天候に恵まれ、魚群探知機の反応も良かったが、決して簡単ではなかったこの日の釣り。「走水沖でもう少し釣って居たかった」とこの日を振り返る米元克也船長。釣れる魚のサイズが良く、他船より浅場の群れをいち早く見つけていただけに、手返し良く釣り続ければ数も伸びたことは確かだろう。しかし、冬ならではの深場の釣りも見る事が出来たので、小生としては嬉しさも半分ある。東京湾タチウオの傾向を見つめてきた船長に、冬の魚を獲るためのコツを訊いた。「場所に因るんですが、走水の辺りならメリハリを効かせた25cm毎とかの細かめなシャクリ方をした方がアタリは出るんじゃないでしょうか。アタリが出たときに、何もなかったかのようにそのままシャクり続けてみる。それがダメなら少し止めて上げる、魚にしっかり確認させてあげるような誘いをして頂くことかな」と船長。この他にもシャクリのパターンや誘いの絞り込み方を教えて貰ったが、これは是非実地で船長に尋ねてみて欲しい。また「ビギナーにアドバイスするとしたら?」と尋ねると「初めての方には…この時期の釣りはあまりお薦めできない。(笑)せっかく来て頂けるなら秋口の(釣れるタナが)浅い時とかの方が良いと思います」と全く商売っ気のない、それでいてプロとして正確な答えをくれた若船長。この人柄に惹かれるリピーターが多いのは確かに頷ける。大物シーズン大詰め、魚影は濃厚!「良い反応は至る所にある」と今シーズンを語る船長。誘って掛けての駆け引きと、竿を絞り込むファイトで釣って楽しく、調理も簡単で食べて美味しい冬のタチウオ釣り。急かすつもりはないが、“指5本”サイズに成長したタチウオと出会えるチャンスは1月一杯までとのこと。何はさておき東京湾へ繰り出せば、夢の“ドラゴン”サイズを手にするのはあなたかも知れない。