釣りビジョン

2016.1.15号

伊藤遊船・千葉県江戸川放水路・行徳
東京湾、冬の風物詩。千葉県・行徳沖マコガレイ好スタート

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b 季節外れのポカポカ陽気の年末年始から一転、急に寒さが厳しくなった。それと同時に東京湾の冬の風物詩とも言える千葉県・行徳沖のマコガレイが連日好調に釣れ出した。江戸川放水路・行徳『伊藤遊船』から乗合船に乗った。

アクセスが非常に便利

「マコガレイ」のノボリが釣り客を迎えてくれる
『伊藤遊船』は、車なら京葉道路・市川ICから10分弱、電車ならば東京メトロ東西線・妙典駅を下車して徒歩7、8分と非常にアクセスがいい。私の自宅がある川崎からでも車で午前5時過ぎに出発すれば6時半の午前船の集合時間に十分間に合う。当日は6時に到着したが、既にその時点で出船を待ちきれない釣り人で込み合っていた。さらに6時20分を過ぎると多くの電車組の釣り人が到着、マコガレイ釣りの人気の高さに驚いた。

午前6時半の集合時間には行列も
緑のカラーが目を引く『伊藤遊船』の船
伊藤遊船受付

干潮時には“本船”にボートで移動

この日は満潮の時間と出船時刻が近かったこともあり、桟橋からの乗船だったが、干潮時には沖に停泊している“本船”にボートで移動となる。これを楽しみにしていた私は少し残念。さて、準備を済ませ、船は右舷に6人、左舷に7人の計13人を乗せ、吉田正己船長操船で7時15分に舫が解かれた。
この日の釣り場は航程20分程の行徳沖。周りには東京スカイツリー、新浦安のマンション群、幕張の高層ビル群やマリンスタジアムを臨め、まさに江戸前の釣りという感じ。釣り場に到着すると遊漁船に交じって多くのプレジャーボートもおり大混雑。最近の好調さを計り知ることが出来る大船団が形成されていた。

船からは東京スカイツリーも見ることが出来る
東には幕張高層ビル群やマリンスタジアムも
遊漁船とプレジャーボートの大船団

喧騒を忘れて静寂を楽しむ

最初の1投は水深6m。釣りの楽しみにも色々ある。試行錯誤で誘いを繰り返しパターンを探る動の釣りから、じっと魚のアタリを待ち構える静の釣り。マコガレイ釣りは後者の典型だ。1人3、4本の竿を持ち込み、餌を投入した後は思い思いの楽しみにふける。仲間や周りの釣り人と談笑する人、じっと物思いにふける人、スマートフォンに興じる人、そしてこの日はいらっしゃらなかったが、読書する人など様々だ。都会の喧騒を忘れさせてくれる実にのんびりとした時間が流れ、風情のある釣りである。

   

餌の付け方や釣り方を船長がレクチャー
2本、3本の置き竿は当たり前
餌はアオイソメを3匹たっぷりと。最初の1匹は頭からチョン掛けし、あとの2匹は房掛けに

待ち、待ち、そして待ち
仕掛け図

ピクピクの後にゴンゴン!!!

のんびりとした時間を過ごすこと約2時間。沈黙を破る大きな歓声とともに最初のアタリが左舷の友人グループ3人で来た石金さんに訪れた。水深6mと浅いこともあり、アッという間ではあったが、十分に引きを楽しみ、上がって来たのはなんと44.5cmの大型カレイ。いわゆる“座布団ガレイ”だ。石金さんは初めてのカレイ釣りだそうで、思わぬ大物に大喜び。竿先がピクピクとなったので触ったらゴンゴン!に変わったそうである。周りの友人と共に狂喜乱舞。これが開始のゴングにでもなったのであろうか?ポツポツとカレイが口を使いだした。続いて10時前に私の竿にも異変が…。重くなるのを確認してから上げたのは34cm。続いて10分に1匹程度の間隔で22cmから34cmのカレイが計8匹。
最近の好釣果を考えると、吉田船長としては今一つ不満ではあったようだが、サイズも半数が30cmを超え、十分楽しんで午前船の釣りが終了した。

この日最初の1匹が44.5㎝の“座布団ガレイ”。カレイ初挑戦の石金さん
34㎝が私にも
デカイでしょ!

中島さん
中田さん
越さん

午前船、午後船、通し船と選択可能

沖の“本船”までは“渡しボート”で移動
『伊藤遊船』では、午前船と午後船とが出ているほか、朝から夕方まで通しで楽しむことが出来る“通し船”もある。午前11時30分に午前船は沖上がりとなり、船着き場へ戻った。その時は潮も引いており、期待していた沖渡し船を利用することになった。陸で昼食を済ませた7人の“通し客”と新たに9人の釣り人を乗せて16人で“午後の部”がスタート。ポイントは午前と全く同じ行徳沖のポイントへ。

11歳の鈴木呂依君が40.5cm!

午後のスタートは11歳の鈴木呂依君の40.5cm
開始早々の1時15分に最初のアタリが来た。左舷ミヨシ(船首)に釣り座を構える鈴木さん親子。“午前船”ではお父さんに2匹のカレイを釣られて意気消沈しているように見えた呂依君(11歳)に午後最初のアタリが来た。お父さんとよく『伊藤遊船』にカレイ釣りに来るそうで、いつも1匹は釣り上げていると言う。もうすっかりベテランだ。慣れたやり取りで、上がって来たのはなんと40.5cm。この日2匹目の“大判”だ。さすがに持っている。控えめな喜びぶりからも釣って当たり前のオーラが出ていている。

夕マヅメにボツボツと

1時間の沈黙を破り(藤原さん)
“午前船”では最初の1匹からアタリが続いたが、午後はこの1匹で終了かと思わせるほどの静けさがその後続いた。海面は湖のように静かだ。陽気が良く、海も静か。なんとも気持ちがいいのがせめてもの救いだ。そんな時間を過ごすこと約1時間。時計が午後2時を過ぎたあたりからポツポツとではあるが、またアタリが出始めた。ただ午前のように連続することがないまま陽が傾きかけ、海面にはフッコやボラなどがジャンプし出してこの日は終了。

夕マヅメの1匹(島さん)
土肥さんも夕マヅメに1匹
沖上がり直前のラストチャンスに食わせた!(太田さん)

今後は“爆釣”の期待も!?

親切な指導をしてくれる吉田正己船長
このカレイ釣りは潮次第で“爆釣”に転じることもある。産卵を終えたカレイが荒食いを始める今後にかなり期待が持てるのではないだろうか。都会の街並みをバックに、喧騒を忘れて静かなのんびりとした時間を楽しむ。実にお勧めしたい釣りである。

(釣りビジョンAPC・丸岡 直樹)

今回利用した釣り船
千葉県江戸川放水路・行徳『伊藤遊船』
TEL:047-358-5774
詳細情報(釣りビジョン)
伊藤遊船ホームページ
出船データ
マコガレイ乗合
料金: 午前船及び午後船は5,940円(税込)(餌・氷付き)
    通し船は9,180円(税込)(餌・氷付き)
出船: 午前船7時00分
    午後船12時30分
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