ふじや釣舟店・静岡県清水港

2018.6.15号

静岡県・清水港で“チヌ”のカカリ釣り競技ノウハウを指南!

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静岡県・清水港では、毎年6月に全日本釣り技術振興評議会(JFT)主催の「“チヌ”関東支部フレッシュトーナメント」が開催される。この大会、「“チヌ”を他の人より数を釣りたい!」、「チヌ釣りの腕をもっと磨きたい!」といった釣り人の登竜門。同大会を主催・運営する『清潮会』の鈴木孝久さんに“チヌ”釣り競技会の基本を指南して頂いた。

己の腕が分かるのが“チヌ”釣り競技の魅力

“チヌ”のカカリ釣りを始めたのは良いが、独学でカカリ釣りをしている。そんな人も多いはず。そんな人が自分の腕を知る事が出来る大会が「“チヌ”関東支部フレッシュトーナメント」だ。この大会は、2時間で20cm以上の“チヌ”やキビレを何匹釣るかを1艘の舟に2名が乗って1対1で競う大会。『ふじや釣舟店』、『山本釣船店』、『原金釣船店』の3渡船店が参加。各店8名までの参加を募り、各店の1位(優勝)になると11月に行なわれる「JFT“チヌ”全日本釣りトーナメント」の出場資格が得られる。そこで優勝すると翌年の「JFT“チヌ”釣り王座決定戦」の出場資格が得られるのだ。「JFT“チヌ”釣り王座決定戦」は約140名の参加者の頂点を決める大会、という事で「“チヌ”関東支部フレッシュトーナメント」はその登竜門というわけだ。

「ふじや釣舟店」
「山本釣船店」
「原金釣舟店」

“チヌ”釣り競技のダンゴ作りは、粘りと集魚力が大事

鈴木さんが競技用で使用するダンゴは、各渡船店で用意している生オカラに砂利とサナギを入れたベース餌(半桶)に「速戦爆寄せダンゴ」(半袋)、「チヌパワー激重」(半袋)、「ニュー赤ダンゴチヌ」(半箱)、「荒びきサナギ」(半袋)、「ニュー活さなぎミンチ」(1袋)、「メガミックスチヌ」(3分の1袋)の6点を混ぜてダンゴを作っていく。「量が多いので、大き目の専用の容器を用意しておくと混ぜやすくて便利です。全てを容器に入れた後に一旦手で底から良く混ぜ合わせていきます。水気がない時にサナギ粉などのダマができないようにしっかりと混ぜ込むことが大事です。それによってそこからバラケやすくなることも少なくなります」。水は最初に5L入れて一旦混ぜ込み具合を見て、次にはもう3L足して様子を見てかき混ぜる。まだ硬いなと思ったらそこでもう2L足して混ぜれば完成だ。10Lがベースだが、一気に入れずに様子を見ながら追加していくことがダンゴを作る際のコツとなる。これが完成すればトーナメント2時間×2セット=4時間分が完成。「作りたてはべちょべちょですが、時間が経つと水気が飛び丁度良い硬さになります」と鈴木さん。

これがダンゴに使用する餌全て
片手で手際よくダンゴを作ります
付け餌はダンゴの容器の片隅に乗せる
鈴木さんが使用するラインと針
鈴木さんお手製の替え穂先
便利グッズはクーラーボックスの上の磁石にも!

付け餌は、プラクティスで7種類近く用意して大会に向け絞り込む

“チヌ”の競技釣りで必要なのは、プラクティスでの事前釣行だ。そこで大会前の清水港の状況を把握する事は勿論大事なのだが、それよりも大会当日2時間しかない中でどの餌で勝負するのかを決めて釣るための準備が最重要となる。この日、鈴木さんが用意した餌は、「活さなぎミンチの激荒」、生オキアミ、コマセアミエビ、コーン、ストロー虫、モエビ、カニの7種類。プラクティスではこの7種類を使って、どの餌がどのタイミングで食うかを調べ3種類くらいに絞って“本番”に挑む。そうする事によってより食う餌をハリに刺して大会当日に挑むことができるわけだ。「中でも中心となる餌はモエビや虫餌です。モエビは最初ダンゴの中に数匹混ぜ込んでいき、その中にモエビを付けたハリを入れる」と、鈴木さんの説明を聞いている間に“貯木西”のポイントに到着した。取材日は6月5日、平日、晴天、微風のカカリ釣り日和の中で鈴木さんの釣りが始まった。

鈴木さんの釣り方で最も重要な餌であるモエビ
カニも今回は用意した
ストロー虫は数cmの大きさに切って使用する
オキアミも数種類用意
モエビは容器の端に置く
ダンゴの中にモエビを数匹混ぜる

“足元ダンゴ用”と“広角釣法用”の2タックル用意!

鈴木さんお勧めの競技用タックルは2つ。“足元ダンゴ用”のタックルは片軸下向きリールに1.38mのカカリ竿、それにフロロ1.2号50m通し、ガン玉は使わない場合や5Bを多用するが、8Bまでを用意しておく。ハリはスーパー競技チヌ1~2号、サスガチヌ2号を使用。“広角釣法用”のタックルは片軸下向きリールに1.58mのカカリ竿にフロロ1.2号50m通し、バス用タングステン3.5gの下に浮き止めをセット、その20~30cm下にハリをセットする。大会の最中はダンゴを投げてはいけない為、ダンゴを落とす際の柄杓は必需品なので必ず用意しよう。また、1艘の舟に2人乗るため、舟の反対側へ竿を出すのはOKだが、“広角釣法”で振りかぶったりする時に舟の中央よりも竿先を出してはいけないルールになっている。“足元ダンゴ”でガン玉を打つ際のセオリーは15~20cmが通常で潮が速い時には30cm以上の広めの間隔で取る事が必要だ。また、“足元ダンゴ”でも“広角釣法”でも必要なのが底についた時、ラインを塗って目印をつける赤いマーカー。

ガンダマは各種用意
大会で柄杓は必需品
カニ餌は写真のようにハリを通す
モエビは尾羽を切らずにこのようにハリに通す
仕掛け図1
仕掛け図2

手首でラインを持ってダンゴを切る!回転の速さが競技の釣りの特徴

「それでは投入していきますね」と鈴木さん。午前6時過ぎにスタート。この日の満潮は午前8時半頃、丁度その辺りが潮止まりになる可能性が高いため、まずは釣り座の目の前に“床(トコ)=ステージ”を作ってダンゴを打っていく。「水深は約5mですね、ダンゴが着底しました。通常のダンゴ釣りは、ここでダンゴがバラけるのを待つのがセオリーなのですが、競技では着底したらダンゴを割りにいきます」と、左手でラインを掴んで少し浮かせて手首をクイッとひねった瞬間にダンゴの重みがなくなりフワッと軽くなった。すると、最初のアタリは“ゲスト”のフグ。竿先がプルプルと上下する。竿先を軽く聞き上げる鈴木さん。すると、竿先が戻った。「フグはこうやってそっと聞き上げると竿先が戻るんですよ。その後にフグは追いかけて来て再びプルプルとアタリが出ます。“チヌ”は逆に竿先がクッと入るイメージです。これはフグですね」と、言いながら巻いてくるとハリには確かにフグが掛かっていた。朝の状況は少しでも餌を上に底から上げてしまうとフグが見つけて餌を食われてしまう状況だった。

メインステージを必ず作る!あとは“分離釣法”でフグを交わす

最初にフグが集まったとしても、メインステージは必ず自分の目の前に作ろう。そこからどのようにして2時間でゲームを組み立てていくかが競技の面白いところ。例えば、自分の目の前のメインステージにダンゴを打ち続けて、そこに寄って来ている魚がフグから“チヌ”へと入れ替わる機会が近いと思えば、ダンゴの中にハリを入れて“足元ダンゴ”の仕掛けで挑むのも良し。ダンゴの周辺1~5mあたりの遠巻きに“チヌ”が寄って警戒して見ていると感じたなら、自分の目の前にダンゴを打って、フグなどの“ゲスト”を寄せてからその周辺をダンゴと別の場所を狙う“分離釣法”で“本命”を狙うも良し-と言うわけ。ダンゴで床を作る→多くの魚が集まる→床を濁してくれる→水が濁る→魚の警戒心が薄まる→“チヌ”が釣れる床の完成となるわけだ。床を完成させた鈴木さんは午前8時半の潮止まりまでに25cm位の“チヌ”数匹をダンゴでキャッチ、“ダンゴ釣法”で着々と数を伸ばして行った。

ストロー虫はこの大きさで使用する
タングステンシンカー
まずは30cm級がヒット!
堂々の40cmUP!
舟備付けのイケスはみるみるチヌで埋まっていく
練り餌はハリを隠すようにセット

アタリの出ない風が吹く中、“居食い”を合わせ48cmゲット!

『ふじや釣舟店』の店主、納本学さんから出前のかつ丼と焼き肉丼を受け取った正午頃には、表層の潮が速くなり二枚潮となり、更に悪いことに風が3~4m吹き始め、竿先が揺れアタリが出にくい状況になってしまった。しかし、そんな中でもこの日“ダンゴ釣り”でアタリが多いと見切った鈴木さんは、サナギ餌を中心に釣りを展開、アタリと分かるか分からない位の微妙なアタリを取っていく。そして、合わせを入れた!その瞬間にボラのような横走り。海面を割ったのは48cmの見事な“チヌ”。他に40cm級も追加して結果6月としては異例の13匹の好釣果だった。6月22日に開催される「“チヌ”関東支部フレッシュトーナメント」の募集は、既に終了となったが、2019年は1月にJFTのHPより募集が行われる。(http://npo-jft.jp/)興味のある方は是非参加してみては如何だろう。

この姿勢でアタリを待つ
ヒット!これは良型だ!
堂々の48cm!
競技ではこの型でも貴重な1匹だ!
この日の鈴木さんの釣果

(吉田洋一郎)

チヌ関東支部フレッシュトーナメント大会参加船宿
■静岡県清水港『ふじや釣舟店』
〒424-0949 静岡県静岡市清水区本町5番1号
TEL:054-352-1704
詳細情報(釣りビジョン)
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■静岡県清水港『山本釣船店』
〒424-0947 静岡県静岡市清水区清水町2-3
TEL:054-352-3217
詳細情報(釣りビジョン)
山本釣船店ホームページ

■静岡県清水港『原金つり船』
〒424-0921 静岡県静岡市清水区松井町3-3
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詳細情報(釣りビジョン)
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