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静岡県・清水港のクロダイ釣り!専用竿で始める!

2019年08月01日公開

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静岡県・清水港で古くから行われている伝統的なクロダイのかかり釣り。伝統の深みを探求するべく超高級竿(5~10万円)を使うベテランも多い。そんなベテラン達をも満足させる実売価格1万円の竿があるという。開発に携わったダイワフィールドテスタ―稲垣昌己(いながき まさみ)さんに、清水港『ふじや釣舟店』で初心者に向けた釣り方をご指南頂いた。

クロダイ釣りをお洒落にやろう!

午前5時過ぎ、船着場に到着。すると、年配の釣り師の中に一際目立つお洒落なルックスの釣り人が1人。7月6日放送の民放某局の釣り番組に出演をしたばかりの稲垣さんだ。40代と思われるが、その年齢を感じさせない金髪のイケメン。お洒落に無頓着なオジさんが多い(失礼)かかり釣りの現場にも「こんな男性がいるんだな」と素直に感じた。スタイリッシュな格好について聞くと、「クロダイ釣りに、少しでも若い子や女性に興味をもって貰うためです。見た目が格好悪かったり、清潔感がなかったりすると、それだけでクロダイ釣りの話をしても興味をもって貰えなくなってしまうんです。だから人前に立つ時は、この釣りに興味を持ってもらえるようにルックスにも気をつけています」と稲垣さん。

1万円の竿にダンゴ釣り専用リールで挑む

午前6時、定刻に河岸払い。納本学店主が、ここ数日釣果がいい好ポイントへと曳き舟していく。最初にロープを離したのが巴川河口エリア。水深があり、数・型ともに実績のあるポイントだ。稲垣さんと私を乗せた舟は貯木場へ入って右側のブロックに舫った。まずは実売価格約1万円の竿にリールをセット。ラインはフロロ通し1.5号、100m。ハリはチヌ3号。ガン玉はかかり釣りで使う着脱可能なB、3B、0.5号の3種類を揃えておく。ベース材は船宿で用意してもらえるオカラと砂利を交ぜたバケツ1杯と『名人ブレンド』1袋、『強力チヌにんにく』1袋、『チヌジャック集魚』1袋を用意。それをこの順番にバッカンに全て開けてオカラの玉になった部分を手で潰しながら上の部分を交ぜていく。色と素材ムラが無くなったところでバッカンの底からオカラと砂利を持ち上げるように全体を交ぜていく。均等に交ざったところで海水を1L入れる。そして底から再び交ぜて撹拌したらダンゴ餌の出来上がりだ。

 

既製概念を覆すダンゴ投入方法!ダンゴは高く投げ入れわざと音を出す!

ある程度交ぜ終わったら、実際にダンゴを作ってみよう。ダンゴは水深1mに応じて1回握るようにする。「ここのポイントは5mなので5回握ります。ボラなどの“餌取り”が多い時には、その時々に応じて7回、10回など握る回数を増やしていきましょう」(稲垣さん)。そして、数個ダンゴを手早く握ると突然“ドボン”っと海面で飛沫がたつようにダンゴを高々と投げて入れ始めた。今までは、クロダイのダンゴ釣りは柄杓などを使い“そ~っ”と人の気配をクロダイに気付かれぬように入れるのがベストな選択だと思っていたので、「それだと逃げませんか?」と聞いてみた。すると、「実際そう思い込んでいる人は凄く多いです。しかし、僕の考えはですね、この釣りは“飼い付け”の釣りだと思っています。毎日のように釣り人がこのポイントに入ってダンゴを入れているわけです。魚達もそれが毎日の事なので学習しています。そのため“飼い付け”の魚達に餌がこれから落ちてくるよ-と音を立てる事によって魚が舟に集まってくるようになるわけです」。稲垣さん曰く、『ふじや釣舟店』店主が操船する船の動力音にも魚が集まってくるので、お昼の店主の弁当の配達なども食い渋り時にはチャンスなのだとか。

ダンゴをいくら撒いてもステージなど出来上がらない!?
「成る程、ダンゴを撒く時に音を立てれば自分の舟の近くに魚も寄って海底にダンゴが積み上がりステージが出来あがるわけですね」と、相槌を打つと、「違います。これだけフグなどの餌取りが多い場所ではステージは出来ないんです。これだけダンゴを撒いたので確かに海底ではダンゴが残っているように思うのですが、実は私の考え方は全く違います。餌取りの多い場所ではステージなど出来ません」。これを聞いて混乱した。それは今まで『ふじや釣舟店』で解説をして下さった方々がステージを作る事を話していた事が多かったからだ。稲垣さんに深堀して聞くと、清水港で潜ってクロダイの動きを見た事はないのだが、ホームグラウンドである三重県の筏でダイビングをして、その上からダンゴを撒いてステージが出来上がるのかを幾度となく見た事があるそうだ。その結果、水温が高くなり餌取りの活性が高くなるこの時期、ダンゴは投入後にそのほとんどが魚に食われてなくなっているため、ステージは出来ないと言う結論に達したのだとか。それでは何故ダンゴを数個も最初に打つのかを聞くと、「ダンゴを投入する事で底に落ちるまでの海中に煙幕が出来ます。その煙幕で魚を寄せられる。そのためにダンゴを投入するのです。ある意味それもステージと言えるわけです。」との事。

ダンゴの投入音が効いた!?午前中に連発!

稲垣さんは巴川方面に向いて竿を出した。「この釣り座では、沖から手前へさす潮ではなく、手前から向こうへ払い出す潮が良いですね。今は沖から手前へさす潮で、更に二枚潮になっていて表層の潮だけ動いているため表層の潮にラインが押されてダンゴから出た餌が浮かないようにガン玉を打っています」(稲垣さん)。付け餌は“餌取り”のフグを交わせるコーンやサナギをメインとして使う。すると、午前7時30分、27cmのクロダイがヒット!「これ、食う気がなくて食ってますね。サナギでヒットしました。今のはフグの前アタリがあって、途中から重みのあるアタリにかわっていったので、フグの近くにいたクロダイが思わず食ったんでしょうね」と稲垣さん。この1匹をきっかけに2時間足らずで45cmを頭に5匹のクロダイをヒットさせた。45cmのクロダイとのやり取りはとても1万円で買える竿だとは思えない胴からの曲りを魅せてくれているので動画をごらん頂きたい。正午からは3匹のクロダイを追釣し午後3時納竿となった。

今年の夏は、清水港・クロダイかかり釣りデビューに最適!

今回は稲垣さんの釣りをご紹介したが、この日の竿は実売価格1万円、リールも1万円以内で購入できるものもいくつもある。配合餌は『ふじや釣舟店』で購入できるオカラのベース餌と少々の配合餌で十分楽しめる。今年は夏になっても清水港のクロダイは釣れ続いており絶好調だ。初心者のデビューにはこの上ない好条件の年となっている。この夏は『ふじや釣舟店』でクロダイのかかり釣りにチャレンジしてみては如何だろう。

今回利用した釣り船

静岡県 清水港(巴川) 『ふじや釣舟店』
〒424-0949 静岡県静岡市清水区本町5番1号
TEL:054-352-1704
定休日:不定休のため要TEL確認 釣果・施設情報 ふじや釣舟店 ホームページ

出船データ

1人:1万2千円
集魚材は各種別売り(各自持参も可)
氷:販売有り
午前5時半集合、6時出船、15時最終迎え
     
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