釣りビジョン

2014.2.1号

魚磯丸・静岡県沼津久料
緊急事態!!駿河湾・大瀬崎沖でマルイカ“大爆釣”!

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“大寒”を前に戸外は厳しい寒さ。寒風吹きすさぶ船上を想像すると“釣り初め”"にも重い腰が上がらない。しかし、静岡県・沼津でマルイカ“大爆釣”との情報に、マルイカ釣りファンとしては腰を上げない訳にはいかない。例年にない好釣果に心が躍った。どうせ寒いのであれば、「“大寒”(1月20日)に夜釣りだ」と、イカ釣り好きの友人を誘って沼津久料『魚磯丸』へ出掛けた。

船の向こうに富士山

静岡県道17号線沿いの『魚磯丸』
『魚磯丸』の夜イカ釣りは、夕方便(午後3時半集合)と深夜便(午後10時半集合)があるが、取材当日は夕方便のみ。正午過ぎに友人の小菅義弘さん(横浜市)宅を出発。沼津久料港へは横浜から東名高速を使って2時間程度で到着。『魚磯丸』は、静岡県道17号線沿いにあり、道路から看板が見える。船宿の前に車を停め、受け付けを済ませてから荷物を降ろして車を駐車場へ移動。乗船場は受け付けから道路を挟んだ向かい側の港にあり、歩いて2分程。船の向こうには富士山が見える風光明媚なロケーション。集まった釣り人は私と小菅さんを含めて7人。午後4時前、久保田清船長の操船で出船した。

まずは受付で乗船手続き
船の向こうには富士山
釣り客と開発、『魚磯丸』特製沖漬けのタレ

ヤリイカ・マルイカのポイントで夜釣り開始!

港を出ると南西の風がかなり強く吹いていた。ポイントの大瀬崎沖へは航程10分程。途中で「オモリは60号から、潮の具合を見て軽くしても良い」と船長からのアナウンス。最初のポイントは大瀬崎灯台のすぐ近く、岬の風裏となっていた。海底は海岸から急なカケ下がりで、驚くほど陸に近い場所でアンカーを投入。船長はアンカーロープを調整し、水深約35mの場所で船を安定させた。船長に聞くと、ヤリイカに交じってマルイカが釣れるポイントだそうだ。日没後の午後5時頃、海中に入れられた集魚灯と船上のライトが点灯された。船長から「タナは底から10mくらいまでをシャクりながら探るように!」とのアナウンス後、仕掛け投入の合図が出た。

最初のポイントは大瀬崎灯台の近く
久保田清船長

初めはマルイカから、プラヅノ直結仕掛けにも

タックルは、マルイカ用ロッド(154cm、8:2調子)に手巻き両軸リール(PEライン1号)。仕掛けは、マルイカ用スッテ(5cm)6本の直結仕掛けと、プラヅノ(11cm)5本の直結仕掛け、2種類を用意した。先ずは、布巻きのマルイカ用スッテをセットした仕掛けから。オモリは最初60号を使用したが、潮が速くなかったのでタングステンの40号に換えた。小菅さんはプラヅノ5本の直結仕掛けからスタート。
開始から約30分後、辺りが暗くなってから小菅さんがマルイカの2点掛け。プラヅノ直結仕掛けでもマルイカが釣れることに少し驚いた。船中でもヤリイカ交じりでマルイカが釣れ始めた。一通り撮影を終え、仕掛けを再投入。すぐにマルイカのアタリがあり、久しぶりのマルイカ釣りをしばらく楽しんだ。数杯のマルイカを取り込んだ後、アタリが遠のいてしまった。

タックルと仕掛け
仕掛け図
小菅さん、最初のマルイカはプラヅノ直結仕掛けで

マルイカ用ライトタックル(LT)に良型ヤリイカが連発!

暫くして、竿先に小さなアタリが出た。シェイクしてからステイ、イカの“触り”に合わせると、ドラグがチリッと鳴って竿が止められた。隣の小菅さんを見ると、マルイカ用ロッドが大きく曲り、「ヤリイカ!」と言って笑いながらリールを巻いていた。マルイカ用スッテは0.5mmカンナだったので慎重にリーリング。取り込まれた良型ヤリイカは胴長35cm(足先まで45cm)。それから数分間は良型ヤリイカの“入れ乗り”タイム。マルイカ用のライトタックルに良型ヤリイカが連発!ホームグラウンドの東京湾や相模湾でこのような状況は経験がない。小菅さんと2人、「楽しいな、これ!」と言いながら、スリリングな釣りを楽しんだ。

良型ヤリイカ
良型ヤリイカ

良型ヤリイカがバタバタと!スレたマルイカにはスッテ交換が効果的

中盤からは、ヤリイカの群れが回ってくると船中でバタバタと良型のヤリイカが釣れ、合間にポツリポツリとマルイカが釣れるという状況だった。船長も途中で1時間程竿を出し、餌巻仕掛けで良型ヤリイカばかり10杯以上も釣っていた。 マルイカが釣れたタナは広く、海底から15mの範囲で釣れた。同じ群れを釣るせいか、スレる(スッテを見切られる)ようだ。マルイカの乗りが悪くなった時は、スッテを交換すると効果的だった。

常連さん、ライトタックルで良型ヤリイカ
良型ヤリイカ
船長、餌巻仕掛けでヤリイカを2点掛け

アタリ頻繁!マルイカ釣りを堪能

中型マルイカ
午後9時過ぎ、南西の風が西寄りの風に変わり、船の位置がポイントから外れてしまった。船長はマルイカのポイントに船を移動させた。仕掛けを入れると、すぐにマルイカが釣れた。マルイカの“触り”は頻繁で、シェイクによく反応したが、マルイカのサイズが小さいせいか、掛けるのが少し難しかった。小菅さんも仕掛けをプラヅノからマルイカ用スッテに交換、数杯のマルイカを取り込んでいた。約30分間で8杯、“入れ乗り”とまではいかないが、難しい“マルイカ釣り”が堪能出来た。午後10時、頻繁なアタリに後ろ髪を引かれながら沖上りの時間となった。

マルイカと良型ヤリイカ、ボリュームのある釣果

トップは小菅さんで32杯(マルイカ16杯、ヤリイカ16杯)、私は27杯(マルイカ20杯、ヤリイカ7杯)。マルイカは胴長10~17cm、ヤリイカは胴長27~35cm。取材前々日のトップ78杯に比べると、数は多少落ちてしまったが、良型のヤリイカが多く交じり、ボリュームのある十分な釣果だった。 結果的に、マルイカ用スッテにはマルイカ、プラヅノにはヤリイカの比率が高い。マルイカ用スッテとプラヅノ、状況に合わせて使い分けるか、混合しても面白そうだ。“当たり角”というのは特になかったが、マルイカ用スッテは赤帽(赤/白)やチャートカラー、プラヅノはガス糸巻きが比較的良かった。また、大瀬崎周辺のポイントは海底がゴロタ石のため、根掛かりに注意した方が良い。

桶のマルイカとヤリイカ、ボリュームのある釣果
マルイカの釣果(小菅さんと2人分)
ヤリイカの釣果(小菅さんと2人分)

"束超え"も狙える浅場のマルイカ、良型ヤリイカもターゲットに!

絶好調の沼津久料『魚磯丸』の夜イカ釣り。1月11日に190杯、13日に141杯、15日に137杯とトップが“束超え”の釣果。しかも、水深が35m前後と浅く、アタリが明確で面白い。浅場のマルイカ、“束超え”も狙える絶好のチャンス!良型ヤリイカもターゲットに、『魚磯丸』へ出掛けては如何だろう。

(釣りビジョンAPC・野中 篤)

今回利用した釣り船
静岡県沼津久料『魚磯丸』
〒410-0243
静岡県沼津市西浦久料124
TEL:055-942-3230
詳細情報(釣りビジョン)
春盛丸ホームページ
出船データ
夜釣りヤリイカ&マルイカ(完全予約制)
乗船料金:9,000円(氷付)、夕方便・深夜便通しは1,000円割引(9,000円+8,000円=17,000円)
夕方便:集合/午後3時30分、沖上り/午後10時(要確認)
深夜便:集合/午後10時30分、沖上り/午前4時30分(要確認)
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