釣りビジョン

2012.11.1号

小見山丸・神奈川県長井新宿港
神奈川県・長井沖で楽しさ満載カワハギ釣り!

03_main.jpg
「マニアックで難しい釣り」というイメージがあるカワハギ釣り。確かにテクニカルな一面もあるが、沖釣りビギナーやルアーフィッシングアングラーにも十分楽しめる釣りでもある。そんなカワハギ釣りが目と鼻の先で楽しめるのが神奈川県・長井新宿港の『小見山丸』。今秋から本格的にカワハギ釣りの乗合船をスタートさせた。「ビギナー大歓迎!一緒に楽しみたい」と張切る小見山俊船長。秋晴れの平日、船に乗った。

カワハギ釣りって?

これが「海の忍者」だ!
カワハギは、高い遊泳能力を持つ魚。釣り人に全く気付かれずに餌をかすめ取る技を持ち「海の忍者」、「餌取り名人」などの異名を取る手強い相手だ。そんな魚と釣り人との知恵比べと駆け引き「あれやこれや…」と攻略法を練るのが最高に面白い。そして、ベテランからビギナーまで誰にでも楽しめる間口の広い釣りでもある。食べても美味い魚である事は周知の事実。特にこれからの季節は、発達した肝を使った肝和えや、肝醤油で食べる刺し身は勿論、鍋なども思わず唸る美味しさだ。

長井沖は好釣り場!

出掛けたのは10月25日(木)。出船は朝7時。この日は3人の常連さんと私の4人が乗船、定刻ちょっと前に出船。船をゆ~くり走らせ約5分、まさに港の目と鼻の先で開始の合図。まずは水深19mラインの根周りから探った。『小見山丸』がカワハギ釣りの乗合船を始めた理由のひとつに、「長井沖やカメギ根周辺は昔からカワハギの好釣り場、せっかく目の前にこんな良い場所があるのにやらないのは勿体ないじゃない」と船長が明かしてくれた。現在では、長井港の多くの釣り船がカワハギ乗合船を出している。

船宿『小見山丸』
第八小見山丸
小見山俊船長
曇天の中スタート!

船長直伝!カワハギ道具説明&釣り方講座!!

仕掛け図
ここで仕掛けや道具、釣り方を船長に聞いた。詳細は仕掛け図を参照して頂きたい。仕掛けは船宿でも売っているので、ビギナーは船宿で購入するのがベターだろう。また、オモリも25~30号と軽く、まるでバスタックルのようなライトな道具で釣るのが今のスタイル。釣り方は本当に多彩なので初めてカワハギ釣りに挑戦するアングラーやビギナーに向け、船長が動画で色々と説明してくれているので必見、是非参考にして欲しい。

船宿で購入できる仕掛け一式
エサはアサリのむき身を使用
[動画]道具説明&釣り方講座!

午前中は高いタナで喰ってきた!

期待に反し、釣り開始から約20分はカワハギはおろか“餌取り”のアタリさえ皆無という厳しい状況。「2日前に強風が吹いてさ、これは相当底荒れしているかも知れないね」と船長。しかし、小移動をした水深13mの場所でポンポンと2連続ヒットでホッと胸を撫で下ろした。その後も小移動を繰り返し、水深も浅い所では10m未満の場所でもやったが、やはり底荒れの影響か、魚からの反応は少ない。そんな時はすぐに小移動し、水深20m前後の場所で拾い釣りをする感じで釣って行った。釣り方は“タタキ釣り”がメインで、底から1mもしくは2~3m浮かせたタナで喰っていたらしく「今日は魚が浮いているな」と言うのが乗船者の感想。

釣り始めは渋かった!
この日はこのサイズが良型の部類
この口にハリを掛けるのだから…難しい!
イシガキダイもゲット!!

カワハギは餌も色々!!

朝イチから長井沖の方々を“ランガン(釣ってはすぐ移動の繰り返し)”。結果、水深20m後半から30mを超える場所では、どこでも餌取りの反応も良くカワハギもポツポツと釣り上がる状況だった。特に、右舷大ドモ(船尾)の釣り人は、時々船長のレクチャーを受けながらもコンスタントに釣果を伸ばして行った。この人、カワハギ釣りは2回目の挑戦とか。その釣りっぷりは驚きだ。船長の指示が的確なのは勿論だが、カワハギ釣りがビギナーでも楽しめるという証明だ。対して右舷ミヨシ(船首)の常連さんは、持参した1cm角程に切ったアオリイカを餌に使い、同じく順調に釣果を伸ばして行った。カワハギの餌にアオリイカの切り身を使うなんて初めて見たが結果が全て。新しい発見だった。「カワハギは何でも喰ってくるよ、イカもそうだし青イソメなんかも凄く良いよ」と船長が教えてくれた。

連続ヒット!!
これがイカエサ
中々の良型!

アタリパターンは多彩!!

10時頃から私も竿を出し、まずは底ベタから基本のタタキ釣りで始めた。それで喰って来なければ徐々にタナを上げ、色々と誘いパターンを加えて行く作戦だったが、すぐに反応があり、ベラを数尾釣り上げた後、小さいが“本命”のカワハギをゲットした。その後も同じように底ベタで釣れたかと思うと、激しくロッドシェイクを加えながら1~2m誘い上げ、ピタリと仕掛けを止めて喰ってくる魚もいた。正直に言えば、この日のストロングパターンが全く掴めなかった。良くも悪くも、どんな釣り方でもそれなりに喰って来たというのが率直な感想。ただし、喰いが渋いのか途中でバレてしまうことが多々あった。そんな時は合わせをシャープに入れたり、ハリを替えてしまうのが得策だ。その為に自動ハリス止め付きの仕掛けを使うと簡単にハリ(ハリ&ハリス)が交換出来る。

この日は“ワッペンサイズ”が多かった
これが良いサイズに入るのだ…
自動ハリス止め付き仕掛けはお奨め!
「これがカワハギの反応」と船長

長井の船ならでは…!?

実はこの日、左舷ミヨシで竿を出していた人が途中からカワハギ釣りを止め、中オモリ式のエギ仕掛けでアオリイカ釣りを始めた。船長に聞くと「ウチは元々イカ釣り船だしね。それとカワハギとアオリイカはほぼ同じ場所にいるんだ。他人に迷惑が掛からなければ船アオリをしてもOKだよ」と、事も無げに言う。ただし、希望者は事前に船長に確認してから船アオリタックルを持ち込もう。何と驚いた事にその人、この日1人でアオリイカを13、14尾釣ってしまった。流石は長井沖、そして長井の釣り船である。

良いサイズ!
竿が満月に!!
最大は約1㎏オーバー!!

今後も期待大!!

結局、この日のカワハギ釣りは、終始ポツポツとアタリが続き、トップで35尾、スソ(最低)で20尾という成績。私は取材の合間に釣らせてもらい、何とかツ抜け(2桁)は達成出来た。全体的には、底荒れで厳しい状況の中では立派な釣果。しかし、長井沖のポテンシャルは、まだまだこんなものじゃないはずだ。「今後、潮温が低下してくればカハワギの群れが固まり、更に簡単に釣れてくれる」と船長も太鼓判を押している。特にビギナーやアタリを取って合わせる動作が身に付いているルアーフィッシングアングラーなどは十分に楽しめる釣りのはず。是非、今年はこの『小見山丸』でカワハギデビューを果して頂きたい。

最後に梅子大女将がカワハギの捌き方、「煮つけ・バター焼き」の料理を実演してくれた。動画にまとめたのでこれも必見だ。

この日の最大魚!
このサイズでまとまればGood!!
小さいのは全部リリースしたよ~
キープは食べる分とデッドフィッシュだけ!
[動画]2012年秋『小見山丸』カワハギ船スタート
[動画]梅子大女将の捌き方&煮つけ・バター焼き

(鈴木 恭介)

今回利用した釣り船
神奈川県・長井新宿港『小見山丸』
〒238-0316 神奈川県横須賀市長井5-30-1
TEL:046-856-2310(定休日:第1金曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
小見山丸ホームページ
出船データ
出船時間:7時 ~ 沖上がり時間:14時
乗船料金:\7,000(餌別)※氷無料
その他料金:冷凍アサリの剥き身\700、仕掛け\300、オモリ(2個入り)\150
駐車場1日\200、※手巻きリールセット無料
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
プレミアムメンバー