2025年11月18日公開
2025年10月某日、山口県萩市の「鯖島1番」を目指した。鯖島への渡船を利用するのは約半年ぶりで、事前情報はほとんどない状況。それでも久々の釣行に胸を躍らせながら当日を迎えた。
朝一は“イサキ”が登場!
鯖島は萩市三見沖約4kmに位置する無人島で、周囲約2.8km、面積約0.27km²。島の北西側から半時計回りに「1番」から「21番」まで渡礁できる磯が点在し、古くから奇数番号の瀬が好釣果を上げることで知られている。
出船は5時30分。北東から少しうねりが入っていたものの、鯖島方面は北東うねりに比較的強く、思いのほか穏やかな海況に恵まれた。出船から約20分で目的の鯖島へ到着。船長のご厚意で、期待の「鯖島1番」へ上礁することができた。鯖島1番は山口県萩市の人気磯釣りスポット。釣り座は高いところにあり、足場はやや悪いが、西風や波に強く、冬の日本海でも有望なポイントとして知られる好場所である。
渡礁後は同乗者とポイントを確認し、釣り座を決めて準備に取りかかった。
撒き餌を程よく打ち込み、数投目。突如、バチバチッと道糸が弾かれ、竿先が一気に絞り込まれた。上がってきたのは、お腹がぽってりとした丸々太ったイサキ。まさに食べ頃の一尾である。早速ライブウェルへ収め、気を取り直して本命狙い。同じラインをトレースすると、再びアタリ。サイズはややアップし、40cm弱ながらも力強い引きで楽しませてくれた。
尾長の登場を期待しつつも、その後はイサキに交じって30cm前後の口太グレの活性が次第に上向き、にぎやかな朝マヅメとなった。しかし、期待していた時合いはそこまで。海は次第に落ち着きを取り戻し、朝のドラマは静かに幕を閉じた。
温暖化で変わる磯釣りシーズン?鯖島でイサキ好調の理由とは?
その後はクチブトグレやスズメダイの活性が一気に高まり、本命の尾長グレにはなかなか辿り着けない展開が続いた。それでも時折、ぽつりぽつりとクチブトグレが竿を曲げてくれ、飽きることのない程度に楽しませてくれる。
ここ数年の温暖化の影響か、以前は梅雨時期の乗っ込みシーズンにしか見られなかったイサキが、今では年間を通じて顔を見せるようになった。特に今シーズンは酷暑が長引いたせいか、秋の訪れを感じにくく、海中もまだ夏の名残が濃い、そんな残暑厳しい海況であった。
釣り座を変更したあとは
その後、釣り座を小高い岩場へ移動し、潮がやや緩んだタイミングを見計らって再び竿を出した。朝方に比べ風も落ち着き、海は一見すると釣り日和。しかし、依然としてウネリは残っており、せっかく馴染んだ仕掛けをたびたび持ち上げられてしまい、思うように攻め切れない時間が続いた。
それでも時折、潮の筋が変わる一瞬を狙って仕掛けを流すと、穏やかな表情の海の下では確かに生命感があり、次の一匹への期待が途切れることはなかった。
何としても良型の尾長を仕留めたい――。そんな一心で、最後の望みを託して竿を振り込む。潮の変化を感じながら集中していると、突如ウキが「スッ」と沈み込み、次の瞬間、勢いよく海中へ引き込まれた。渾身の合わせを入れると、竿全体にずしりと伝わる重量感。手に伝わる感触からして、これは間違いなく今日イチの魚。
慎重にやり取りを重ね、ついに姿を見せたのは、黄金色に輝く45cmのジャンボイサキ。本命の尾長ではなかったものの、締めくくりにふさわしい堂々たる一尾で、今回の釣行は納竿となった。
この記事を書いたライター
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