2025年12月04日公開
今回は静岡県御前崎港から「タイラバで狙うマダイ釣り」の模様をレポートする。 御前崎と言えば、マダイの一級ポイントを控え、水深も深く、潮が早いイメージだが、今回乗船する『伊達丸』はマダイをメインとする釣り船だ。攻略の難しいフィールドに合わせて、タックルセレクトや釣り方を研究・開拓し続けてきたことから、安定した釣果を維持し続けている。 狙うは駿河湾の秋の大ダイだ!
都心から約3時間で御前崎港へ
東京・横浜方面からは、東名高速道路・相良牧之原ICを降り、相良バイパス(国道473号線)を南進。南遠道路(国道150号線)をさらに南進し、約20km。浜松方面からは東名高速道路・掛川ICを降り、県道38号線を南進。県道247号線を経由し、国道150号線を東進、約30km。道中は信号がほとんどなく快適な道のりだが、速度管理は必須。夜間や早朝は動物の飛び出しに要注意。
釣行前日に、伊藤嘉朋船長に連絡を入れたところ集合は5:30とのこと。御前崎市観光物産会館「なぶら館」裏手を目指す。久しぶりなる御前崎ということもあり興奮して眠れず朝早めに横浜を出発。東名高速道路集中工事の影響もなく、約3時間ほどで宿指定の駐車場に到着した。
タイラバで大型マダイを捕りたい!おすすめタックル&仕掛け
タイラバは基本的にベイトタックルがおすすめだ。ウエイトが重いタイラバの場合、ベイトタックルの巻き上げパワーや、細かいアクショを入れられる部分が有利に働く。小型電動リールの使用も可能だ。
ロッドはタイラバ専用竿が好ましく、7ft(2.1m)~8ft(2.4m)の長さのものがおすすめ。操作しやすく、大型マダイの引きにも対応できる。『伊達丸』では専用竿のレンタルも行っている。
潮が速いエリアで釣り座が片舷の「ドテラ流し」で探っていくが、海面まで回収して再投入ではなく、巻き上げ途中から再びフォールさせることも多いため、水深の2倍ラインが出たりする。メインラインはPEライン1号前後を300m以上巻いておきたい。リーダーは3~5号のフロロカーボンラインを3~5mほど組む。
タイラバシンカーは100~250gで200gがメインになる場面が多い。重要なのが「ネクタイ」と呼ばれるフック部に取り付けるラバースカートだ。このネクタイの当たりカラーが地域によって様々だったりするのだが、長さや幅、色によって「喰わせる間合い」が変わることもあるようだ。釣行前に、船長に聞いて揃えておくとよいだろう。
各ポイントをチェックしながら最初の釣り場へ
港に到着して同船する釣り人と船長にご挨拶。伊藤船長に本日の作戦を聞いてみると「最初は型が見られる可能性の高いポイントへ。潮を見て大型狙いの場所に行こうかと思います」とのこと。じゃんけんで釣り座を決め、準備が整うと御前崎港を出港した。
港を出て約20分ほどエンジンがスローになった。「まだ釣り開始ではないです。ポイントの潮の流れを見ながら向かいますね」と、移動しながら各ポイントの状況をチェック。
この時期の釣り開始時間は午前7時。いよいよ時間になりスタートの合図。水深は約30m。朝焼けの中、一投目を投じた常連さんに早速ヒット!上がって来たのは「マダイ」であった。幸先のよいスタートだ。使用しているタイラバの重さは120g。まずはマダイの顔が見られてひと安心。伊藤船長が「まず型を見たい」と言っていた言葉通り、その後も30mラインでマダイがヒットした。
その後、アタリが少なくなってきたところで、ポイントを移動した。
御前崎沖のタイラバゲームで釣果を伸ばすコツとは?
「マダイ釣りは春の“乗っ込み”シーズンがメインというイメージがあると思うんです。でも潮の状況をよく観察しながら狙えば周年楽しめる魚だと思ってます」と船長。秋からの“落ちのマダイ”のポイントも無数にあり、開拓しきれていないポイントも多くあるとのことだ。確かにタイラバの特性上、潮のワンチャンスでタイラバがヒットレンジに入ればビッグワンの可能性も高い。
ポイントに到着して再スタート。「型狙い。今度は深いですから重めにしてください」とアナウンスが入る。水深120mのポイントに、200gのタイラバを装着し狙っていた常連さんの釣りを観察させてもらった。
ここで、御前崎が“秘境”と呼ばれる部分が顔を見せる。途中まで真っすぐに落ちていたタイラバが、水深30m付近から突然斜めに沈んで行き、ラインが180m出された所で着底。スローで巻き上げるとミヨシの常連さんの竿が大きく曲がった。引きが強く、ラインが出されて行く様は見ごたえ十分。船長がネットを用意しながら「フグじゃないよね?」と一言。これには船中笑いが起こった。
もちろん、上がって来たのは見事なマダイである。さらに、トモでスピニングタックルを使っていた人にも大型がヒットした。ドラグを効かせながら慎重に上げて来るとナイスサイズのマダイ。注意深く見てみていると数枚上がったマダイにヒットしたネクタイカラーは赤系が多かった。
なお、船長によれば「このエリアのマダイは、とくに大型になると遊泳力があると思います。魚体が大きいほど、速くても喰って来る」とのことだ。「ビッグワン狙いの「未開の地」と言う雰囲気が漂う御前崎沖である。
御前崎沖で大型マダイ&豪華ゲストフィッシュ
伊藤船長は潮の状況を見ながらポイントを選定し、投入の合図。記者は120gのタイラバシンカーを選んだ。ポイントによって潮の速さが異なるので、まずはウエイトを軽めにセット。しかしながら、着底までの時間がかなり掛かってしまった。この釣りは「巻き」がポイントで、タチウオ狙いのような「フォール」の意識は不要。そのため、タイラバ選択のコツは、「巻き」で「引ける」重さと潮のバランスがカギを握る。
伊藤船長が「これ使ってみて」と250gのタイラバヘッドを貸してくれた。シラスの反応があるとのことで、それを意識したケイムラ白系のネクタイを装着して投入。着底してすぐにヒットした。しかも、このタイミングで3人が同時ヒット。引きは強いが、マダイではなさそうだ…。時間を掛けて上げて来ると、ヒットした3名共に、良型のウッカリカサゴであった。しかも、そのうちの1人は2匹掛かっている。こんなことがあるのか、と驚いた次第。これは場荒れが少ない証拠だろう。その後もウッカリカサゴがぽつぽつ上がる。いわゆる「カンコ」と呼ばれる魚で、すべて型がよい。これだけでも看板になるのでは?という印象であった。
その後もポイントを変更するたびに良型マダイや良型ウッカリカサゴの連続ヒットが続いたが、午後1時を回り、沖上がりの時間を迎えた。「まだまだ開拓できていないポイントも多いんです」と伊藤船長。
『伊達丸』のありがたいところは、タックルやタイラバシステムを一緒に考察してくれるところ。この地ならではの攻略法や当たりカラーなども非常に勉強になる。
とにもかくにも、大型が狙える魅力的なタイラバが楽しめる駿河湾。ジャパンゲームフィッシング協会(JGFA)でもタイラバフックに関するレギュレーションが公開されているので、是非日本記録にチャレンジして頂きたい。それくらい魅力的で“熱くなった”御前崎沖であった。
この記事を書いたライター
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