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世界最高のターゲット「ピーコックバス」を南米まで行かずに釣れる意外に近い国は?【世界怪魚図鑑21】

2023年04月23日公開

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前回の世界怪魚図鑑で紹介した最大種のピーコックバス、トクナレ・アスー。分類的にはキクラ属と呼ばれ、現在は全部で15種類に分類されている。今回は語り部(←筆者)が実際に釣った9種(+1)を中心に紹介していこう。

アジアでチープにオーパ!できる、ピーコックバスの仲間たち

世界最高のゲームフィッシュ、その仲間は地球の裏側まで行かずとも、割と近くの国で釣ることができる。

語り部が初めてピーコックバスを釣ったのは…2009年、マレーシアだった。その昔、スズを採掘していた砂利穴に雨水が溜まり、現在は無数の野池群を形成しているエリアがある。いつしかそこにピーコックバスが入り込んで野生化し、一部の好事家にはアジアでピーコックバスが釣れる…と知られていたのだ。(ピーコックバスが入り込んだ理由は洪水で養殖池から逃げ出した…など諸説がある)

そのときは知人に現地ガイドを紹介してもらい、非常にリーズナブルにオーパ!な世界を楽しむことができた。

池にボートを出して、2~3箇所目のポイント。水中の馬の背めがけてルドラ(O.S.P)を超速巻きしたところ、ガツン!と今までにないような明確すぎるバイトが出た。ロッドが折られるのではないか…という引きに恐怖さえ感じつつ…上がってきたのは53cmのナイスサイズ…だが、あの引きの強さでこのサイズなのか…という驚きがあった。なお、フックは3本掛かっていたが、そのすべてが伸ばされていた。

感覚的に、引きの強さはラージマウスバスの2倍以上。そして、「乾季の花火」と称賛された、水面でのバイトと激しいジャンプはアジアでも健在だった。
ちなみに、マレーシア以外に台湾やハワイなどでも釣ることができる様だ。

南米各地で釣った個性豊かなピーコックバスたち

ピーコックバス。南米のアマゾン河水系などに生息する。ブラックバスに似ているし名前にバスもつくが、サンフィッシュ科ではなく、シクリッド科の魚である。分類上はバスよりもベラに近い。全部で15種に分類されるが、そのどれもが尾ビレの付け根に白く縁取られた眼球状の斑紋を持つ。魚食性が強く、速い動きのプラグに強く反応する。逆に、ゆっくり動くワームなどへの関心は鈍い。

語り部は現在までに5度南米へ行き、アマゾンでも何度か釣りをした。前回のトクナレ・アスー(キクラ・テメンシス)以外にもご当地ピーコックバスを嫌というほどたくさん釣った(気がする)。

また、サンパウロ州郊外に住むブラジルの釣りプロ・ジュニーニョのご自宅になぜか5日間ほどお世話になり、毎日釣りに連れて行ってもらった。カヤックで野池巡りをして、何種類かのピーコックバスを釣ることもできた。

思い出の写真とともに紹介していこう。

 
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。
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