オフショアマガジン
2013.4.15号

石倉渡船・三重県紀伊長島
三重県・紀伊長島でのんびり春満喫♪シロギスのボート釣り

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3月24日、紀勢自動車道の紀勢大内山IC~紀伊長島IC間が開通した。これで大阪、名古屋方面からノンストップで三重県・紀伊長島へ行けるようになった。その道を使い、早速ボート釣りに出掛けた。紀伊長島の名倉湾は、チヌ、アジ、アオリイカ、カマス、“青物”、ヒラメなど、いろんな魚が釣れるボート釣り天国。今回のターゲットは、G.Wのファミリーフィッシングにもピッタリなシロギス。竿先を見つめていると、つい居眠りしてしまうほどのポカポカ陽気で、しかも海上はベタナギ。Tシャツ1枚になって、のんびり魚信を楽しんで来た♪

船外機付きボートで名倉湾のシロギス釣り

“文明の利器”カーナビもまだ新しい道を知らない4月5日、高速を乗り継ぎノンストップで紀伊長島の『石倉渡船』まで走った。この船宿では磯釣り、カセ釣り、エンジン付きボートの釣り、手漕ぎボートの釣りといろんな釣りが楽しめる。今回はG.Wのファミリーフィッシングにもピッタリの、船外機付きボートからのシロギス釣りだ。『石倉渡船』の常連、田中賢一さんがボートのハンドルを握り、シロギス釣りのベテラン嶋田廣美さんがポイントを案内してくれると言う。最強の助っ人に同乗してもらい、いつしか釣る気満々!「さあ!釣りまっせ~!!」
日中の気温は20度を超すポカポカ陽気。海上は風もなくベタナギだ。船外機ボートのエンジンを止めると、突然静寂が訪れた。聞こえるのはヒタヒタとボートに寄せる波の音だけ。単調なリズムが眠気を誘う。
紀伊長島・名倉湾を囲む山は、木々の新芽が萌黄色に輝き、所々で明るく山桜が名残りの花を付けていた。山全体が迷彩色に彩られ、耳を澄ませば鶯の鳴き声も遠くから聞こえる。春爛漫、一年のうちでも釣りに最適なシーズンの到来だ!

紀伊長島に40年釣りに通っている常連の田中賢一さん
良型キスを釣り上げてみせてくれたベテランの嶋田廣美さん
シロギスのダブル!これからはこんなシーンが当たり前になる

水温が一気に4度急上昇して19度台に

若船長の石倉一徳船長に見送られて、我々が乗ったボートは名倉湾へ滑り出た。最初のポイントは“マツタケ”。ここはアオリイカもよく釣れるところだ。しかし、竿先は無反応。潮も速すぎた。早々にポイントを移動。港を出てすぐの“水門”と呼ばれるポイントに入った。ここは川の流れ込みがあり、大船長の石倉徳光さん曰く「水温が一気に4度も上って19度台になった。こんな時は真水が入る所へ魚が集まって体に付いた虫を落とすんや」と言う。しかし、ここもポツリポツリ程度の食い。田中さんは湾内を走り回り、シロギスがかたまっているポイントを探した。名倉湾には3本の川が流れ込んでいて、河口の沖はいろんな魚が集まってくる好漁場なのだ。
「水温が低いなりに安定していた2月頃は、20cmを超す良型のシロギスが数も上っていましたよ。これからは群れでいたキスがばらけて来て、いろんな所で釣れるようになりますよ」と田中さん。田中さんはボートからのカマス釣りのベテランだ。3ケタ釣果を上げることも珍しくない。昨年はカマスの良型を400尾ほど釣ったことがあると言う。数釣りを得意としているだけに、ポツリポツリ程度の喰いでは物足らないようで、「シロギスがまとめ釣りできるポイントがどこかあるはず。そのポイントを探そう」と言う。
嶋田さんの経験から、大型が狙えるポイント、数が釣れるポイントを探って回った。どこのポイントでもキスは釣れたが、後が続かず数が出ない。結局、最終的に勝負ポイントに決めたのが、朝方一度攻めた“水門”沖のポイントだ。

紀伊長島の名倉湾には3本の川が流れ込んでいる
腕力に自信がある人は一人乗りの手漕ぎボートもいい
パラシュートアンカーを入れて流し釣りした

夏のシロギス釣りをイメージして釣ると痛い目に遭う

「やっぱりここが一番エエみたいやな~。底になんかあるんかな?」と2人。専用竿を使用し、小形のキステンビン使用、オモリは10~30号、仕掛けは2本バリ仕掛け(市販品でOK)。ハリスは1.5号。イシゴカイ=ジャリメ(イソゴカイ)を刺してアンダースローでチョイ投げし、誘いながら寄せてくる釣りだ。
水深は15m前後。ボートのエンジンを止めて流し釣りする。湾内なので潮の流れはそれほどでもないが、風対策は必要。ボートが風で押し流されて釣りにくいときは、潮の流れをみてシーアンカーを船首から入れるなどするのも手だ。
チョイ投げして、少しずつ巻きながら寄せて来ると、途中でオモリが重く感じる所がある。底に変化がある場所だ。シロギスはカケ上がりに付いていることが多く、群れでいる。こんなポイントを見つけたら、仕掛けを動かしてキスのアタリを待つ。餌取りのような小さなプルプル震えるようなアタリも、合わせてみるとシロギスであることが多かった。夏のシロギス釣りの、引っ手繰っていくようなアタリをイメージして釣っていると痛い目に遭う。
この日は、3日前から水温が15度→19度に急上昇した事で、喰いが渋かったようだ。餌の先っぽだけ咥えてプルプルと引っ張るようなアタリが多かった。シロギス釣りではハリを飲まれてしまうことがよくあるが、この日は3人とも飲まれた魚は数尾だけ。「突然の水温急上昇で、シロギスも驚いたのだろうか?水温が安定すればまた好調に釣れ出すはず」とは一徳船長。

仕掛図

正体不明の大物も!?

誘って誘って食わせるパターンを見つけた田中さんは、さすが数釣りの名手だけあって、次々とシロギスを釣り上げていった。特別大型はいないが、20cm前後中心で、リリースサイズもたまに交じって釣れた。時にはダブルでも釣れたが、この日は1回だけ(メゴチ+シロギスのダブルはしばしばあったが…)。
田中さんが掛かったシロギスをゆっくり巻き寄せていると、下から突然魚が追ってきて水面でジャンプした。エソだ!中層で仕掛けもろとも喰いちぎっていく大物のアタリがこの日は3回もあった。「ヒラメ?」いや「マゴチ?」いや「エソ?」と諸説紛々。結局、「正体不明の大型魚」ということで決着した。泳がせ仕掛けの置き竿を1本出しておいても面白いかも?そんな自分勝手の釣りが出来るのも手前船頭のこの釣りならではだ。
結局、シロギスは3人で50尾チョイの釣果に終わった。名手2人にとっては不本意な釣果だったようだが、思いっ切りのんびり出来てとても気持ちのよい釣りだった。
シロギスを釣ったり、サビキでアジを釣ったり、エギでアオリイカを狙ったりと、春の釣りを思う存分楽しむのもいいだろう。これから水温が安定してくれば、シロギスはバリバリ喰って来るはず。ポイントも広がり、釣りやすくなって来る。シロギス釣りは本格的にやると奥の深い釣りだが、ビギナーでも手軽に楽しめるのもこの釣り。G.Wにファミリーで出掛けて、お父さんのカッコイイところを見せてあげよう!

石倉一徳船長
『石倉渡船』のバーベキューコーナー
船着場にエンジン付きボート、手漕ぎボートが並ぶ

(上野 英輝)

今回利用した釣り船
三重県紀伊長島『石倉渡船』
〒519-3204
三重県北牟婁郡紀北町紀伊長島区東長島
TEL:0597-47-0712
詳細情報(釣りビジョン)
石倉渡船ホームページ
出船データ
(料金)レンタルボート:手漕ぎボート3,800円(保険料1人200円)。船外機付きボート9.9馬力1万円~40馬力2万3000円まで各タイプ有り(保険料1人500円)。
詳細は船宿のHP参照。無料仮眠所有り。
(交通)大阪方面からは西名阪自動車道~伊勢自動車道~紀勢自動車道・紀伊長島から約3分で港へ。名古屋方面からは東名阪自動車道~伊勢自動車道~紀勢自動車道・紀伊長島~港へ。
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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