釣りビジョン

2015.4.15号

石倉渡船・三重県紀伊長島
三重県・紀伊長島沖、ヤエンで狙う春のアオリイカ!

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春の訪れとともに産卵のため藻場に近づくアオリイカ。特に大型が狙えるというこの季節はファンにとってはたまらないシーズン。三重県・紀伊長島『石倉渡船』では、昨年同時期に“ヤエン釣り”で大型が上がっているとの情報を仕入れ、4月6日(月)に出掛けてみた。

予報悪く、釣り人は数組

前日、レンタルボートの時間を確認すると、午前6時からということで、自宅のある大阪を午前1時頃出発した。知人との待ち合わせ時間よりも少し早く5時頃港に着くと、石倉一徳船長が笑顔で迎えてくれた。「レンタルボートは6時以降になりますのでゆっくり準備して下さい」と優しい対応。『石倉渡船』では、レンタルボートのほかに、カセ釣りや磯釣りも楽しめる。当日は天気予報が悪く、キャンセルが相次ぎ、我々以外にレンタルボートの釣り人は数組だった。準備が整ったところで、船長にポイントの入った地図を頂き、いざ出発。
この日のレンタルボートは、9.9馬力の船外機付き(要免許)。勿論、手漕ぎボートもあるので、免許のない方でも十分楽しめる。船長お勧めのポイントを目指し、ボートを進めた。

入口にある案内看板
受付はこちらで
優しい笑顔の石倉一徳船長

レンタルボートの乗り場はこちら
船外機付きレンタルボート
手漕ぎレンタルボート

ポイントの入った地図
いざ出船!
仕掛け図

ヤエン釣りとは?

まずは、ヤエン釣りの手順を説明しよう。
①餌の活きアジを付けて投入。
②リールのドラグを出し、アジを抱いてラインが走るアタリが出る。
③少し待ち、ゆっくりリールを巻いて寄せて来る。
④ヤエンという掛けをラインに滑らせ投入。
⑤ヤエンがしっかり掛かれば一安心、バレないようゆっくり取り込む。
ヤエンが掛かるまでのドキドキがたまらない。実にスリリングな釣りだ。

ポイントも大切?!

今回は竿を2本用意しアタリを待つ。これまでの経験では、2本の竿を用意すると、“時合”のときに両方の竿にアタリがあり、「二兎追うものは一兎をも得ず」になる事も多かった。今回はどのような状況になるのか、期待に胸が膨らむ。しかし竿を出して1時間ほど経過したが、アタリはなし。その後、何ヵ所かポイントを替えてみたが効果なし。暫くすると船長が様子を見に来てくれた。「釣れた?」と船長。首を横に振ると、「ここよりもう少し中のほうが良いよ」との事。素直に移動した。

竿は2本使用
クラッチ搭載、専用リールを使用
エサは活きアジ

アジに掛けるハリ
ヤエンを数種用意

好ポイントで“時合”が来た!!

船長のアドバイス通りポイントを移動すると、何と1投目からアタリ!ジジジーッというリールのドラグ音が鳴り響いた。アオリイカがアジを抱いて引っ張って行く。ヤエン釣りは、このドラグ音が堪らない。ドラグ音が止まりイカがアジを夢中に食べている間、ドキドキしながら3~5分待つ。ここで、竿を持ちイカの様子を伺う。そしてそのまま、ゆっくりとイカを寄せてくる。その時、2本目の竿にもアタリ!しかし、こんな時は、初めにアタリのあった竿に集中する。ある程度ラインを巻き取りヤエン投入。久しぶりのヤエン釣り、恐る恐る寄せてきたが、ヤエンがしっかり掛からないままバラしてしまった。ショックは大きい。とりあえず回収してみると、アジの頭はなくなっていた。「ええ感じで食べてるのにー!なんで離したんや~?」など頭の中は千々に乱れる。
続いてアタリのあった2本目の竿を持ち様子を伺う。先程のイカより大きそうだ。少し寄せたところでまたアジを離されてしまう。こんな時は、少し待つとアジを抱きなおすこともある。予想通り、少し待つと抱き直してくれた。なぜか抱き直すイカはその場でアジを食べることが多く、ドラグはあまり出ない。少し寄せてヤエンを投入。だが、1回目と同様に恐る恐る寄せてくるも失敗。悔しさで一杯だ。防波堤や磯からのヤエン釣りだとイカにヤエンが到達するのが分かるのだが、揺れるボートからでは少々分かりにくい。「二兎追うものは一兎をも得ず」。過去の苦い経験を再び味わうことになってしまった。

美味しいところだけ食べられている
船長オススメポイントへ移動
下げ潮で現れた岩場

3度目の正直!

諦めずに再びアジを投入。3度目のアタリが来た。少しポイント移動しただけでこんなにアタリが多いのか?先程までが?のようだ。少し長めに待ってから寄せて来る。大きくはなさそう。「500g位かな?」と思いながら寄せてくる。今度こそバラすまいと、かなり近くまで寄せてからヤエンを入れた。さぁ、ここからが勝負。ラインを張ったり緩めたりすると、アオリイカの近くでヤエンが行ったり来たりする。今回はしっかり掛かった感触が伝わって来た。無事に取り込み、アオリイカGET。大型ではないが、貴重な1杯にほっと胸をなでおろした。 その後もアタリは続いたが、アジは食べられているがヤエンを投入すると離されたり、アジを少しかじり、寄せて来る間に離されたり、ヒットに持ち込めないまま“時合”終了。アタリもなくなり少し早めの午後1時に終了とした。
数多くのアタリがありながら1杯のみの釣果となったが、久しぶりのヤエン釣り、独特のドキドキ感やスリリングなやり取りが楽しめた。

目測500gくらいでしょうか?
悔しい!かじられただけ!
こちらも食い逃げされる

5~6月がピーク?

「今年のアオリイカは去年と比べて少し遅く、海藻の育ちもまだまだ。海水温の上昇とともに、これから段々よくなってくるだろう。おそらく5~6月頃にピークが来るのではないか」と、石倉一徳船長。
これから大型のアオリイカが期待できるボートからのヤエン釣り、是非挑戦してみては如何だろう。

受付前で記念撮影
終盤のカマス狙いの釣果
親子で根魚狙い

おじいちゃんと一緒に
ボクも大きいの釣ったよ!

(釣りビジョンAPC・足立 雅史)

今回利用した釣り船
三重県紀伊長島『石倉渡船』
〒519-3204
三重県北牟婁郡紀北町紀伊長島区東長島
TEL:0597-47-0712
(交通)
大阪方面からは西名阪自動車道~伊勢自動車道~紀勢自動車道・紀伊長島から約3分で港へ。
名古屋方面からは東名阪自動車道~伊勢自動車道~紀勢自動車道・紀伊長島~港へ。
詳細情報(釣りビジョン)
石倉渡船ホームページ
出船データ
(料金)
レンタルボート:手漕ぎボート4,000円(保険料1人200円)。
船外機付きボート9.9馬力1万1,000円~40馬力2万4,000円まで各タイプ有り(保険料1人500円)。
詳細は船宿のHP参照。無料仮眠所有り。無料仮眠所・休憩所・シャワー・女子更衣室有り。
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