2025年07月19日公開

関東地方が梅雨入りを迎えた6月中旬、年3回のペースで開催している「湘南爆釣族 まるやま倶楽部 磯釣り大会」は今回で18回目の開催を迎える。大会の場所に選んだのはいつもお世話になっている西伊豆雲見の「恵比須丸」だ。5月上旬から伊豆半島は小サバに囲まれ厳しい状況が続いていたようだが、大会前日に船長に確認の電話を入れたところ「小サバが多いので、釣った小サバを泳がせて根魚を狙うと面白い。」との事で、今大会は小サバの攻略がカギになりそうな状況である。大会ルールは「お持ち帰りする最大魚の重量勝負」で決する事とし、夜明けの5時を待って期待とともに出港した!
名礁「スズメ島」で勝負!
倶楽部メンバー各自の希望磯を選んでもらった結果、「スズメ島」が空いていたので約10年ぶりに渡礁することに。「スズメ島」は景勝地である「千貫門」の横に位置し、足元から15m程度の水深がある。潮通しも良いため、良型のメジナや大型真鯛、またシーズンにはイサキが入れ食いになることもある。6月中旬は良型の尾長メジナが狙える時期であるため、基本は尾長を狙いつつ、状況に応じて深棚で真鯛を狙えるタックルも準備した。
小サバを泳がせてエサにするも・・・
まずは尾長狙いのタックルを組んだ。
■竿:磯竿1.0号
■リール:3000番
■道糸:PE 0.6号
■リーダー:ナイロンリーダー2.25号を4ヒロ(1ヒロは約1.5m)
■ハリス:フロロカーボンハリス2号を2ヒロ強
■針:尾長針7号
■ウキ:ウキくん00
浅棚の尾長狙いのため、棚2ヒロ半のところに「なるほどウキ止め」を付けた半誘導仕掛けとし、完全フカセでスタートする。コマセはオキアミ3kg、アミエビ3kg、パン粉2kg、配合剤3kg、ヌカ1kg。アミエビはエサ取りを呼ぶとの意見もあるが、小サバを表層に留めるためにあえて使用する。また押し麦をたっぷりと加え、コマセの粒が少しでも小サバの層を突破するよう狙った。付けエサは日によってアタリハズレが異なるので、4種類のオキアミを準備した。
まずは様子見で足元にコマセを入れてみると、瞬く間に小サバが集まってきた。「とりあえず遠投でかわすか?」とコマセが届く範囲で遠投したが、どこに投げても小サバが群がってくる。Mサイズの生オキアミは瞬殺されるため、3Lサイズの加工オキアミを2つ付けてやってみる。エサは通りやすくなるが、それでも途中で「ツンツン」と小サバに悪戯され、最終的には小サバが喰いついてきた。
時間が経つにつれ小サバの絨毯が広がってきたため、「船長の言った通り、小サバを泳がせたほうが面白いかも?」とサビキで小サバを狙う事に。トリックサビキの近くにコマセを入れるといとも簡単に釣れてくる。夢中になってやっているとあっという間に50匹くらい釣れたが、「こんな事をしてる場合じゃない!」と泳がせの仕掛けに変更した。
沖に青物がいる気配はないので、磯際の水深10mくらいの棚で根魚か真鯛を狙ってみることに。しばらく小サバを泳がせていると仕掛けがピーンと貼ってきたので、竿先にアタリが出るまで待ってみるも、なかなか竿先が曲がらない。半信半疑に合わせを入れてみると、何やら魚がかかっている。重たいだけで引きが弱いので「ウツボでも食ったかな?」と思っていたが、海面に姿を現したのは巨大なイシガキフグであった。その後も泳がせを続けてみたが、別のイシガキフグがちょっかいを出してくるだけであったので、フカセ仕掛けに変更することにした。
磯際の「体感ショック」の中から貴重な1匹をゲット!
後半戦は深棚狙いのタックルに変更。
■竿:磯竿1.5号
■リール:3000番
■道糸:ナイロン 3号
■ハリス:フロロカーボンハリス2.5号を2ヒロ半
■針:尾長針8号
■ウキ:ウキ1号
棚は10mに設定し1号錘で小サバの層を突破する仕掛けを組んだ。しばらくこの仕掛けで試したが、エサが狙いの棚に届く前に小サバに邪魔をされてしまうので、針上50cmのところに2Bの錘を追加した。針にボイルオキアミを2~3個付け、足元に大量のコマセを打ち、遠投した仕掛けには1杯だけのコマセを打つと、ボイルオキアミの胴体が残ってくることを確認できた。「この方法だと何か釣れるかも?」と仕掛けを下り潮に流して待っていると、スプールから道糸が勢いよく放出された。合わせを入れると、イサキと分かる心地よい引きが手元に伝わってくる。慎重に抜き上げたのは30cm強の梅雨イサキであった。
イサキは釣り方が判れば連荘モードに持ち込める可能性が高いため、同じポイントに仕掛けを投入し、少ないコマセを狙いのポイントに打ち込む。時刻が10時を過ぎた頃、小サバの数が少し減ったこともあり、狙い通りイサキの連荘モードに突入した。7連荘を達成したところで上り潮に変わり、連荘モードは一旦終了したが、潮が動いているポイントを2か所ほど見極めて、小サバをかわすために交互に攻めてみると、ポツリポツリとイサキを拾い釣ることができた。「とりあえず10匹釣ったので、一発大物を狙ってみよう!」と、ここからは磯際一点集中の釣りに変更した。
根ズレを考慮してハリスも4号に変更した。まずは5mの棚から探ってみたが、釣れたのは可愛いサイズのブダイ。そこで10mの棚に変更し、コマセを大量に打って待っていると、ウキが凄まじい勢いで海中に引きずり込まれた。合わせを入れた瞬間に「ジーーーッ」とドラグ音が鳴りやまない。「頼むから切れないでー!」と魚が弱るのを待っていると、ようやく魚の動きが止まった。反撃開始と竿を思いっきり曲げて魚の体力を奪うが、磯際なので魚が抵抗する際は無理をせず、動きが止まった際は強気に引き寄せると、青い魚体が姿を見せた。「やっぱりアオブーかー!」とタモ入れしたのは50cm強の良型アオブダイだった。
その後も同様に磯際一点集中を繰り返すと、巨大なアオブダイやイスズミがウキを消し込んでくれる。磯際釣法はまさに「体感ショック」でスリリングな釣りの魅力がある。しかし魚がデカすぎで根ズレやハリス切れが連発し、取り込みできたのは先ほどのアオブダイとサンノジのみで、大会の対象魚にはまだ辿り着けなかった。
時刻が13時を迎え、帰りの支度を考えると残り時間は約45分。浅棚の尾長狙いに戻すか、このまま磯際を狙うか迷ったが、一発大物は磯際だろうと根気よく続けることに。この時点でも小サバはまだ元気だったので、針には相変わらずボイルオキアミを2個付けし、コマセもドカ撒きでウキに被せた。しばらく待っていると、これまでとは異なる様子でウキがゆっくりと沈み始めた。ウキのスピードに少し変化が見られたので合わせを入れてみると、竿が胴まで絞り込まれる。引きが素直なので「もしかしてメジナかも?」と期待をしながら反撃開始。時折根際に突っ込むので無理せず魚をコントローすると、紺色の魚体が見えてきた。「やった!口太だ!」と無事にタモ入れしたのは43cmの良型口太だった!この1匹で入賞は確実になったのでゆっくりと帰りの支度を始めた。
大会の結果は如何に!?
この日の釣果であるが、伊浜寄りの「長ッ崎」「小島」「シンヤ」は8時には小サバがいなくなり、イサキを中心に35cmまでのメジナなど多くの魚の引きを楽しむことができたようだ。一方で雲見寄りの「沖トンビ」「佐平場」は一日中大量の小サバに囲まれ大苦戦。小サバや小アジをエサにして、アカハタ・オオモンハタ・カサゴの根魚釣りが中心になったようだ。港に戻り計量を行った結果、第3位は「小島」に渡礁した久田さん(560g/口太)、第2位は「シンヤ」に渡礁した丸山会長(650g/口太)、第1位は私(1,210g/口太)で、なんと大会2連覇を達成し思い出に残る大会となった。
この時期の昼釣りは小サバの邪魔が気になるが、手を変え品を変え、仕掛けや投入方法などにバリエーションを持たせれば、何とか狙いの魚に辿り着けることが分かった。次回釣行からはまたしばらく夜釣りとなるが、真夏の熱帯夜でモンスタークラスを狙うべく、また磯に出かけたい!
この記事を書いたライター
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