トライアングルのブースに立ち寄って「新製品はどれですか?」と尋ねると、代表の「やまけん」こと山本健司さんが「ロッドですね~」と、このテーパー&シェイプの3ピースロッドを出してきた。現在、テーパー&シェイプは、やまけんさんが代表を務める「株式会社トライアル」が販売しているのだ。最近、グラスロッド熱が高まっている俺は、興味津々で島津さんの解説に耳を傾けた。「このジャパントラウトVシリーズは、僕の提案するF.L.C.ガイドシステムを採用して、ライン放出のばらつきをなるべく早く収束させるコンセプトなんですね。だから全体的にガイド径が小さくて、チョークガイドも手前に持ってきています」そのガイド配列によって、ラインの放出がより安定し、フェザーリングも決まる。更にガイドが軽くなるためにスイング直後のブレも最小限に抑えられるので、さらにキャストの正確度が上がるのだ。渓流では飛距離よりもアキュラシーが問われる。ジャパントラウトV-Genは、そのアキュラシーにこだわって設計されている。もちろん、何よりもテーパーを重んじる島津さん作のロッドなので、その曲がりは息をのむような美しさ。ワンピースロッドにそん色ないベントカーブを出すために、よりコンパクトな4ピースではなく、多段テーパーで製作できる3ピースを選択したという。「パフォーマンスを重視した結論ですね。ジャパントラウトのカーブは崩したくなかったので」バンブーロッドを想起させる渋みを帯びた褐色のカラーリングは、トライアングルのTU-01は当然として、俺の1980年型カージナル3も似合いそうだ。これを持って渓流に行けたら、もうそれだけで幸せな気分になるだろうな。