オフショアマガジン
2012.6.15号

新明丸・神奈川県鶴見
“東京湾の宝石(マダコ)”快調な滑り出し!

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味の良さと値段の高さから“東京湾の宝石”とも呼ばれる東京湾のマダコ。夏と冬の2シーズン楽しめるが、6月に入り“夏ダコ”の乗合船が出始めた。神奈川県・横浜鶴見の『新明丸(しんみょうまる)』でも1日からスタート、初日に1~6尾、5日には1~12尾の大釣り、その他の日にもトップで5~8尾の好スタートを切った。満を持して10日に出掛けた。

緊張と興奮の一瞬!

9日に梅雨入りした関東地方だが、この日は抜けるような青空だった
モゾーッとした感触が指先に伝わって来た。この時点では、マダコがテンヤに乗っている確信は持てないが、何かがテンヤに触っているのは確かだ。マダコ釣りで最も緊張と興奮が味わえる一瞬である。気持ち道糸を緩め、次のタイミングでエイヤッ!とばかりに合わせた。大型のマダコなら、この時、ギシッと来るが、“夏ダコ”は小型が中心なのでズンと重みを感じる手応え。この感触が堪らなくいいのだ。この時もズンと来た。間違いない、マダコが乗った。道糸を緩めないように手繰って来ると、海面に500g弱のマダコが身をくねらせて乗っていた。

釣り場は竹岡沖

午前7時30分、鶴見川に架かる潮見橋上流右岸側の船着き場を離れ、釣り場の竹岡沖に向かった。舵を握るのは高橋英夫船長。『新明丸』名物の秋のハゼ釣りが始まる10月までマダコ船を操る。ハゼ船で何回か乗っているが、常連のベテラン達に愛される腕達者な船長である。
8時半を少し過ぎた頃、釣り場に到着した。この日は日曜日という事もあり、既に7、8隻の船がマダコを狙っていた。釣り場の範囲は広いようで、各船の間隔は相当空いており、舷側の船名が読み取れない。魚群探知器と睨めっこしながら慎重にポイントを決めていた船長から投入の合図が出た。

舵を握った高橋英夫船長
餌の石ガニを縛り付けた50号のタコテンヤ
釣り場の竹岡沖は、ロケーション抜群!鋸山を眺めながらの釣り

船中初獲物は500g級!

『新明丸』では、通常、マダコ船は10人限定の片舷釣りで出船している。この日は、小生が船着き場に到着した時には、既に7人が左舷に座っていた。間に割り込ませて貰おうと思ったが、「ミヨシ(船首)か大ドモ(船尾)なら、右舷でもいいよ」と言う高橋船長の言葉に右舷のミヨシに座った。暫くすると、「乗ったよ」。左舷の常連さんから声が掛かかり、カメラマンが飛んで行った。釣れて来たのは500g級のまずまずサイズ。マダコ釣りでは、同じ人が続けて釣る現象をよく見掛ける(テンヤに釣れたマダコに匂いが付くからと言う説もあるが、定かではない)。この日もまさにそうだった。船中の2尾目を釣り上げたのも初獲物を釣った人だった。「0~2尾、船中2尾だな」などとカメラマンと話している時、小生の道具に冒頭の“アタリ”が来た。

船中の初獲物は500g級
テンヤは真っ直ぐに投入
仕掛け図

オデコから一気に竿頭!

その後もポツリ、ポツリながらマダコが釣れ、小生にも2尾目が掛かった。船長は、実にマメに船を移動させ、あちらこちらに点在する根(岩礁地帯)回りを探って行く。水深は深い所でも10m前後、浅い場所は7、8mなので釣りやすい。しかし、根によっては、相当凸凹が激しくガチャガチャした感じが道糸を伝わって指先に感じられた。そうした場所の方がマダコの“アタリ”は多いのだが、ちょっと油断していると、アッと言う間に根掛かりしてしまう。道糸は、26号の渋糸(テトロン系)である。何度か外す算段をしても駄目な時には船の竿立てに立てた棒に道糸を巻き付け、運を天に任せるしかない。この日は6回根掛かりして無事テンヤを回収できたのは3回だけ。残る3回はテンヤに付けたスナップ付きサルカンのスナップが伸び切り、テンヤをロストしてしまった。左舷のミヨシに座っていた人は、いくつものテンヤを持参して来ていたが、全て手作りとか。「300円足らずで出来ますし、自分で作ったテンヤで釣るのは楽しいですよ」と、同行のカメラマンに話していたそうだ。マダコ釣りのファンにはこうした人が結構いる。無精者の小生には、到底真似は出来ないが、そうした努力は報われるものだ。小生が2尾を釣り、船のトップが3尾を釣っていた時点で、この人はオデコ(0尾)だった。ところが、それから2時間足らずの間にバタバタと5尾を釣って同数竿頭(5尾がもう1人)になってしまったのだ。

“東京湾の宝石”と呼ばれるマダコ

今シーズンは間違いなく“好漁年”!

結局、この日は9人中1人だけがオデコで5尾が2人、4尾が1人、残る5人は1~3尾と、マダコとしては十分に納得の釣果である。1.8kg級の良型が船中1尾交じったが、残りは300~500g級の“デキ(今年生まれたもの)”だった。また、船中で1尾だけ100g級の小ダコがテンヤのハリに引っ掛かって来たが、まだテンヤには乗らないそうした小ダコが沢山いる印象を得た。釣り場の範囲も相当広く、このサイズのマダコがこの時期にいると言う事は、今シーズンのマダコは間違いなく“好漁年”と考えていい気がする。
マダコは、基本的に“1年魚”である。年を跨いで生き残り、4kg、5kgに育つものもいるそうだが、大半は1年で生涯を終える。したがって、現在300~500g級のマダコは、冬の時期には1~2kg級に育ち楽しませてくれるはずだ。

この日唯一の1㎏オーバー(1.8kg)を釣り上げ、思わず万歳!
0から5尾を釣り上げ一気にトップに!

とんでもなく美味い東京湾のマダコ

また、小型のマダコは、とんでもなく美味い。柔らかくて甘みがあり、1度食べたらその味は忘れられない。大きくなるのを待てずに“夏ダコ”に通う最大の理由である。是非、試して頂きたい。

(野口 哲雄)

(カメラ・兵頭 誠司)

今回利用した釣り船
神奈川県鶴見『新明丸』
〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央5-13-24
TEL:045-501-2081 (定休日:毎週木曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
新明丸ホームページ
出船データ
マダコ船
料金:8,500円(エサ付き)
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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