オフショアマガジン
2010.12.15号

でいとう丸・神奈川県江ノ島港
難度は高いが面白い。冬季のマルイカ釣り!

03_main.jpg
「最近、ヤリイカはダメだね。今は深場のマルイカ狙い。これもあんまり釣れてないけどね」。神奈川県・湘南、江ノ島『でいとう丸』の北村治之(きたむら・はるゆき)船長に「プレミアムマガジンの取材を……」と電話を掛けた答え。春から始まる浅場のマルイカは今や大人気の釣りだが、冬の深場の釣りもテクニカルで面白いと言う。真冬にマルイカ ― あまり一般的ではないだけに、その実態を取材すべく出掛けた。

『でいとう丸』の北村船長は、イカにこだわりを持ち、ほぼ周年イカ専門で船を出している。釣れない時には正直に「今は釣れてないから他に行った方がいいよ」と言う実直さが信頼を集め、熱心な常連客が多い船宿でもある。「実はマルイカ釣りは初めて……」と打ち明け、当日に望んだ。

北村治之船長と“はなまる宣伝部長”
第十八でいとう丸
仕掛け図

南西の強風で11時に早上がり

12月9日(木)朝6時、船宿に到着。しかし、船長から「今日は低気圧の影響で強風予報。午前中釣りができればって感じかな」といきなり先制パンチ。「まぁ、とりあえず行ってみましょう」と、気負いがないのがいい。私を含め6人と上乗り1人が乗って定刻通り7時に出船。釣り場はカメギ根周辺を攻めるとのこと。航程30分程。狙う水深は80m前後。この日は潮がブッ飛び、おまけに二枚潮という悪条件だった。「オモリは通常80号ですが100号があれば―」と、船長。イカの群れに仕掛けを当てようと何度も移動と微調整を繰り返すうち、左舷ミヨシ(船首)で1尾目がゲットされ、続いてもう1尾を追加、2尾のマルイカがタルに泳いだ。さらに他の釣り人2人にも1尾ずつ釣れ、船中4尾となったところで、予報通り南西の強風が吹き出し、瞬く間に大シケ状態。泣く泣く11時に早上がりとなった。結局、私は1度も竿を握れずマルイカ釣りの一切を理解できずに終了。翌日に再取材となった。
※ここでマルイカ釣りの道具説明から仕掛けの捌き方など、重要な釣りの動作を動画でまとめたので是非ご覧頂きたい。「一連の動きをマスターできれば自然と釣りも上手くなって来る」と力説する船長の説明は必見だ。

貴重なマルイカ
ようやくゲット!
[動画]イカ釣り道具講座

[動画]マルイカ釣り方講座
[動画]イカ角の捌き方ブランコ編
[動画]イカ角の捌き方直結編

投入機は船に常備

雪化粧をした富士山!
明けて10日、「今日こそマルイカを釣るぞ」と密かに闘志を燃やして船に乗った。この日は私を含め5人の釣り人と“助っ人”乗組員3人が乗船、取材を成立させるための船長の心遣いだ。雪化粧した富士山を眺めながら前日と同様カメギ根周辺の釣り場に到着。ソナーと魚探をフル活用しながらイカの群れを探す船長。ほどなくして「やってみて! 75mの底近く」とアナウンス。仕掛け投入機からシパパパパー!とスッテが飛び出して行く。『でいとう丸』では、この投入機が船に常備され無料で使えるので有難い。動画の説明でもあった通り、イカ釣りでは、いかにスムーズに一連の動作をできるかが勝負の分かれ目。その為の小物類も色々と工夫されていて使い勝手が非常に良い。

これが仕掛け投入機
オモリホルダー(浅溝&深溝)
この洗濯ばさみも投入に便利

“直結仕掛け”で2点掛け

この日は前日と違い、潮もトロリと良い具合に流れていた。しかし、仕掛けを投入すれば、誰かしらにアタリはあるのだが、取り込みまでいかない ― という状況が多かった。スッテに乗ってもリールを巻いてくる途中でサバに邪魔されたり、何らかの原因でバレてしまうことが多かった。これが深場の難しさでもある。しかし、そんな中でも“直結仕掛け”で釣っていた右舷ミヨシから2番目の人や、“ブランコ仕掛け”で釣っていた左右両舷ミヨシの2人は、ポツリポツリながらキャッチしていた。そして、“助っ人”にも“直結仕掛け”で2点掛けがあったりと、確かに状況は上向いていた。

いい笑顔!
乗組員もこの通り!
中々でしょ!

この日の釣果はトップで7尾、スソで1尾

「会いたかったよ。私のマルイカちゃん!」
11時過ぎ、私も竿を出した。“ブランコ仕掛け”を投入、底を取ってオモリを少し浮かせ、イカのファーストコンタクトに備えてじっと待った。何も起こらなければ竿を煽りスッテをアピールさせながらタナを上げて来るのだが、合間に竿をピタリと止めてイカのアタリがないか竿先に神経を集中してチェックする。「アタリは、すぐに分かるよ」(船長)と聞いていたが……。ドキドキしながらアタリを待ったが、一向に竿先にも手元にも何も伝わってこない。間もなく「ハイ、上げて」と船長。どうやらイカの脚が速いようでじっくりと釣りをさせてくれない。そして何度目かの投入で仕掛けが着底した直後、少し“違和感”があった。そして、そのまま竿をスーッと上げると、ほんの僅かに水の抵抗が増えていた…… 気がした。すると、「ダメだ。上げて~」と船長から指示。半信半疑で電動リールを最速ではなく中速で巻いたら、何と下から2番目のスッテにマルイカが乗っていた。違和感も水の抵抗もイカが釣れていたから「やっぱそうだったんだ」と後から思ったこと。正直、アタリの確信はなかった。こうして沖上がりの午後2時まで移動と投入を繰り返したが、私に釣れたのはこの1尾だけだった。この日の結果は、トップで7尾、スソ(最低)で1尾。船長は、「前半は、魚探反応もそこそこありアタリもあって条件は良かった。でもキャッチ率が悪いからこの成績。攻略法次第だね」と言う。釣り人を熱くさせる理由が少し分かった気がした。
『でいとう丸』ではヤリイカが釣れ出さない限りは、しばらくマルイカ狙いで腰を据えるとのこと。食味は絶品のマルイカ、是非チャレンジしてはいかが。

[動画]マルイカの活〆方法
[動画]現在の状況と今後の予想
[動画]『でいとう丸』のマルイカ釣り

(鈴木 恭介)

今回利用した釣り船
神奈川県江ノ島港『でいとう丸』
〒251-0036 神奈川県藤沢市江ノ島1-3-12
TEL:0466-23-2008(定休日:毎週火曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
でいとう丸ホームページ
出船データ
乗船料金:9,000円(氷付き)
出船7:00~沖上がり14:00
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
プレミアムメンバー