2026年04月13日公開
関東地方に待ちに待った恵みの雨が降った翌日、3月28日。栃木県・粕尾川では、いよいよ渓流解禁日を迎えた。今年は例年に比べて気温は高めだったものの、山深い粕尾の渓はやはり肌寒い。夜中まで降り続いた雨で、川沿いに咲く桜も寒そうに雨露に濡れていた。
昨年の初釣行では、釣り人の多さに驚き、そして魚たちの活性の高さにも驚かされた粕尾川。今年は初めて粕尾川を訪れる友人とともに、あの果敢にルアーを追ってきた魚たちとの再会を求め、川へと向かうことに。そこには、予想もしなかった魚との出会いも待っていた。
まだまだ渇水状態の粕尾川!警戒心の強い魚たちに苦戦の朝!
道中、下粕尾から中粕尾へと川沿いを進むと、目に飛び込んできたのは渇水状態の川。ようやく降ったまとまった雨ではあったが、粕尾川にとってはお湿り程度だったようだ。
友人たちは上流域の支流へ、私たちは上粕尾地区へと分かれて釣りを開始することに。まだ5時30分だというのに、上粕尾の川沿いは車がずらりと並び、まさに満員御礼状態。続々と釣り人も集まり始め、私たちも急いで川へ向かう。
昨年も朝イチに入った細尾橋下流を目指す。強い流れから小さな落ち込みが続き、下流には大きな淵が構える好ポイントだ。エサ釣りの方が多かったため、まずは手前の強い流れなど、エサを入れづらいポイントから攻めることにした。
ここ粕尾川では、解禁日に放流が行われるのが通例。しかし渇水の影響もあり、放たれたヤマメたちはあっという間に深場へ姿を消していった。開始10分、上流に入った相方が早々に1尾を手にしたものの、後が続かない。私に至ってはチェイスすらない時間が続く。
今日の粕尾川、一筋縄ではいかない予感がしてきた。
ボトムを“渋めカラー”のミノーで攻めよ!
どこへ投げても反応なし。エサ釣りの人もポツポツと釣果は上がるものの、全体的に苦戦している様子だ。
この渇水状態に加え、釣り人の多さ。魚たちの警戒心が高まるのも無理はない。
「さて、どう攻めるのが正解か?」
こうした厳しい状況で考え、試しながら釣り進める時間は、実に楽しいものだ。
水深があり流れの強いポイントだったため、まずはヘビーシンキングミノーを選択。アップでの反応は無し。立ち位置を変え、サイドからドリフトさせると一瞬のチェイスが見えた。
ここで粘る。ルアーチェンジを繰り返すなか、一瞬のフッキングには持ち込んだものの惜しくもバラし。反応を見せたのは、赤金やピンク、グリーンといった派手カラーではなく、ブラック系、アユカラー、濃い紫などの暗めカラーだった。スプーンやスピナーにも反応はない。
ここからは暗めカラーのミノーでボトムを重点的に探る。ダウンで大きなトゥイッチを入れた瞬間──ヒット!その後方には、数匹のヤマメが追走しているのも見える。一気に活性が上がった感触だ。
どうやら「コース」「レンジ」「ミノーカラー」が噛み合ったようだ。試しに派手カラーへ戻すと無反応。再びヒットカラーに戻せばチェイスが出る。時間帯や水温で変化はあるだろうが、確実に答えに近づいている。
ボトム+大きなトゥイッチ+暗めカラー。このパターンで攻め続けると、これまでの苦労が嘘のような反応の良さに変わり、連続ヒットも。楽しい時間が一気に広がった。
上流も同じパターンで“粘り勝ち”!
午後になり雲行きが怪しくなってきたところで、気分転換も兼ねて上流調査へ。細尾橋から4~5kmほど上流へ移動した。
どのポイントも混雑気味だったが、釣り歩けそうな場所を発見。ここも水量不足で投げどころに苦労するが、少しでも水深のあるポイントを探してキャストを重ねる。すると開けた場所に辿り着いた。数人のエサ釣り師がいたが、「入っていいよ」と声をかけてくれた。
大石脇をルアーが横切った瞬間、2尾のヤマメがチェイス!さらに遡行を続けると、今度は左岸の深みギリギリで、やる気満々のヤマメが姿を現した。
何度も果敢なチェイスを見せるものの、足元で見切られる。ルアーチェンジを繰り返し、30分以上の攻防。最後はDコンのアユカラーに大きなアクションを入れたところでついにヒット!
苦労して手にした1尾は、格別の嬉しさだった。その頃、いよいよ雨が降り出してきた。
状況激変!派手ルアー×緩急ある誘いがスイッチを入れる!
雨とともに釣り人が一斉に帰り始め、あれほど混雑していた川は一気に静まり返った。
「さあ、ここからが本番だ」
レインウェアを着込み、朝入った細尾橋で友人たちと合流。上流支流に入っていた友人夫妻は、ヤマメに加え、本流では見なかったイワナ、さらにはビッグサイズのブルックトラウトまで釣り上げてきたという。
放流のない小さな支流、渇水状態のなかでのこの釣果は圧巻。しかも夫婦そろって1尾ずつ。
こんな魚が、粕尾の渓には今も潜んでいるのだ。
最後はみんなで同じ川へ。人的プレッシャーが消えたとはいえ、魚はかなりスレた状態。午前中と同じ攻めは通用しない。そこで派手なルアーに大きなアクションを入れたり、ダウンでゆっくりただ巻きしたりと、緩急を意識した誘いでヒットに持ち込んでいく。
わずかなコースのズレで反応が消えるシビアさも渓流釣りの面白さ。最終的には、貸切状態の川で仲間と存分にルアーを投げ、魚たちの反応を楽しむことができた。
もう一雨欲しい粕尾川だが、中流域や上流、支流にはまだ手つかずのポイントが点在する。
思わぬ大物との出会いも、きっとあるはずだ。この春、未知なる粕尾の渓を冒険してみてはいかがだろうか。
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遊漁券販売あり
この記事を書いたライター
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