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「トリプル50」達成!!西伊豆田子の夜釣りでモンスターを狙う!

2025年09月10日公開

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日本列島が猛暑に見舞われた8月下旬、伊豆半島の渡船夜釣りも終盤戦を迎えた。今シーズン、寂しい釣果が続いていたのだが、ようやく報われたのが今回の釣行である。モンスターフィッシュを狙うべく、西伊豆は田子の磯に乗る!

【この記事を書いたライター】磯部 哲

 

マジックタイムに大本命を仕留める!

今シーズン、磯釣りクラブメンバーの杉崎さんと嘉山さんは良型シブダイ・コロダイを仕留めることに成功したが、竹中さんと私は寂しい釣果が続いていた。今回は杉崎さん・加賀美さん・竹中さん・私の4人で、引きの強いモンスターサイズを狙うべく、静岡県は西伊豆田子に出かけてきた。我々が目指す磯は過去にシブダイの実績がある「雌島」。杉崎さんと加賀美さんは「雌島の船附け」に、竹中さんと私は「雌島の水道」に分かれて乗ることに決めて、期待と共に17時前に出港した。

この釣行の1週間前は海底の海水温が19℃まで一気に下がったため魚の活性も下がってしまったが、この日の海水温は27℃。船長も「今日は潮色がいいですね!」と期待ができる状況だ。夕マヅメのマジックタイムに出現するモンスターを想定して、強めのタックルを準備した。

■竿:磯竿2.2号
■リール:4000番
■道糸:PE1.5号
■リーダー:ナイロンリーダー6号を5ヒロ(1ヒロは約1.5m)
■ハリス:フロロカーボンハリス10号を1ヒロ半
■針:ヒラマサ針14号
■ウキ:棒ウキ2号

コマセはオキアミ3kg、イワシミンチ4kg、パン粉2kg、配合剤5kg。夜釣りは匂いの強いエサが有効であるため、イワシ・ニシンの切り身、ホタルイカ、オキアミなど複数のエサを準備した。「雌島の水道」は全体的に水深が浅いので、棚2.5ヒロのところにウキ留めを付けてスタートした。

竹中さんはイワシをエサに、スルルー仕掛けで海底付近を探る作戦のようだ。開始早々良型アカハタをゲットし、2匹・3匹と次々と追加。私はホタルイカをエサに磯際を攻めていたが、釣れてくるのはイトフエフキのみ。これを見ていた竹中さんが「そっちの先端を攻めてみたら?」と、少しだけ張り出している磯の先端をすすめてくれた。竹中さんの釣り座との境界線なので少し遠慮をしていたのだが、アドバイスをもらったので早速実践することに。

エサもイワシの切り身に変更して1投目。二人で棒ウキを眺めていたら「ズキューン!!」と凄まじい勢いでウキが消し込んだ。すかさずアワセを入れると、魚は海底に逃げようと強い引きで抵抗してくる。水深が浅いので根に張り付かれないよう、強引に竿を立ててゴリ巻きで応戦。強い引きを楽しみながら海面に姿を見せたのは、オレンジ色が美しい大本命のシブダイだった!「やったー!明るいうちから目標達成だねー!」とアドバイスをくれた竹中さんが称えてくれた。

その後も同じように攻めてみたものの、アカハタを3匹追加したところでマジックタイムは終了。竹中さんは大物を掛けたものの残念ながら針外れ。夜釣りの電気ウキ仕掛けに変更した。


 

竹中さんも大本命のシブダイを仕留める!

夜釣りはオキアミも併用するため、以下のタックル変更を実施した。

■ハリス:フロロカーボン10号→8号に変更
■針:ヒラマサ14号→夜行真鯛10号に変更

開始早々、竹中さんに強烈なアタリ。この日は1.7号竿で夜に挑むと言っていたが、これが仇になったか魚が全く止まらず痛恨のハリス切れ。モンスタークラスがいることを確認できたため「2.5号竿に変更するよ!」と早々にタックルを変更した。タックルを変更して数投目、今度も強烈なアタリで2.5号竿を大きく曲げる引きの強い魚が掛かった!沖に逃げる様子から正体はフエフキダイの様だ。過去に75cmのモンスターを仕留めている腕前で徐々に距離を詰めてきて、ついに姿を見せたのは50cmオーバーのフエフキダイだった。「モンスターじゃ無かったけど、引きは強かったよ!」と納得の1匹を仕留めた。

潮は緩い当て潮で、磯際のシブダイを狙うには釣りやすい状況であった。竹中さんはオキアミをエサに磯際を狙っていると、強烈にウキを消し込む明確なアタリが!沖に走らない様子からフエフキダイとは違う魚の様だ。竿を胴まで曲げてタモに取り込んだのは、今回の大本命魚であるシブダイだった!「やったー!二人して目標達成だね!」と今度は私が竹中さんを称えた。

私も負けじと磯際を徹底的に狙ってみたもののオジサンが連発。気分転換に付けエサをオキアミに変更してやや遠投してみると、2投目にウキを消し込むアタリが!アワセを入れると魚は猛烈な勢いで沖に走り始めた。「ジージーッ」とドラグが鳴くので、無理のない程度にスプールを押さえながら間合いを詰める。根際の張り出し根に注意しながら取り込んだのは、竹中さんと同サイズのフエフキダイ。ここで時刻は21時半を迎えたため遅めの夕食を取ることにした。


パーティタイムに自己記録のシブダイを仕留める!

釣りを再開したものの、0時過ぎまで全くアタリがなくなってしまった。これまではイワシの切り身をメインに使用していたが、ニシンの切り身に変更。1匹目のシブダイが釣れたポイントをしつこく攻めていると、ウキが「ユラ~ッ」と沈み始めた。竿を持つ手に力が入る。しばらく我慢していると「スッー」とウキの速度が上がると同時にアワセを入れた瞬間、竿が大きく弧を描いた。1匹目とは明らかに異なる重量感のある引きに堪えきれず思わず糸を出した瞬間、根に張り付かれてしまった!「ありゃー、根に張り付かれた?」とタモを準備してくれた竹中さんに、「しばらく粘ってみるよ」と私は長期戦を覚悟した。

魚が動かなくなってから3分くらいが経過した後ついに魚が動き始めた。千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかないので、ここからはフルトルクで魚を引き寄せる。魚も体力の限り抵抗したが、ついに海面に姿を見せたのは大型のシブダイだった!タモ入れを手伝ってもらい測定した結果、自己記録を5cm更新する52cmの立派な1匹だった。「またシブダイ!すげぇ!!」と竹中さんもビックリだった。

これで再び火が付いた竹中さん。イワシとオキアミのローテーションで磯際を徹底的に狙っていると、これまた大きく竿を曲げる魚を掛けた。何となんと竹中さんも40cmオーバーのシブダイを追加!更にさらに50cmオーバーのフエフキダイを2匹追加と勢いが止まらない!雌島はパーティータイムを迎えたようだ。

この波を逃すまいと集中力を高めていると、私にこの日3匹目のシブダイが!40cmオーバーの良型追加にもう十分に満足していたが、残り時間1時間を切った3時半に異なる魚が掛かった!引きはシブダイほど強くないが、手ごたえのある引きと重量感で楽しませてくれる。海面付近まで上げてくると、ギラっと光る目に大きく鋭い背びれが見えたので「ヒラスズキかな?」と思っていると、縞模様の魚体がはっきりと見えた。無事にタモ入れしたのは53cmの立派なコショウダイだった!この1匹でクーラーボックスに魚を入れるスペースが無くなったため、ゆっくりと片づけを開始した。


一晩で「トリプル50」を達成!

この日の「雌島の水道」の主な釣果は、二人でシブダイ5匹・フエフキダイ4匹・コショウダイ1匹。個人的には3魚種で50cmオーバーを仕留め、見事に「トリプル50」を達成することができ、思い出に残る釣行となった。「雌島の船附け」は38cmを筆頭に30cmオーバーのイサキを40匹程度、おまけに珍しいツバメウオを仕留めるなど、楽しい夜釣りを満喫したようだ。

伊豆半島の渡船夜釣りは9月中旬まで。今回はモンスター級の超大型魚は出現しなかったが、残り少ない夏の夜にモンスターとの格闘を夢見てまた挑戦したい!

施設等情報

渡船:福由丸
静岡県賀茂郡西伊豆町田子1145-5(田子漁港内船着き場前)
TEL:090-3236-2944
(田子漁港より出船)

施設等関連情報

出船および磯上り時間:季節による(要確認)
料金:沖磯6,000円 / 沖堤防 4,000円
車:新東名高速道路・長泉沼津ICから約1時間20分
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

磯部 哲
伊豆半島・真鶴半島をメインに活動する磯釣りクラブ「湘南爆釣族 まるやま倶楽部」の斬り込み隊長 兼 小物釣り師 兼 週末アングラー。磯釣り歴は約15年で絶賛修行中。釣った魚を料理するのも大好き。クラブメンバーで釣行を共にする杉崎さん、竹中さん、高橋名人、磯部の「釣れないカルテット」が繰り出す珍釣行に、乞うご期待!!
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