釣りビジョン
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2012.11.15号

幸丸・千葉県飯岡港
何でも釣れる!噂の“スロジギ”。千葉県・飯岡沖で好調!

土佐の高知で生まれたと言う“スロジギ”、正確には「スローピッチジャークジギング」と言うそうだ。千葉県・外房、飯岡の船宿『幸丸』の若主人、向後恵一船長とは、彼が生まれた時からの付き合いである。御年27歳。その彼が「爺さんにも出来るジギングがありますよ」と誘って来たのが“スロジギ”。彼は小生の“ひとつテンヤ”の師匠でもあり、誘いに乗って10日に出掛けた。

対象魚は、釣れる魚は何でも!

「対象魚は?」と言う問いに「釣れる魚は何でも」との返事。ジギングと聞くと、釣り物は“青物”中心と思い込みがちだが、「これまで釣れただけでもマダイ、ハナダイ、ホウボウ、アイナメ、メバル、カサゴ、ヒラメ、そしてカンパチ、ヒラマサ、イナダ&ワラサ…」と恵一船長。「ホンマかいな?」と思いながら、12時半出船の午後釣り(現在『幸丸』では、“スロジギ”船は、午後のみの出船)の船に乗った。9月に就航したばかりの新造船「第51幸丸」は、全長24m、最大幅5mを超える大型船、この日は北寄りの風がかなり吹いていたが、釣り場までの航程50分程を快適に過ごせた。

[動画]新造船「第51幸丸」進水式
“東洋のドーバー”と呼ばれる屏風ヶ浦
この日の舵を握った向後恵一船長

若者中心の乗船者

気が付けば、乗船者のほとんどが複数の道具を用意していた。また、総体的に年齢は若く、乗船者の大半が“団塊の世代”である沖釣りの世界(特に平日は、その傾向が顕著)とは、一線を画しているようだ。ジギング自体は、決して目新しい釣りではないが、恵一船長が用意してくれたタックルは、ラインPE2号、リーダー40lb、そしてワンピースの専用ロッド。丈夫一点張りのジギング道具とは大違い、いかにも若者達に好まれる道具立てである。このタックルで3kg、4kgの魚が掛かれば問題なく楽しいだろう。

乗船者は若者が多かった
全長24mの大型船

ロッドの損傷、ラインの高切れに注意!

この日の船中初獲物、2.5kg級のヒラマサ
「お待たせしました。水深50m、少しずつ浅くなって行きますから、根掛かりに注意して下さい」。この日は急遽、“スロジギ船”が2隻出しになったため恵一船長自らが舵を握る事になり“ひとつテンヤ”初挑戦の時のように“上乗り”として小生の面倒を見てくれるのは無理になった。それでも時折、的確なアドバイスをしてくれていたが、説明を聞いている内に手元が疎かになり、注意されたばかりの根掛かりをしてしまった。ここで無理をすればロッドを折ったり、ラインを高切れしてしまったりするのが落ちである。こんな時、頼りになるのが、恵一船長が作成した「レンタルタックルご使用上のご注意とお願い」なるペーパー(船宿受付で貰える)。根掛かりだけではなく、魚とのやり取り、取り込みなどについてイラスト入りで詳しく説明されているので、ビギナーは是非参考にしてほしい。

船中初獲物は2.5kg級のヒラマサ!

間もなく、舳先に仁王立ちでロッドを振っていたこの日の乗船者唯一の年配者(とは言っても小生と同い年=61歳)に“青物”がヒットした。恵一船長が飛んで来て無事ネットインされたのは、2.5kg級のヒラマサだった。これを皮切りにイナワラ(2kgオーバーのイナダ)、カンパチ、ヒラメ、ホウボウ、キントキ、ウマヅラ、サバフグとまるで水族館状態で色々な魚が釣れて来た。

「夕方4時頃までは、こんな調子でパラパラと色んな魚が釣れますが、夕まづめに“お祭り”が来るのが、最近のパターンです」と恵一船長。レクチャーされた通りにやっているつもりだったが、船中の釣り人を見ていたカメラマンに「速すぎますよ」と注意された。そこで、周りのベテラン勢を観察してみると、確かにスローである。気短な性格がどうしても動きを速くしてしまうようだ。その間にも、船中ではあちらで1尾、こちらで1尾とカンパチやキントキが釣れていた。

カンパチ、カンパチ…

イナダ、イナダ…

キントキ連発

ヒラメもヒット!
良型ホウボウも

40㎝足らずのイナダでも初獲物は嬉しい!

[動画]スローピッチジャークジギング
この日は、出船した時から北寄りの強風が吹いており、さしもの大型船でも時折、船上に波を被ってやや釣り難かった。この時点まで小生のジグには、反応はなく「何か釣りたい」と言う気持ちが逸り、底近くを重点に狙っていた。そんな時にウネリで船が大きく揺らぎ、その瞬間に2度目の根掛かりをしてしまった。2つ目のジグをロストして、操舵室に行くと、「また根掛かりしちゃったんですか…」と言いながらもタックルボックスからピンクのジグを出してくれた。時間は4時を過ぎ、“お祭り”の時間帯に差し掛かっていたが、シケ模様の為かパッとしない。それでも500、600gから2.5kg前後のカンパチ中心に確かに“喰い”は立って来た感じだ。「ここで釣らねば、当分、恵一船長に頭が上がらなくなる」と、必死で釣り始めた。すると、そんな気持ちが天に届いたか、底から4、5mジグが上がった所で“ガツガツッ”とこの日初めて魚からの反応。正直、かなり嬉しかった。引きからして“青物”である事は間違いないが、大して大きくないのは確実だ。それでも初めての釣りの初獲物である。慎重に海面まで上げて来ると、ネットを持って待機していた恵一船長が、「それなら一人で上げて下さい」と言い残し、サッさと操舵室に引き揚げてしまった。覗き込むと、海面には40cm足らずのイナダが浮いていた。小型でも美味いカンパチを期待していたが、こちらも少々ガッカリだ。それでも何とかオデコは免れ、ホッと一息。

周年楽しめる“スロジギ”船

その後も残念ながら“お祭り”は訪れず、全体的にはパッとしなかったが、この日はたまたま“喰い”が悪かっただけ。条件のいい日には、カンパチ、ヒラマサ、イナダ&ワラサの“青物”中心に大型のホウボウやキントキ、そしてヒラメやマダイなども釣れている。体力勝負のジギングと違い、この“スロジギ”は、確かに「爺さんにも出来るジギング…」であり、少々のコツさえ掴めば、誰にでも楽しめる釣りのようだ。「中心になる対象魚は、時期によって変わりますが、乗合船は周年出しますから、又来て下さい」と最後に恵一船長に片目を瞑られた。

(野口 哲雄)
(カメラ・兵頭 誠司)

今回利用した釣り船
千葉県・飯岡港『幸丸』
〒289-2705 千葉県旭市飯岡3374
TEL:0479-57-2258
詳細情報(釣りビジョン)
幸丸ホームページ
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