テンヤ・タチウオのコツを進藤通孝船長に訊いた。「初めての人は、なるべく何回かやってる人の近くでやるようにした方が。釣り方もそうなんですが、タナの取り方が重要なんで。YouTubeもイイんですけど、その人の釣り方しか載ってない場合もありますから、なるべく同船したテンヤをやる人の近くへ行って、情報交換をしながら釣るのが無難かと思います」とのこと。これは全く同感で、東京湾と大阪湾では異なる傾向もまま有り、教えたがりの中級者より同船した現場で釣れている人の方が正解に近いのは自明の理だ。「自分のリールの糸の色を見ながら、何m出てるかを把握しながら、テンヤの位置をある程度イメージしてた方が良いですよね。解らなくなっちゃったら、着底からゆっくりゆっくり巻いて来て、コツンでもアタった所(水深)を集中的に狙う。地道にやんなきゃいけないんですよ。簡単だったのは去年だけで、これが本来の姿だと思っています。自分で探して、探って探って『このタナで食ったのか』って楽しみ方があると思う」と船長。“何匹釣れた”“何cmの魚が出た”だけではない、タチウオ釣りの奥深さが、ファンを魅了するテンヤ・タチウオの醍醐味なのだと実感した。“テンタチ”入門の好機は今!かくして、竿入れから快調にアタリを出した佐野さんが16匹でこの日の竿頭。数こそ夏のタチウオ釣りに比べれば控えめに見えるが、今シーズンは、この時期から良型揃い。“ツ抜け”ればクーラーが満タンになる勢いだ。1mを超えると格段に食味がアップする東京湾のタチウオ。脂が乗ったトロトロ食感の極上の美味を、刺し身や塩焼きは勿論、蒲焼きにムニエルに鍋物にと様々な料理で味わいたい。防寒着ナシで良型のタチウオをじっくり楽しめるのは今がチャンス。充分な感染予防対策とちょっと多めの水分を持って、豊穣の東京湾をお楽しみ頂きたい。