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千葉・内房、勝山沖のカワハギ、秋を迎え絶好調!

2017年10月01日公開

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8月から乗合船を開始した千葉県・勝山港『宝生(ほうせい)丸』のカワハギ釣り。竿頭で40~60匹と絶好の滑り出しとなった。朝夕はかなり涼しくなり、すっかり秋めいて来た。カワハギ釣りのシーズン本番である。9月24日(日)、前日の大風が収まった内房の海へと出船した。

アクアライン利用なら勝山ってこんなに近い!

東京湾アクアラインを川崎側から木更津へと車を走らせた。横浜の自宅を出たのが午前2時、只今の時間は3時だ。“海ほたる”の直前まで来ているので、もう少しで東京湾を渡り切る。その後、館山自動車道へと入り、そのまま富津館山道路の鋸南富山ICで降りる。前日に『宝生丸』に道順を尋ねたところ、「鋸南富山で降りたらすぐの信号を右、道なりにまっすぐ行って勝山漁港に向かい、漁港の手前を左、突き当たりまで進んで空いているところに車を停めて下さい」と教えてくれた。途中遠回りをしてコンビニに寄ったが、駐車場には4時前に着いた。何と2時間足らずで着いてしまった。

船長はやさしい海の男だった!
すでに数台の車が停まっていた。勝山沖のカワハギ釣りの人気の高さが伺われる。集合5時、出船5時30分(10月からは5時30分集合、6時出船になるので注意)。岸壁の受け付けに明かりが点いたのは4時30分。車から1人また1人と釣り人が降りてきて受け付け開始。
『宝生丸』のHPには、「宝生丸の船頭は、千葉県人特有?のぼくとつさ(ぶっきらぼうに見えるかも)を持っています」と書いてある。それで、少し緊張気味に挨拶した。また、HPには「ハートは熱く、人に優しい、お客様には、絶対安全に、沢山の魚を釣ってもらい、喜んでお帰り頂けるように、最高のサービスを心がけております」とも。船長も女将さんもアットホームな感じに迎えてくれた。

“餌取り”の多いこの時期は塩でアサリの水を抜く!

乗船開始。早速、皆さん準備を始める。8対2や9対1調子の竿、小型の両軸受けリール、道糸はPE1号程度。アクセサリーで飾られたオモリ25~30号の胴突き2~3本バリ仕掛け。まだ小型が多いとのことでハリは小さめがいいようだ。タックルの準備が一通り終わったら、今度は付け餌だ。アサリの剥き身のヌメリを海水で洗い流す。次に塩をまぶしてよく混ぜ合わせる。こうすると指でつまんだときに滑りにくくなり、ハリに刺しやすくなる。さらに軟らかいアサリから水分が抜けて身が硬くなり、餌もちがよくなる。釣り人によっては、アミノ酸配合の塩を使いカワハギ好みの味付けもする。5時30分、船はゆっくり滑るように走り出した。

 

さあ開始!カワハギたちのご機嫌はいかが?

最初の釣り場は航程10分程の港前、水深は15、16mの浅場。周囲には他船もいたが、潮がたるんでいると見るや、高橋賢一船長は早々に見切りを付けた。勝山沖に浮かぶ浮島の手前の消波ブロック周りに移動。水深は同じ位かやや浅め、潮の流れはやはりゆるやかだ。ここで暫く粘ると、いわゆる“ワッペン・サイズ”がポツポツ釣れ始めた。皆さん最初はどういうパターンで食ってくるか色々試す。まず、オモリが着底したら叩いてアピール、これは基本のようだ。その後、食わせの間を作って“聞き釣り”をしたり、ゆっくり聞き上げて宙でも叩いてゆっくり下げる、そして投げて広く探るなど、作戦は様々だ。

実はこの日はかなり手強い条件だった
「このところ海がちょっと濁ってしまっているんですよ。カワハギは元々目のいい魚ではないので、この潮だと中々餌を見つけられないのだと思います。そのため、いつもなら元気な小型のカワハギの活性も低め。こういう時は、ケミホタルの光やラトル系の中オモリなどを使って音でアピールする工夫が効きますね。また、“外道”の活性の度合いも関係があって、たとえば、ベラなどが派手に捕食してくれれば、その音でカワハギが寄って来るということもあります。しかし、今日は潮がたるんでいるので“外道”もおとなしい。実はなかなか厳しい条件です」と高橋賢一船長。そうだったのか。ベラたちよ!せめてもっとがんばって餌を取れ!

後半、良型が上向いて、私も竿を出してみた

船は大きく南下して岩井沖へ。「水深は23m」の船長のアナウンスで後半戦がスタート。少し深いだけあって、良型も釣れるようになった。潮が流れ始めたようで、縦の誘いや宙でも食って来るようだ。船長は小移動を繰り返し、点在する根周りを積極的に攻める。そのたびにポツポツと小型にまじって中・大型が釣れた。ここで私も竿を出した。まずは色々試行錯誤。水深は15、16m、投げてみると結構な起伏だ。小刻みに引き寄せて来ると、“ワッペン・サイズ”がハリ掛かりしてくる。唇の皮一枚だ。縦の誘いにはほぼ反応がなくなった。ちょい投げして、着底後叩いてアピール、その後“江戸前の釣り”仕込みの“小突き”作戦でオモリを転がして海底地形をトレース。コツッというアタリで合わせる。“ワッペン・サイズ”だったが4匹追加!釣り方が合うと実に楽しい!

いつだってカワハギ釣りは難しくて楽しい!

13時、タイム・オーバー。この日の釣果は、船全体で12~27.5cmのカワハギが2~18匹。トップは右舷ミヨシ(船首)。2番手は左舷大ドモ(船尾)17匹(中・大型4匹)。他、左舷ミヨシ15匹(中・大型3匹)、右舷大ドモ12匹(中・大型3匹)、右舷胴の間(中央)11匹(中・大型2匹)など。
この日は濁りで食い渋った感じだったが、「この濁りもそう長くは続かない」と、船長。浅い釣り場の海底が見えるくらいの澄んだ潮に戻れば、活性はすぐ回復する。しかし、そうなると今度は着底と同時に元気なカワハギたちに寄ってたかって餌を取られて、別の意味で非常に難しい釣りになる。「秋っていいなぁ、カワハギ釣りって奥が深いなぁ!」楽しみがまた増えた。

今回利用した釣り船

千葉県勝山港『宝生丸』
〒299-2117 千葉県安房郡鋸南町勝山54
TEL:0470-55-2777 釣果・施設情報 宝生丸 ホームページ

出船データ

カワハギ乗り合い
料金=8,500円(HP割引 1,000円、女性割引 1,500円、エサ 800円、氷無料)
貸し道具=無料
※10月は、5時30分集合、6時出船
     
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この記事を書いたライター

岩見 忠弘
釣りビジョンAPC
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。
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