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岐阜県・高原川支流、奥飛騨の秘境“双六渓谷“でアユを釣る!

2022年08月05日公開

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相変わらず天気予報には振り回される。スマホの画面には雨雲レーダーの湧いて出てくる真っ赤な雲。不安定な天気に迷いに迷ったが、「行こう!と思った時がその時!」。ちょっとギャンブルかもしれないが、憧れの川であった岐阜県・高原川へ。しかし、そこには想定外の展開が…。そこで出遭ったのは美しき高原川支流の双六川。香り高き美しいアユが深い緑の渓を悠々と泳いでいた。

【この記事を書いたライター】SHOHEY

そこで見たものは…ショーック!本流は増水で赤濁り

今回もイヤっというほど天気チェック。いつものように出発ギリギリまで天気図と睨めっこ。そして遂に「GOサイン!」。予てよりずっと行ってみたいと思っていた岐阜の“奥飛騨高原川”へ。遂に遂に決行だ!私はSNSなどを通して、数年前からその流れの美しさ、奥飛騨の大自然、素晴らしい釣果…高原川はいつか行ってみたいと思う憧れの川となっていた。遂にその時が来たのだ。やっと行ける。ルンルンルーン!の気分で出発。長距離運転がちっとも苦にならない。アッという間に松本ICに到着した。さぁ、ここからは一般道の山越え。真っ暗な山道は熊でも出てきそうな雰囲気だ。漆黒とはこのことだろう。大型トラックに前後を挟まれながら峠を進んだ。すると、雨は降っていないのだが、道路が濡れていた。場所によっては結構な水溜りができている。「雨雲レーダーにも予報にも雨はなかったはず…」。しかし、そこには確実に雨の降った跡が…。あのいつもの湧いて出る雨雲が来たのか…。まあ、ここでいくら悩んだところでしょうがない。私は祈る気持ちで車を走らせた。思ったより時間が掛からずに進めたので、途中、“道の駅”で仮眠をとることにした。
“道の駅”を出発する頃には夜が明け始め、やっとまわりの景色が見えてきた。峠を降り始めると、段々と川が近づいてきた。そこで目にしたのは…上流梓川の明らかな増水。「いやいや諦めない!きっと大丈夫!」。いよいよ高原川沿いへ。上流が増水しているのだから…察しはついていた。しかし、自分の目で見るまでは信じたくはなく、まだ祈っていた。しかし現実は無常…私の目の前には増水した川。私の知っているエメラルドグリーンの高原川ではなく、茶色い川だった。

オトリ屋さんは救世主!迷える釣り人を救ってくれる

どうしたものか…。初めての釣り場でポイントもよく分からない。こんな時は「助けて!オトリ屋さん」しかない。これが私の最大の“前向き”である。実は、行ってみたいと思っていたオトリ屋さんがあり、事前に場所も調べてあった。
道を間違えながらなんとかオトリ屋さん発見。そこには私が毎日見ていたSNSのアイコンと同じマークが。「本当に来られたんだな~」と嬉しくなった。早速「初めて来たのですが~、助けてください!どこか釣りが出来る所ありませんか?」。畳み掛けるように話してしまった。
そんな私にオトリ屋さんは優しく「支流は出来ますよ!」と。「支流?」。本流ばかり下調べしていて支流は全く分からない。すると作業の手を止めて、地図を使ってポイントを何ヵ所か教えてくれた。駐車ポイントでの車の停め方まで丁寧に教えてくれる。「なんとお優しい~」。川にまだ立ってもいないのに、オトリ屋さんの人柄ですっかり高原川のファンになってしまった。

 

双六川のアユは金色に輝く香り高きアユだった

早速教えてもらった場所へと向かった。本流沿いから道を折れると、そこにあったのはゴロゴロとした大きな石の河原だ。夏の強い日差しが差し込んだ透明度の高い美しい川だった。オトリを持って早速川へ。気温は35℃の猛暑。しかし、一歩足を川に浸ければそこは天国。天然クーラー。腰までゆっくり浸かってクールダウンだ。さてどこで竿を出そうか?先行者は1人のみでポイントは選び放題だ。相方と別れて私は一人上流へ。まずはセオリー通り瀬肩からのスタート。

“金アユ”が“金アユ”を連れてくる

ゆっくりとオトリを泳がせて探ってみる。目の前には、いかにも釣れそうな石が点在する。石の色も決して悪くはない。開始5分、私の携帯が鳴った。そこにはアユの写真が1枚。相方がまず初“双六アユ”を釣り上げたようだ。「焦るじゃん!」と思いながら釣りを再開。しっかりオトリは泳いでいてくれているが中々掛からない…。20分経過。するとまた携帯が鳴る。はい!2匹目のアユの写真。「相方やるな~」と思いながらも焦る。場所を間違ったか。そういえば…このポイントにくるまでに通ってきた浅瀬にアユがいたことを思い出した。お得意の「釣れない時は反対向いちゃおう作戦!」。右岸に向きを変えて歩いて来たところをやってみる。すると秒殺!オバセをとって泳がせていたラインが勢いよく引ったくられた。私にもやっと“双六アユ”が来てくれた。その姿は金色に輝いている。そして何よりも香りが強い。スイカの香りがタモの中でも感じられる程だ。その金アユをオトリにすると秒殺!“金アユ”が“金アユ”を連れてくる。基本泳がせのほうが掛かりがよかった。引いてしまうと中々掛からない。オバセがある状態でアユが掛かると、掛かりアユが一気に上流に走り、何とも気持ちがよい。その後もポツリポツリと飽きない程度に“双六アユ”は遊んでくれた。アユを釣ることは勿論だが、何よりここは最高のロケーションでアユ釣りを楽しむことができるのがいい。

棚からぼたもち!思わぬ素晴らしい川との出会い

双六川との出会いは正に「棚からぼたもち」だった。本流が増水してなければ…、オトリ屋さんに教えて貰えなければ…、この川で釣りをすることはなかっただろう。色々なことが重なって出会うことができた“双六アユ”。そして、何よりここへ来ていなかったら何も得ることはできなかった。私の好きなスナフキンも言っていた。「そのうちなんて当てにならないな!今がその時さ!」って。どこであっても足を運べば、そこにはドラマが生まれ、素晴らしい思い出となることだろう。是非まだ見ぬ川、アユに出会うべく“冒険”をお勧めしたい。そこにはまだ見ぬ景色が待っていてくれるはずだ。

施設等情報

高原川漁協協同組合
岐阜県飛騨市神岡町船津2132-23
0578-82-2115

施設等関連情報

オトリ屋もんじろう
岐阜県飛騨市神岡町釜崎384-2
0578-82-4338
「双六川アクセス」
長野自動車道 松本ICから上高地・高山方面国道158号を進む
中部縦貫道平湯ICを直進・国道471号に入る
松本ICから約1時間半
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
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