2025年06月10日公開

例年、伊豆半島の渡船夜釣りは5月中旬から開始となる。ということで、磯釣り倶楽部のメンバーと2人で、静岡県は西伊豆田子へ。今回はシーズン初の夜釣りとなる。5月上旬には伊豆半島全体に小鯖󠄀が湧きまくり、昼は釣りにならない状況であった。まだまだ小鯖󠄀は元気いっぱいの様子だが、「夜釣りなら何かイイ魚が釣れるかな?」と期待し、港からほど近い「赤島」の磯へ。大型フエフキダイやシブダイの実績が高い場所であるため、ワクワクしながら準備を開始した!
明るいうちは小鯖󠄀の洗礼を受ける
今回は、シーズン初の磯夜釣り。クラブメンバーの竹中さんと2人で、静岡県は西伊豆田子を目指す。この日は16時過ぎに港を出て、暗くなるまでの19時くらいまでは、絶賛習得中のロングハリス仕掛けでチャレンジすることに。今回は新作ウキの「ピエロ 00」のテストも兼ねていたのだが、遠投時にウキを見失うことがあるため、色の変化に気づきやすくするために2色の縦縞カラーを採用している。
日中のタックルは以下の組み合わせ。
■ロッド:磯竿1.5号
■リール:3000番
■道糸:PE 0.8号
■リーダー:ナイロンリーダー2.5号を5m
■ハリス:フロロカーボンハリス2号を10m
■針:7号
■ウキ:「ピエロ 00」
足元にコマセを巻くと小鯖󠄀がとてつもなく群がってくる。可能な限り遠投して仕掛けを張って待っていると付けエサに「ツンツン」とちょっかいを出してくるが、アワセを入れなければあまり針がかりはしない。それでも中には針がかりしてくる小鯖󠄀もいるため、なかなか思い通りの釣りにならなかった。竹中さんは沖の深場を狙うと言ってカゴ仕掛けで小鯖󠄀からの回避を狙っていたが、それでもたまに釣れてくるのは小鯖󠄀だけの様子だった。
30分くらい経ったところで「こりゃダメだ」とフカセ釣りを諦め、磯バックの中に入れておいたトリックサビキ仕掛けに変更した。夜釣りで大物を狙うためのエサとして小鯖󠄀を確保することに。足元にコマセを打って、トリックサビキを空針のまま放り込むと、鈴なりで小鯖󠄀が釣れてくる。1匹掛かると針がブルブルと振れてその動きに小鯖󠄀が反応するようだ。これはこれで面白い!夢中になって釣っているとあっという間に50匹くらい釣れたので、昼の部は終了し夜の準備をすることにした。
底潮が冷たく、魚の反応なし
夜釣りのタックルは以下となる。
■ロッド:磯竿2.2号
■リール:4000番
■道糸:PE1.5号
■リーダー:ナイロンリーダー6号を5ヒロ(1ヒロは約1.5m)
■ハリス:フロロカーボンハリス8号を1ヒロ半
■針:夜光真鯛針10号
■ウキ:電気ウキ 「ウキくん NIGHT 00」
コマセはオキアミ3kg、アミエビ3kg、パン粉2kg、ヌカ3kgにイワシの粉末を追加。夜釣りは匂いの強いエサが有効であるため、オキアミにイワシの粉末を混ぜたものを基本とし、夜釣りの特効エサである丸エビ、夜のフィッシュイーターも想定してイワシの切り身なども準備した。「赤島」は全体的に水深が浅いので、タナ2ヒロ半のところにウキ留めを付けてスタートした。
潮は緩やかな上り潮で、明るいうちと同じ様子であったが、心配していた小鯖󠄀はいなくなったようだ。まずはオキアミを付けエサにして20mくらい沖を中心に攻めてみるも魚からの反応がまったくない。そこで明るいうちに釣った小鯖󠄀をぶつ切りにしてコマセとし、付けエサも小鯖󠄀の切り身に変更してみた。ゆっくりと沈んでいた電気ウキのスピードが一瞬早くなったが、早アワセは禁物としばらく待ってみたが、ウキのスピードが上がらない。半信半疑でアワセを入れてみると、この夜最初の魚がヒット。しかし重たいだけで引きがまったく感じられない。嫌な予感は的中し、上がってきたのは1m近いウツボだった。
この日は戻ってくる付けエサが冷たく、本命のシブダイはほとんど期待できない状態だったので、付けエサをオキアミに戻して困った時の磯際狙いに変更した。根掛かり覚悟で磯際ギリギリを攻めてみるが電気ウキの光が見なくなるまでまったく反応なし。仕掛けを回収したタイミングでたまたま釣れたのはアカハタだった。「アカハタが釣れるようじゃ、海底まで何もいないよー。」と嘆くしかなかった。
下り潮に変わり状況が一変!
アカハタが釣れてからも魚からの反応がまったく無いため、様子見で沖側の釣り座でやってみたがこれまた無反応。30分程度で元の釣り座に戻ってみると、カゴ釣りを継続していた竹中さんがイサキを1匹釣っていた。魚の活性が低いので、カゴ釣りのように一定のタナに付けエサを漂わせたほうが良いだろうと、仕掛けを変更することに。ウキを2号に変更し、海底から1ヒロ位を狙うイメージでタナを調整した。
時刻が23時を迎えたところで、上り潮から下り潮に変わった。粘り強く磯際を狙っていると、ウキが一瞬入ったが再び戻ってきてしまった。回収した付けエサを確認すると、オキアミが「クシャ」っと潰れており、明らかにエサ取りとは異なる魚が触った様子だった。「針を嫌っているのかな?」と思い、尾長針の8号に変更した。針を変更して1投目、コマセを3杯打ったあと1分くらい経過したので追いコマセを打つと、電気ウキが「ブシューッ」と凄まじい勢いで消し込んだ。すかさずアワセを入れると、ドラグが鳴るほど引きが強い。仕掛けは太いのでやや強引に磯際から剥がすと、良型のメジナを確認できた。無事にタも入れしたのは46cmのぼってりした口太だった。
「やっと時合いが来たかな?」と竹中さんと話をしたが、その後1時間はまたアタリがなくなってしまった。そこで狙いを10m沖に変更し、緩やかな下り潮に仕掛けを流していると、電気ウキを抑え込む小さなアタリがあった。電気ウキが沈むのをじっと待っていると、「スーッ」と綺麗にウキが入った。慌てずにアワセを入れるとイサキ独特の引きを見せる。上がってきたのは35cm弱の腹パンイサキだった。これを見た竹中さんは「よーし、フカセに変更だー!」とカゴ釣仕掛けからフカセ仕掛けに変更した。
その後、2人して同じポイントを狙うと、これまでの不調が嘘かのようにイサキのアタリが出始めた。潮下の竹中さんはイサキの好ポイントを見つけたようで、飽きない程度にイサキを釣り上げている。一方、潮上の私にはアタリが少ないため再び磯際を狙っていると、またしても電気ウキを一瞬で消し込む鋭いアタリが。引きは先ほどのメジナと同じくらいの強さなので「またメジナを釣っちゃったかな?」と思っていると、海面に白っぽい魚体が見えた。一瞬クロダイかと思ったが、収まったタモの中を確認すると良型のヘダイであった。
この日の満潮である3時過ぎまで2人で頑張った結果、竹中さんはイサキ9匹とヘダイ1匹、私はイサキ4匹とメジナ・ヘダイを各1匹と、夜釣りとしては寂しい釣果となったが、今シーズン初の夜釣りを楽しむことができた。
次回は大型魚を期待して!
港へ戻り「三本」の磯へ上がっていた3人組の釣果を聞くと「イサキの入れポンだった」との事で見事にクーラー満タンであった。イサキは潮に素直な魚であるため、「三本」近辺の沖磯は良い潮に恵まれたようだ。これから季節が進み、気温も海水温も上がってくると、フエフキダイ・シブダイ等のフィッシュイーターが楽しい釣りを演出してくれるはずだ。9月中旬まではモンスター級の大型魚との格闘を夢見て、また夜釣りに出かけたい!
この記事を書いたライター
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