感心させられたのは、ヒラマサをゲームフィッシングと認識した乗船者のキャッチ&リリース率の高さである。『山正丸』ではキャッチ&リリースを推奨しているが、その考え方が釣り人に浸透している結果だろう。勿論、釣った魚を美味しく頂くのは釣り人の特権であり醍醐味でもある。しかし、限りある資源を大切にし、後世に残していこうという考え方は素晴らしいと思う。結果、午前船の釣果は残念ながらオデコも出てしまったが、船中ヒットは20発以上、2~3kgをトップ4匹。十分な成績と言っていいだろう。午後は一発“大マサ”狙い午後船は、「シャローエリアでキャスティング中心で狙ってみましょう」と船長。午前から通しの太公望5人を乗せ“大マサ”狙いでいざ出船。ポイントは大原沖水深10m。30~40kgの実績のあるポイントであるという瀬の上を流していく。「ここはドロップオフのように急激に落ち込んでいます。そのへりにウルメイワシなどのベイトが着いていれば…」。しかし、残念ながら反応無し。外房の一級ポイント・真潮根も探索したが前々日からのシケで潮が薄濁り状態。その影響もあってかこの日はキャスティングでは型を見ることなく、ジギングで3kgクラスのヒラマサが1匹上がったのみで沖上がりの時間を迎えた。“春マサ”シーズン本番はこれから!「この日の水温は13℃。ヒラマサには低いと思われるかも知れませんが、そんな事はなく、9℃でトップに出たこともあります。つまり、適水温は魚が決めるのであって、人間が決める事ではないんですよ。水温、潮流、ベイト等“大マサ”を釣るには様々な条件がトータルでかみ合う事が重要ですね」と山口船長。ウブな小型の新群れが入ってくる“春マサ”シーズンはビギナーでも比較的釣りやすく入門に最適な季節でもあるが、周年10kgを超すような“大マサ”も期待できる魅惑のフィールドでもある。次のワールドレコードを塗り替えるのはアナタかも知れない。