オフショアマガジン

2019年9月15日号

千葉県・外房エリアのヒラメ“部分解禁”、今期は型がイイ!!

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9月1日から海域を限定してヒラメ釣りが解禁となった千葉県・外房エリア。「解禁早々、サイズの良いのが上がってる」との噂を聞き付け、千葉県・大原港の『第三松栄丸』に出掛けた。

あっ、船がキレイになってる!

『第三松栄丸』の乗船場所は、大原港にある漁協直営の食事処『いさばや』(2019年春に移転、リニューアル)の裏手。漁港の広大な無料駐車場から徒歩1分以内の好位置で、基礎体力低めの小生にはありがたい。まずは船着き場の目の前にあるコンテナに掲示された座席表から番号札を取って釣り座を確保。船に灯火が点いてからの乗船となる。乗船名簿の記入と乗船料の支払いは折を見て女将さんに声を掛け、ペットボトルの氷を受け取るのもお忘れ無く。カメラのファインダーを覗いた当初は照明設備が明るくなったのかと思いきや、「第三松栄丸」はお盆休みにデッキ部がオールペンされ、まるで新艇のような清々しさ。やがて餌の活きイワシが搬入され、集合時間には予約の釣り人全員が既に準備万端。午前4時5分、「第三松栄丸」は霧の立ちこめる暁暗の海へと出船した。

港に着いたらまず席札を取る
乗船は船に灯りが点いてから
女将に声を掛け、支払いと名簿の記入

スロースタートでもサイズは上々!

静穏な釣り日和、魚のご機嫌は…

ベタナギだが、深い霧の海を走ること90分。普段なら航程60分程の太東沖に到着。釣り場は天然のミストシャワーで半袖では肌寒いほどの清涼感。釣り人たちが釣り座で支度をする間に、若船長が活きイワシを配布した。一方、海中のイワシの反応を捜索する中井船長。「ハイ、良いですよ~。42m!」のアナウンスを合図にスタートとなった。海上はウネリも無く釣り易いのだが、同時に風も潮の流れも無く、悩ましいまでの静けさ。気付けば退きつつある霧を透かした太陽が、海面に光の道を描いていた。この膠着状態を破ったのは、上乗り役の傍ら竿を出していた椋介若船長。取り込まれたのは2kg弱のナイスキーパーサイズ。やがて霧が晴れる頃、竿を曲げたのは父娘で釣りを楽しむ境沢さんの娘さん(品川区)。慎重なファイトの末、タモに収まったのは63cm、2.56kgの良型。「頑張らなくちゃ」と奮起したお父さんもこの後2㎏級を取り込んだが、「また娘に負けちゃった(笑)」と悔しさも中くらいの様子。こうして口を使うのは概ね2㎏前後でソゲ級(30cm以下の再放流サイズ)が無いという、難しい釣況ながらも型に恵まれる流しが続いた。

船中一番手は若船長の中井椋介さん
続いて紅一点、境沢さんの2.56kg!
お父さんも負けじとキャッチするが…
【動画】解禁から型がイイ!ヒラメ釣り

美味しい“ゲストフィッシュ”あれこれ

豊穣の大原・太東沖エリア、ここで釣れるのはヒラメだけでは無い。釣り人によってはヒラメより嬉しいと言うマハタ。刺し身は勿論、煮付けても鍋種にしても、しっかりとした身質の白身と上品な甘みは非常に美味。鱗やヌメリを金ダワシ等で完全に落として、エラと内臓を抜いてキレイに掃除したものを、冷蔵庫で一晩以上寝かせるのが美味しく食べるコツ。そして、大型の個体ほど美味しいソイ。刺し身は“塩&すだち”、煮物は“まーす煮”、汁物は“潮汁”とシンプルな味付けほど味わいが引き立つ。また、この日は上がらなかったが、カサゴなどの根魚やワラサなどの“青物”も釣れているとのこと。何れも外房育ちの美味しいフィッシュイーター(魚食魚)たち。釣果情報では大きく取り扱われないが、多彩な釣果もこの釣りの魅力の一つに数えられるだろう。

釣れると思わずにんまりしてしまうマハタ
見かけによらず繊細な味わいのソイ
釣果の多彩さもヒラメ釣りの大きな魅力

船長に訊く、ヒラメ釣りのコツ

中井英明船長と中井椋介若船長

慣れてしまえば決して難しい釣りではないのだが、初めての方やスランプに陥ると1匹を手にするのが容易でないヒラメ釣り。この1匹を獲るためのコツを、中井英明船長に訊いた。「スランプの人によく言うのは“原点に帰る”こと。知らず知らずの内にハリスを長くしてたり、ビーズ付けてみたり色んな事やるから、普通の仕掛けに戻して、普通にやって貰えればまた良くなると思います。シンプルが一番だと思いますよ。“活き餌”だからね」と船長。人より釣ろうと思うと仕掛けはどんどん飾りが増えるが、その分餌の魅力をスポイルしているかも知れない。「気持ちは分かるんだけどね」と笑う船長、さすが釣り人を見続けてきた洞察の賜物。もし心当たりがあればこの機会に『第三松栄丸』で是非矯正を。また初めての方は、上乗りの若船長が竿を出しているので、その日、その時合いのタナ取りや、合わせのタイミングをよーく見て参考にするのもお薦めだ。

ベーシックさが特長の船宿仕掛け
親バリを上顎に、孫バリは背びれ付近に
仕掛け図

今年は型がイイ!今後ますます期待大!!

潮と風と有望なイワシの反応が見つからず、根周りを中心に攻略したこの日。竿頭3匹と釣果の谷間に当たってしまったものの、6~7kgクラスも上がっていると聞く部分解禁エリア。解禁から間もなく釣果にバラつきはあるが、一発大物の雰囲気は俄然あり。「30~50mと深場を攻めているので、重めのオモリと小型電動があると良いかも知れません」と船長。海が秋のモードに切り替わり、今期のハニースポットが開拓されるその日に遭遇するには、足繁く港に通うのが得策のようだ。さて、今シーズンのヒラメはどんなドラマを見せてくれるのか、今後がますます楽しみだ。

安定の釣りで竿頭の清田さん(平塚市)
乗船場所は移設した“いさばや”が目印
気負わずゆったり釣りを楽しめる船宿だ

釣りビジョンAPC・川添法臣

今回利用した釣り船

千葉県 大原港 『第三松栄丸』
〒298-0004 千葉県いすみ市大原10105-2
TEL:0470-63-0085
定休日:第1・3月曜日
釣果・施設情報 第三松栄丸 ホームページ

出船データ

ヒラメ乗合(予約制)
集合時間:午前4時
出船時間:準備出来次第
乗船料金:1万2,000円(活き餌・氷・昼食付き)
※女性・中学生以下割引きアリ
貸し竿:あり無料(予約時に確認/仕掛け別400円)

その他の記事

※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。