事前の問い合わせで、受付は5時30分～6時とのこと。葉山あぶずり港には余裕を持って5時頃に到着した。駐車場に入ると駐車場のスタッフから「どちらの船宿？」と聞かれ、「たいぞう丸のマルイカ・ムギイカです」と答える。スタッフの指示で右側の列の1番奥に頭から駐車した。

5時30分に船宿事務所棟の『たいぞう丸』受付に行くと、すでに数名が並んで受付が行われていた。ここで釣り座を決めて、乗船代を支払い、必要なら仕掛けを購入する。乗船名簿に関して、以前は手書きだったが、今はスマホでQRコードを読み込み入力する方式になっている。

車に戻り、荷物をまとめて船溜り前の漁協の売店で氷を購入（バケツ山盛り1杯300円）。『第二十三たいぞう丸』に乗り込むと釣り座には投入機と海水桶、イカを掬うザルが用意されていた。

このところ狙っている水深は50～70mとのこと。使用するオモリは50号。しかし、これは夏に向けてどんどん浅くなるし、オモリも軽くなって行くので随時ご確認を。仕掛けは、乗り合わせた釣り人の多くが小さめのスッテと11cmのプラヅノを組み合わせて使用していた。聞いてみると、ムギイカはプラヅノに良く乗るからだと言う。

また、今回の取材でお世話になった『第二十三たいぞう丸』山本真一船長からも貴重なアドバイスがあった。「アタリが微妙なこの釣りではスッテやプラヅノは4、5本で十分、多いとアタリが取り切れない。少ないカンナ数でも手返し良く釣れば結果はより良くなる」とのことである。

『第二十三たいぞう丸』は、7時頃港を出ると南へと向かった。航程20分程で釣り場の亀城根に到着。

「はいどうぞ。水深60m。底から5m位まで反応が出ています」

山本真一船長のアナウンスで皆、オモリチョイ投げで仕掛けを投入。投入器からスッテが順序よく跳び出し、海中へと沈んでいった。大抵の釣り人がまだ着底を待っていると言うのに、左右のミヨシ（船首）のエキスパートな釣り人はもう釣っている。

イカはいち早く着底した仕掛けに乗りやすい傾向がある。オモリが着底したらカワハギの〝叩き釣り〟のように竿を小刻みに上下に振るわせ、ピタリと止め、アワセを入れる。早速、左右のミヨシのエキスパートな釣り人がムギイカのダブル・ヒットだ！しかも、左の釣り人は5点掛け！左舷ミヨシ2番でもダブル・ゲット！素晴らしいスタートとなった！

記者も竿を出してみた。多くの釣り人が事も無げに釣り上げる姿を見て自分も同様に釣れると思った。が、シャクっても乗らないしイカが小さくて乗ったかどうかわからない？そう甘くはなかった。そこで右舷ミヨシのエキスパートに釣り方を聞いてみた。

「仕掛けが直ブラでしたら、下ろす時にサミングしてみてください。結構ムギイカがスッテに触るのがわかると思います。着底を待たずにイカが乗ったらそのまま巻き上げればいいし、着底したら叩かないで即合わせてみてください。イカが乗ったら最初の10m位はゆっくり巻くと追い乗りしやすいです」

やってみたら何と早速釣れた！サミングにはムギイカの注意を引く効果があるようだ。

結果、取材日は100％ムギイカでマルイカは交じらなかった。ムギイカのサイズは13～20cm、数は6～86杯（竿頭は八王子市の杉本さん）！2番73杯（横須賀市の野田さん）！3番67杯（横浜市の高城さん）！記者も中盤以降エキスパートのレクチャーのおかげで順調に数を伸ばして19杯ゲット！別船の『第二十一たいぞう丸』（河村丈志船長）も竿頭92杯！と、この日出船した2隻とも絶好調だった！

山本船長にこれからについて聞いてみた。
山本船長「ムギイカは今は絶好調に釣れています。いい日にはトップ100匹以上です！が、ご存知の通りムギイカは初夏の〝風物詩〟的な短期間勝負の釣り物です。ムギイカを釣りたい人は今です！チャレンジお待ちしています。もちろん、マルイカも今後も絶賛狙っていきますよ。これからは浅場での数釣りのシーズンになります。例年、8月頃まで出船します。是非遊びに来てください」