オフショアマガジン
2013.7.15号

信栄丸・千葉県乙浜港
千葉県・乙浜沖“夏イカ”本番!船上干しは腕自慢の大漁旗

01_main.jpg
梅雨は春から夏への橋渡し役。7月ともなると、梅雨の晴れ間は夏がすぐそこに来ているのが感じられ、気持ちが騒ぐ。夏と言えばスルメイカの船上干しが似合う時期。ムギイカ(スルメイカの“子供”)から成長した“真イカ”が、千葉県・外房の海で群れを成している。千葉県・乙浜港『信栄(のぶえい)丸』では、7月1日から午前船、午後船ともスルメイカ専門で出船している。今年のスルメイカの湧きを確かめに梅雨の晴れ間に出掛けた。

釣り座は抽選で決める

取れたてのイカ
スルメイカ船の朝は早い。午前4時半、乙浜港に係留された「信栄丸」前に集合。全員集まった所で乗船の順番を抽選し、早い番号順に自分の座りたい席に着く方式だ。『信栄丸』では、のびのびと釣りを楽しめるようにと大型船に10人迄しか予約を取らない方針を貫いている。船長の釣り人思いやりと釣りへの拘りが感じられる。又、出船準備中の船内で、女将さんからモーニングコーヒーの接待を受けた。「皆さん頑張って!」との思いが込められていて、実に嬉しい気分になった。この日は私を含め9人が乗った。全員準備が出来たので、定刻(午前5時)より少し早めに出船となった。

釣れた先から捌いていく
舵を握った安田仁船長
[動画]南房で楽しむ!スルメイカ釣り

晴天・ベタナギの海も、スルメイカはご機嫌斜め

仕掛け図
船は朝日に染まったベタナギの海をゆっくり進み、ポイントの乙浜沖には15分程で着いた。舵を握る安田仁船長から「オモリは150号です。オマツリしたら声を掛け合って解いて下さい。ハイどーぞ、水深は175m。電動でチョロ巻きして、引っ掛けるイメージでやらないと乗らないヨ」とのアナウンス。
第1投、早くも左舷から「乗ったよ!」の声。カメラを向けたら「あっ、バレた!」。トモ(船尾)からも「乗った」と言って電動リールにスイッチが入ったが直ぐに「バレた!」。どうやら乗りが浅いみたいだ。船長から「130mまで探って見て」と指示が出た。トモから電動リールを巻く音が聞こえ、行ってみると、右舷の滝浪さんと、左舷の青山さんが同時に巻き上げている。青山さんは大きく腕を伸ばし仕掛けを手繰り、1尾取り込んだ。バケツには既に1尾泳いでいた。隣の新井さんもリールを巻き出した。中オモリを掴み1尾、2尾、3尾と椅子の上のマットに取込んでいく。3点掛けだ。「スワッ、“入れ乗り”タイム!」と思ったが、後が続かない。誰かの竿が曲がり1尾ずつは取り込むが、多点掛けがないのだ。船長は「魚探を見ながら120~150mの間を探って!」とタナを指示して来る。滝浪さんが「150mで乗った」と言いながらダブルで取り込んだ。船長はすかさず「150mで乗せているよ」と指示を出す。ポツリポツリの乗りが続く。

美味しそうでしょう 中野さん
やったネ 浦さん
トモ側もズラーリ

白間津沖で5点掛け、6点掛け有りの“乗り乗り”タイム

船長は、乙浜沖に見切りをつけ、白間津沖にポイントを移動した。「水深は197m、群れは120~150mにも出ているよ」と船長。左舷ミヨシの山中さんは竿の先を折ってしまったと言いながらも釣り続け、5点掛けを達成、続いて4点掛けを披露して2回で9尾を取り込んだ。船長も「移動して正解!」と微笑む。常連は手慣れたもので、仕掛けを投入している間に手際よくイカを捌き、船上干しの準備をする。そして着底のタイミングを見計らい、竿を持つ。一連の鮮やかな流れに驚く。船中ジージーとリールを巻く音が同時に鳴り出し、大ドモの滝浪さんと青山さんが同時に巻き出した。青山さんにカメラを向けると、5点掛けを目撃する事になり、右舷の幸田さんも3点掛け。あちらこちらで多点掛けのオンパレードだ。船の前と後で船上干しの“スルメイカ暖簾”が段々長く伸びていく。
私も我慢出来ずに途中から竿を出したが、外房は太平洋である。ナギと言えどもウネリが有り、120号のオモリに慣れている私も150号のオモリには戸惑い苦労した。慣れると、ゆっくりきき上げればイカのシグナルは同じ。しかし、時すでに遅く2点掛けが最高で1尾ずつの拾い釣り。スルメイカは“直結仕掛け”なので置き竿釣法が出来ない。多点掛けと、そのツノ捌きを映像に撮ろうとの思いで、正味3時間程度しか竿を出せなかった。

5点掛け、6点掛け 山中さん
開いた傍から5点掛け
ダブルです 佐久間さん

スルメイカの船上干しは勝者の勲章!

少し乗りが渋くなったところで船長は船を乙浜沖に戻した。ここでも一斉にリールを巻き出し、単発ながら“入れ乗り”であちらこちらからイカの水鉄砲が吹き上がり、見ているだけでも楽しくなった。圧巻は山中さんの3点掛けに続いての6点掛け。中オモリを掴み、一歩引いて身構える。手繰り寄せる準備と見た。スルメイカを手では掴まず、マットの上に叩きつけて外す手捌き。1つ、2つ、3つ…6点掛け達成だ。そしてアッと言う間に開いていく。長い“イカ暖簾”の完成だ。

“トリプル”は当たり前 幸田さん
スルメイカの大漁旗
今日の戦果です 山中さん

数は10~40尾。型揃い

11時半に沖上り。釣果は10~40尾で28尾が1人と21尾が2人。次が20尾と続いた。40尾は川口市の山中一義さん。型は中型揃い。「今日は潮が動かなかった」と船長。翌日は潮が少し流れたそうで乗船者2人ながら46~62尾。
釣上げる傍からスルメイカの腹を開き、竹串でロープに吊るして船上干しを手際よく作る。これこそ“夏イカ”の風物詩である。梅雨が明ければ真夏の太陽が真上から降り注ぐスルメイカの最盛期。麦わら帽子が似合う季節になる。水分を充分取りながら、スルメイカの船上干し作りに出かけて見ては如何だろう。

(釣りビジョンAPC・飯妻武夫)

今回利用した釣り船
千葉県乙浜港『信栄丸』
千葉県南房総市白浜町乙浜1299-3
TEL:0470-38-2427
詳細情報(釣りビジョン)
信栄丸ホームページ
出船データ
スルメイカ:予約乗合
乗合料金:午前船:9,000円、午後船:8,000円
午 前 船:集合時間:午前4時30分、出船時間:午前5時
午 後 船:集合時間:正午、出船時間:12時30分
貸 道 具:2,000円
仕 掛 け:1,000円
定 休 日:毎月第2・4水曜日
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
プレミアムメンバー