『力漁丸』の特徴でもある大きな餌について中井聡船長に訊いた。「餌は肉を削いで、大きく、細長く付けることですね。小さく付けるとどうしてもユメカサゴなどの餌盗りが食ってしまう」とのこと。この釣りのコツについては「まめにタナを取ること」と「仕掛けを入れ替えること」がオマツリの防止となり、釣果へと繋がるそうだ。この日も潮に対して船をどう流すか、船長から逐一アナウンスがあった。これを参考に、船の下へ糸が入る流しの時には、まめに仕掛けを巻き上げて再度入れ直すのが効果的な探りとなるので覚えておこう。大原のオニカサゴシーズンは周年!冬の釣り物と思われがちなオニカサゴだが、『力漁丸』では一年中、オニカサゴ釣りが楽しめる。船長の観察では1月と8月に抱卵している様子だという大原沖のオニカサゴ。つまり一年中“旬の味”であることも人気の秘密かも知れない。1kg(40cm弱)に成長するまでに10年を要すると言われるオニカサゴ。この貴重な環境と資源を護るためにも、小さな個体が釣れてしまったらトゲを切ったりせず、海へ帰してやることを心掛けたい。豊かな海に、ユニークな船宿。あとは釣り人のマナーが伴えば「鬼に金棒」と言うものだ。