はなかった。幸いにして、オトリはすこぶる元気。2号はサラの状態であった。「まだまだこれから!」と自分を励ましながら、少しずつポイントをズラして探っていく。2時間が経過…。この不穏な状況に、流石に痺れを切らし移動を決心。中洲のヘチに向かうと、そこには多くの鮎の姿が!間違いでもいい、掛かってくれ!と願い上飛ばしで丁寧に泳がせていったのだが、間違いすらなかったのである…(笑)。この後は、ひたすら下流に下る放浪の旅へ。

残り1時間…。もうだめか、と思ったその時、くるぶし程の水深で13cm程のチビ鮎が掛かった。「焦るな、まだ時間はある」と自分に言い聞かせ、チビ鮎をオトリに再起を図る。とあるポイントで根掛かりしそうになり、強めにオトリを引いた時だった。「鯉だ!」と思った瞬間、今まさに私の唯一の野鮎がその大きな口に吸い込まれていくのが見えた…(泣)。私の頭の中に、終了のホーンが鳴り響いた。

これにて4時間の大会は終了。結果、前日より水が減ったことにより、上・下流共に水深のあるポイントで釣果が出ていたようだ。そして、前述した私が最初に入ったポイントの〝背中側での鮎の跳ね〟。後半に活性が上がり、そのポイントで竿を出した選手は勝ち上がりを決めていたのだ。下見は大事だが、自然の状況は日々変化するもの。下見の先入観に囚われずに、柔軟に、臨機応変にポイントを探っていくことの大切さを学ぶ大会となった。

灼熱の相模川!現在、渇水が続き状況はよろしくないものの、天然のチビ鮎から大きく成長した鮎まで多くの鮎たちが確認できた。兎に角、数は多い!ひと雨くれば鮎たちは動き出し、Xデイもすぐそこまで近づいている雰囲気だ!今後、出水の後の相模川は要チェック!今夏、相模川は、友釣りのみならず鮎ルアーでも大いに私たちの夏を楽しませてくれることだろう。

施設等情報

相模川漁協協同組合連合会 相模川漁協協同組合連合会ホームページ

施設等関連情報

料金:年券13,000円、日釣り券2,000円(現場3,500円)※中学生半額

■相模川オトリ店
「高田橋友鮎販売所」
TEL:090-8816-5320
神奈川県相模原市中央区水郷田名4-11-8
「フィッシング相模屋 水郷田名店」
TEL:043-762-0330
神奈川県相模原市中央区水郷田名4-10-12
     
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この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
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