「まだ群れが固まってる様子はないですね。どうしても“拾い釣り”になるような感じが多くて」と船長が語るこの夏のカワハギ釣り。時折パタパタッと連釣するのは産卵のためにペアリングをしている個体の“小さな群れ”なのだとか。これを捜しながら、誘い出しながら釣るのも面白いが、小生が楽しみにしていたのはその食味。「肝パン」と呼ばれ肝臓が大きくなる冬の個体と比べ、夏のカワハギは“身の味”がしっかりしていて、また肝臓も大きくはないが味が濃厚な印象を受ける。ちなみに、カワハギもゲストフィッシュたちも“血抜き”をすることで食味と白身の美しさが断然違ってくる。カワハギはエラ穴に刃物を入れて1、2分泳がせてから氷の効いたクーラーボックスに入れるのが得策。ファスナー付きビニール袋に入れるなら、トレードマークのツノをハサミで切ってから入れるのがお薦めだ。カワハギを満喫するなら、予約制で混み合わず、のんびり楽しめる『宝生丸』で。捜して掛けるハンティングのような釣りと、脂肪分で味がボケていない夏ならではの味覚をお楽しみ頂きたい。