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【幻の魚じゃないの!?】今季の田子の浦沖はシロアマダイ・パラダイス♪静岡県田子の浦港『鶴丸』

2024年02月07日公開

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冬の人気ターゲット「アマダイ」。沖釣りの対象魚は童謡「チューリップ」の如く赤・白・黄色(アカアマダイ・シロアマダイ・キアマダイ)の3種がいて、中でもシロアマダイは食味に定評があり「幻の」と喧伝されるほど珍重され、市場でも高値で取引されている。そんなシロアマダイの、しかも良型が釣れているとのウワサを聞き付け、静岡県は田子の浦港『鶴丸』を訪ねた。

意外と近いぞ“田子の浦港”!

『鶴丸』が発着する田子の浦港は、東名高速道路・富士ICから車で15分ほどと好アクセスで、都心からでも2時間ちょっとで到着する。文末枠内の「詳細情報」に乗船場所と駐車場所がマークされた地図があるが、カーナビには港への入口(富士ICから向かうと左折)の目印となる「田子の浦ボートヤード(静岡県富士市前田888-72)」を入力すると分かり易い。初めての際はMapサイト等のストリートビューで確認するのがお薦め。

海へ向かって左へカーブするスロープから港へ降りて道なりに進み、河川に突き当たるちょっと手前、車道へ上がる階段付近が乗船場所となる。『鶴丸』と書かれた乗船用ステップがあるので目印になる筈だ。取材日の集合時間は午前6時。釣り座は予約順に船長から割り振られる。乗船場所の目の前に駐車できるので荷物の積み降ろしはすこぶる快適。出船準備は滞り無く整い『鶴丸』は朝焼けの海へと出船した。

どうしてこんなにシロアマダイが!?

穏やかな海を走ること30分程で田子の浦沖の釣り場へ到着。船長の「じゃ、この辺からちょっとやってみます。ハイどーぞー!」の合図で投入開始。水深は75mから徐々に駆け上がる地形だ。程なくして竿を曲げたのは右舷ミヨシの大坪さん。小気味よいファイトで取り込まれたのは良型のカイワリ。続いてマハタ、イトヨリ…と美味しいゲストフィッシュが次々取り込まれていく。

私も竿を出してみると、竿先がモタレるような微かな魚信。聴き上げるようにアワセると竿先が入るのみだったが、数m手巻きで巻き上げるとゴンゴン! と頭を振り始め、海面を割ったのは小さいながらも“本命”のシロアマダイ。ゲストフィッシュたちのように明確なアタリが出ないことを共有したところ、ポツリポツリではあるが手の合う釣り師からアマダイが取り込まれた。

そして、船中全員がアマダイをゲットした10時過ぎ、左舷胴の間の私の竿に45cm、1kg弱のシロアマダイが。程なくして右舷ミヨシの大坪さんに同サイズが取り込まれ、船中の期待はますます高まった。

 

美味しい“ゲストフィッシュ”図鑑

シロアマダイがこれだけ釣れてくれれば文句は無いのだが、それ以外に釣れてくる魚もこの釣りの魅力のひとつ。この日、船中最初の魚となったカイワリは刺身にすると非常に美味しい魚で、数は出ないが専門に狙う釣師もいるほど。また色彩豊かなイトヨリダイは皮目に旨みがあるので“まーす煮”や刺身なら“皮霜造り”がお薦め。マハタやアオハタなどのハタ類やカサゴ類などの根魚は何にしても美味しい。体表のヌルやウロコを丁寧に取り除くのが美味しく食べるコツ。

カナガシラやトラギス、ガンゾウビラメは小さくて下処理が面倒に感じるかも知れないが、低温のお湯と少量の酒で茹で上げる“湯煮”にすると美味。小さなアマダイが釣れた時なども、リリースしたとて水圧変化の影響で死んでしまうので、大切に食べて供養したい。簡単調理で実に美味しい“湯煮”について、詳しくは釣りビジョンの『オトコの釣りメシ』という番組(アマダイ編)で紹介されているのでご参考まで。

⇒魚の伝道師、ウエカツこと上田勝彦さんによる究極のアマダイ料理は釣りビジョンVODの『オトコの釣りメシ』をチェック!

船長に訊くアマダイ釣りのコツ

「今年はシロアマダイがすごく多いんですよね」と言う鶴牧謙二船長に、アマダイ釣りのコツを尋ねた。

──ビギナーにアドバイスするとしたら?
船長「大変ですけど、手返し。底取りと、付け餌の交換をマメにやった方が良いですね。知らず知らずに小っちゃい魚にエサを取られて、そのままやってるとアマダイは本当に釣れないんですよ。逆にタナが合ってる人は、魚が釣れてすぐにエサを交換するから、それが良い循環になる。仕掛けを引き摺っちゃうと、もうアタリは取れなくなるじゃないですか。だから結構忙しい釣りだと思うんですよね。釣る人はエサが底から50cmとか、相当細かいタナ取りで釣っています」

──昨今話題の“特エサ”はいかがですか?
船長「特エサはね、イソメとかホタルイカとか持って来る人は居ますけど……オキアミはエサ交換をマメにやらないといけないし、エサ持ちは悪いですよね。でもそのぐらいで良いと思います。付けエサを確認して、交換して。マメな人が釣ります。竿頭になる人のエサはオキアミでしたよ(笑)」

マメなタナの取り直しと、仕掛けを頻繁に上げ下げしてエサのチェックと交換をするのはアマダイ釣りの基本。これを乱さず一日忠実に守り続けるのが、この釣りの極意と言ったところか。アマダイに限ったことではないが、釣りに近道が無いことを改めて痛感する。

この日の釣果は全てシロアマダイ、行くなら今!

かくして、この日の竿頭は1kg弱を頭にシロアマダイ5匹を釣った大坪さん。アマダイのボウズは船中ナシ。みなさん本命3匹前後に加え、様々な美味しいゲストフィッシュをお土産に笑顔の沖上がりとなった。

「デカアマ出ませんでしたね」と船長は苦笑いだったが、釣れるアマダイに大小はあるものの、ことごとくシロアマダイであることは特筆で、写真が撮れただけでも有り難がっていた私には衝撃の釣果。

今季最大は3.1kgのシロアマダイを上げている『鶴丸』。取材後にはアカアマダイも復調してさらに釣果を伸ばしている。シロアマダイの最高の食味を体験したいみなさん、この好機を逃さず、北東風のシケにも強い田子の浦へ是非お出掛け頂きたい。

今回利用した釣り船

静岡県 田子の浦港 『鶴丸』
〒419-0201 静岡県富士市厚原894-11
TEL:090-1629-3680 釣果・施設情報 『田子の浦港 鶴丸』ブログ

出船データ

朝アマダイ乗合
料金:午前船1万1千円(エサ・氷付き)
出船:6時集合、準備出来次第6時30分頃出船
定休日:なし
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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