何があったわけではない。しかし、船長の言葉の「どっかでいいポイント」が突然ここで訪れた。胴の間(中央)で竿を出す野村さんが根掛かりかのような強烈なロッドのしなり。正直、私は根掛かりかと思った。ドラグが勢いよく出される。船長も良型を確信してタモを片手にスタンバイ。ドラグを出されながらの一進一退のやり取りで海面に姿を現したのは“座布団”ヒラメ。「SLJ」に魅せられて1年。自己記録を大幅更新の5.1kgの文句なしのサイズだった。これを開始のゴングにポツリポツリとマハタも顔を出した。〆は3.3kgのマハタ胸をほっとなでおろしていたのも束の間。まだ最初のジャンボヒラメの興奮冷めやらぬ中で、また同じ野村さんの竿が2度目の強烈なしなり。しかし、今度は竿先をバタバタと叩く。根に潜られるのを恐れた船長が「少しずつでいいから巻き続けて」とアドバイス。なんとか薄氷のやり取りで根をかい潜って上がったのは3.3kgのマハタ。これまた大幅自己記録更新。完全に野村さんの日となった。この後はコンスタントにカサゴが顔を出し、お土産をゲットして納竿。いつもほどの釣果ではなかったかもしれないが、それでも船長の宣言通りの見せ場は確かにあった。まだまだ可能性が広がる「SLJ」。今後益々の人気上昇は必至だろう。