釣りビジョン

2010.12.15号

山正丸・茨城県大洗港
68人乗船、オデコは2人!!茨城沖のヒラメ“全面解禁”

01_main.jpg
4日間トータル68人が乗船してオデコは2人だけ ― 茨城県南部のヒラメ釣りが“全面解禁”なった12月1日以降、大洗港『山正丸』で記録された釣果である。オデコが付き物と言われるヒラメ釣りでは、記録的な快挙と言ってもいい。全面解禁日の1日0~9枚、2日1~10枚、4日1~9枚、5日0~9枚(3日はシケ、6日は定休で出船せず)。12月7日に出掛けた。

天気予報は雨だったが…

午前4時過ぎに船着き場に到着。発電機につながれた電球に光々と照らされた受付前には既に数人が並んでいた。この日の釣り人は14人。前日の天気予報では午前中雨だったが、幸いにも曇り空。しかし、雨予報の平日にこれだけの釣り人が集まるのも当然の成績である。しかも『山正丸』の船長、“タダさん”こと小沼資平(おぬま・ただひら)さんは、大洗港でも人望厚き船長として知られた御仁。人気に拍車がかかるのも無理はない。

ミヨシに釣り座を構えた常連さん。会話が弾む
「今日はいいナギになりそうでよかったね~」と船長

餌付けから船長が教えてくれる

「その付け方じゃダメですよ~」。出船前の準備中にマイワシを手に船長が右舷胴の間(中央)で餌の付け方を教えていた。「マイワシとカタクチイワシでは、魚が全く違うので付け方も違います。カタクチイワシは口の中から上顎にハリを抜くと口が開いてすぐに弱ってしまうので、下顎から上顎まで一気に抜きます。今日使うのはマイワシなので下顎からではなく、口の中から上顎にハリを抜いて下さいね。鼻の穴は避けて間の硬い部分にハリを抜いて下さい」。

『山正丸』特製仕掛け
各釣り座にはまな板が完備されている

左舷大ドモで3連発!

午前5時、定刻に出船。釣り場まで航程約1時間。キャビンへ入り、横目で蛸壺漁の旗を見ながら沖へと進んで行くと地平線がうっすらと朝焼けに染まっている。幸い天気予報は外れてくれたようだ。辺りがだいぶ明るくなった頃、ポイントに到着。「今年初めてやるポイントだから、ちょっと様子を見てみるよ」と船長。活きイワシが全員に配られ、釣り開始のブザーが鳴った。水深は25~30m。横流しで釣る。オモリは60号。すると1投目に右舷胴の間でヒット。上がってきたのは、良型の“沖メバル”。しかし、それ以降のアタリはなかった。「いや~、いつもは朝の一発目で何枚かとれるんだけどね~参った。流し変えましょう」と、すぐに移動を決断。そして、5分ほど移動したところで再投入。「大ドモ(船尾)で上がったよ~」。アナウンスを聞きつけダッシュで向かうと、左舷大ドモの釣り人が、やや小さめだが船中第1号を釣り上げた。そして、そこから2連続ヒットでアッという間に3枚を釣り上げた。

2枚目、3枚目と型はどんどん良くなっていった
今年“初ヒラメ”ですよ♪嬉しいですね~
隣の私にも釣れちゃいました♪

ステ糸の長さが釣果を左右する

「おっかしいなぁ…」。左舷ミヨシ(船首)に座った常連さんが首をひねる。アタリは頻繁にあるのだが、餌だけしゃぶられてハリ掛かりしないのだと言う。「ウチの仕掛けの捨て糸は85㎝なので、別の仕掛けで捨て糸が短い人はその分多めに底を切らないとダメですよ」と船長。捨て糸が85cmの場合は底から50~60cm切ればいいが、捨て糸が30cmなどと短くなっている人の場合は1~1.5m上げる必要があるということだ。「ヒラメはカレイと違って底で餌を食べるのではなく、上にある餌に飛びついて来ます。だから常にオモリが底をトントンやっているようではダメですよ」と、すかさずアドバイスが飛んだ。

いい引きを見せてくれましたよ~♪
ヒラメにカジられてしまったイワシ
オデコ脱出したと思ったらもう2枚目で~す

左舷ミヨシで3.4kgの良型が浮上!

「やりましたよ!」。右舷胴の間に座ったヒラメ釣り初心者の人も船長に言われた通りの釣り方で1kg超えのヒラメをゲット!「人生初ヒラメですよ。嬉しいですね~」。隣の仲間の人も12月の解禁日を楽しみに釣りに来たと言うだけあって、すでに3枚の1~2kgUPのヒラメを手にしていた。
この日は潮の流れもよく、潮回しする度に船中の誰かしらにアタリが来る ― といった状況が続いた。そして、左舷ミヨシで首をひねっていた常連さんにもついにヒット! 竿先が激しく海中に突き刺さった。「やりましたよ!」。左舷側7人中既に6人がオデコを脱出していただけに実に嬉しそう。しかも上がって来たのは3.4㎏の良型だった。

ヒラメ釣り初めての人も良型をキャッチ!
良型のタモ入れは慎重に…
出ました!この日最大の3.4kg!

3時間でオデコは1人だけ

午前9時半、開始から約3時間で14人中13人がヒラメを手にした。残るは右舷大ドモから2番目の人だけ。「実は、前に来た時は6枚釣ったのですが、大きいヒラメが掛かって竿が柔らかめだったので逃げられちゃったんです。だから、今回はデカイのが釣りたくて硬めの竿を持ってきたのが失敗ですね。アタリがあっても竿が硬過ぎて餌を途中で放してしまうんですよ」。結局、最後までその人の竿にヒラメが掛かることはなく納竿の時間を迎えてしまった。

2kgクラスを中心に5枚ゲット
うまそうな婚姻色をした“渡りアイナメ”
良型のマトウダイも定番のゲストだ

2月まで楽しめる!

この日の竿頭は、左舷大ドモから2番目に座った古野直樹さんの9枚。2番手8枚の好釣果で1kg未満の“ソゲ”は1割程度交っただけだった。例年、年明けからは5kg超えの大型も釣れ始め、2月一杯は楽しめる。『山正丸』は“予約乗合”なので事前の予約を忘れずに!

仕掛け図
見事竿頭!
9枚を釣り上げた古野さん

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
茨城県大洗港『山正丸』
〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町1053-2
TEL:029-267-2341(定休日:毎週月曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
山正丸ホームページ
出船データ
釣り物:ヒラメ
午前4時30分集合、5時出船、12時沖上がり
料金:12,000円(活イワシ・氷付)
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
プレミアムメンバー