オフショアマガジン
2012.1.1号

南伊豆忠兵衛丸・静岡県南伊豆手石港
新年の初釣りは伊豆・下田沖で“地キンメ”を狙おう!

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年末年始、ご祝儀相場も相まって魚の値段は急騰する。中でも超ド級の浜値が付くのが伊豆・下田沖の“地キンメ”だ。一年中美味いと言われる“地キンメ”だが、冬は更に脂が乗り、ますます美味しくなる。今年は海が約1カ月遅れており(地元漁師の話)、まさに今が旬。今回は南伊豆手石港『南伊豆忠兵衛丸』浅沼幹雄船長の操船で伊豆・下田沖の“地キンメ”を狙った。

キンメ釣り歴30年以上の船長がナビゲート

御年68歳で現役バリバリの船長!
キンメの釣り船を始めたのが昭和50年頃だと言う伊豆大島出身の浅沼船長。キンメ船の船長歴は優に30年を超える。始めた当初は、大型電動リールはなく、糸もナイロンラインの極太で400mがやっと巻ける大型手巻きリールで瀬の上だけの浅場を200号のオモリで攻めていたとか。当時はキンメの魚影は物凄く濃く、仕掛けを降ろす度にハリ数分だけ付いて来たそうだ。御年68歳、現役バリバリの船長がナビゲートしてくれるとなれば鬼に金棒だ。

午前4時、船宿へ8人が集結

午前4時、辺りはまだ真っ暗。青野川に掛かる短めの橋を渡るとすぐ右手に煌々と光る『四季の大物釣り忠兵衛丸』と書かれた看板。駐車場に車を停めると4台の車が先着していた。船宿1階では8人の釣り人が大きなテーブルを囲み、キンメ話に花を咲かせていた。「ちょっと今日は西風が強いみたいだね。気合い入れて行ってみましょう」と船長。その言葉通り、外の木は時折風で激しく揺れていた。この日は竿、リール、竿受け、仕掛けのオールレンタルタックルが2人。あとは10年ぶりにキンメ釣りをする人が1人。残りは常連さんだ。各々が乗船カードに記入、冷凍庫で氷を受け取り、船着き場へ移動した。

『南伊豆忠兵衛丸』船宿前の目印になる看板
この日はマグロ船との2隻出し

釣り場は7マイル沖の“石廊合わせ”

船室には全員が寝られるベッドを完備
出船前の準備では、レンタルタックルの釣り人を上乗りの安保正明さんがサポート。竿はロッドキーパーから外ずし、航行中波が当たる事がないよう竿受け脇に竿を立ててロープと手ぬぐいで巻きつけセッティング完了。午前5時、定刻に河岸払い。釣り場までは7マイル(1マイル=1.8km)、約1時間30分の航程だ。青野川河口を下り、手石港を出る。ふと夜空を見上げると無数の星が広がっていた。船のデッキを照らすライトが消え、船長からアナウンス。「釣り場に着くまで時間がありますから、準備が出来たらキャビンへ入ってゆっくり寝て行って下さい。」

オモリは鉄筋2kg、20本バリ

『南伊豆忠兵衛丸』のキンメ船は右舷の片舷流し。以前は両舷流しをしていたが、近年は片舷流し限定で出船していると言う。投入は船長の合図でミヨシ(船首)から順番に行う。竿はキーパーにセットし、すぐに投入できる準備をしておこう。使用するハリ数は20本までと申し合わせにより制限されている。ハリはネムリの18号、枝スは16号1m。幹糸は24~30号、枝間は1.5~2.0m。仕掛けの上にはクッションゴム1.5~2.0mφ4mmを付けるのが『南伊豆忠兵衛丸』スタイルだ。仕掛け作りやタックルの用意&餌付けが苦手な人はオールレンタルを選べばよい。餌はイカと鮭皮が交互につけられているのが船宿仕掛けだが、餌の種類は他にもカツオのハラス、サバ、サンマ、イワシ、マグロ皮と多種。オモリは鉄筋2kgが船宿で準備されている。

『伊豆忠兵衛丸』オリジナル仕掛けセット&オモリ
餌は鮭皮orイカ
仕掛け図

まずは浅場から様子を見る

この日の波は3mあった
エンジンの回転が落ち、船長から準備を促すアナウンス。仮眠をとっていた私はキャビンの中から丸い船室の窓を覗くと、驚くほどの白波に目を丸くした。前日の予報では波高2.0mだったのだが、その予報が外れ、白波の海原が広がっていた。午前6時半過ぎ、「はい、いいよ~。前から入れてって」と投入の合図。右舷ミヨシの金沢喜芳さんの仕掛けが入るとすぐに、2番目の人の仕掛けが投入された。しかし、仕掛けが手前マツリしてしまい、落ちていかない。船長も諦めて2番目を飛ばし、3番目、4番目と指示していく。そして、大ドモ(船尾)までの全員が投入し終わった。水深は300m“石廊合わせ”と呼ばれる釣り場で石廊崎と神子元島を結ぶ線上に位置するキンメの一級ポイントだ。「このポイントは朝の第1投目が勝負。比較的小型が多いけど、朝マズメの1~2投目は緊張してやって!今日はいい反応が出ているし船数も少ないから期待出来るよ」と船長。

1投で19点掛けの“準パーフェクト”!

全員のオモリが底に着き、ミヨシの金沢さんのリールが280m表示を超えた時、巻き上げの合図が出た。「はい、前からあげて~」。1投目を終えた頃には風も強くなり、風速は16、17mになっていた。船長のアナウンスすら聞きとり難い状況だ。巻き上げ速度を“2”に調整し、巻き上げを開始。「これは結構付いてるよ」と金沢さん。竿先を見るとグングンとお辞儀をしている。仕掛けを上げるために竿を立てたその瞬間、度胆を抜かれた。何と一番上のハリからズラズラと一目で“本命”と分かる薄紅色の魚体が連なっていた。1尾、2尾……空バリが見当たらない。そして気が付けば船上には1~2kg級のキンメ16尾が並んだ。実は、抜き上げる途中、風に煽られて3尾をバラしており、実際は19尾の“準パーフェクト”だった。そして、胴の間でも其々1~5尾ずつ取り込み、大ドモ(船尾)から2番目でもオールレンタルタックルで12点掛けを達成。投入出来なかった人以外は、1流し目でオデコ脱出となった。

重くて持てないほどのキンメ
2kg近い良型をキャッチ
活きのいいキンメは腹が白い

波3m、風速16mで泣く泣く早上がり

1投目を終えると、反応が薄くなってしまったのか船長は、慎重にポイントを選び良い反応を探していく。そして、午前7時10分投入の合図が出た。水深は同じく300m、根と根の間を狙う。「ちょっと2投目までが遅かったな~もうちょっとスムーズに投入が出来たら良い反応が出ていた時にもう1投出来たんだけど…」と船長。しかし、ミヨシの金沢さんは2投目も14点掛け、合計30尾をキープ。しかし、2番目の人はドンコの1尾のみ。胴の間ではパンダメバルがダブル。その他の人も2尾ずつ追加した所で船長からアナウンス。「皆さん、この状況では危険なので、悪いけどこれで上がります」。通常であれば、この後20~30分南下して深場の400~500mの大型クロムツやアコウの出る釣り場へと移動するそうだが、この日は2投で早上がりとなった。外洋での釣りでは止むを得ない判断だ。それにしても2投で30尾とは驚きの釣果である。日並みのいい時に是非再挑戦してみたいと思いつつキャビンに入った。

パンダメバルのオマケ付
こちらも良型2kg級
オールレンタルでこの釣果!

結局、1投目のトラブルもあって1人だけがオデコになってしまったが、帰港後、安保さんの釣ったキンメが2尾プレゼントされた。
今回は特別に、船長&女将さんによる漁師料理、「しゃぶしゃぶ」と「煮付け」の料理方法を教えて頂いた。ご馳走になったが、煮付け、しゃぶしゃぶともに絶品。舌触りの柔らかさ、皮と身の間のプルンとした触感は“地キンメ”ならではのもの。『南伊豆忠兵衛丸』では、通年、キンメ釣りに出船している。
今年の初釣りは、旬の“地キンメ”が一押しだ。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県南伊豆手石港『南伊豆忠兵衛丸』
〒415-0153 静岡県賀茂郡南伊豆町手石434
TEL:0558-62-1273
詳細情報(釣りビジョン)
南伊豆忠兵衛丸ホームページ
出船データ
(料金)キンメダイ船=18,000円
オールレンタル=30,000円(リール・竿・竿受け・仕掛け・餌付)
(午前4時集合、午前5時出船、13時沖上がり)
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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