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東京湾・カサゴのお手軽“時短”乗合、 釣果も味覚も大満足!神奈川県金沢八景『新修丸』

2025年09月08日公開

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東京湾のカサゴは裏切らない。船釣りの入門者でも必ず釣果が期待でき、やり込むほどに奥の深い釣り。スーパーや飲食店でもコンスタントには出回らない根魚の味覚は、まさに釣り人の特権だ。海底の障害物を攻略するスリリングなゲーム性と、アタリが多く純粋に楽しい釣り味に癒やされようと、神奈川県金沢八景の老舗『新修丸』を訪ねた。

アクセス良好、電車釣行派もマイカー派も安心!

『新修丸』は野島・夕照橋の袂に船宿を構える。開店は早朝5時半。車組は店前に一時停車して荷物を降ろし、釣座を確保してから駐車場へ移動する。徒歩2分弱の距離なので迷う心配は少ないが、初めてなら常連さんに頼んで先行して貰えば安心だろう。

船宿に戻って受付で乗船名簿カードの記入、乗船料や仕掛け代の支払いを済ませる。新修丸はキャッシュレス決済が充実しているのも特筆。レンタル品も揃い、氷や自販機も完備。釣りに必要な準備がほぼ船宿店頭で整ってしまう。

電車釣行派は京急本線「金沢八景駅」からの送迎サービスが便利。道が混み出す前の6時台に到着するのがおすすめだ。詳細は船宿HPに画像付きで案内されているので確認を。

この日の最高気温は35℃超えの猛暑日。それでも13時帰着の“ショート乗合”なら、暑さのピークを避けつつ釣果も十分狙える親切設定。時間が短い分、料金もリーズナブルだ。

出船時間が近づくと、付けエサとなるサバの短冊切りとゴリ(ハゼ科の小魚)が各釣座に配布され、受付時に記入して渡された乗船券が回収される。かくして出船準備は滞りなく整い、定刻の7時20分、新明正義船長と美千子女将の「行ってらっしゃい」に送られて「第八 新修丸」は出船した。

竿入れからアタリが止まらない!

桟橋を離れ、八景島シーパラダイスの白いサーフコースターやアクアミュージアムを眺めながら、約25分でコンテナターミナルを臨む釣り場に到着。岸壁沿いの水深20mからスタートした。

開始早々、竿を曲げたのは左舷トモ(船尾)の服部さん。その後は誰が2番手か分からないほどすこぶる好釣。上がるカサゴは20cm級が中心で、次第に22cm、25cmとサイズアップしていった。

潮が緩む時間帯こそあったが、またすぐにアタリ出し、流し換え毎にワンキャスト・ワンヒットで釣れ続ける場面も。バケツはみるみる充たされていった。

 

船長に訊くカサゴ釣りのコツ

「第八新修丸」の安里航太(あさと こうた)船長に、今シーズンのカサゴ釣りについて訊いた。

──東京湾のカサゴ、例年に比べていかがですか?
船長「大体例年通りですね。4月から9月は本牧でやって、10月・11月辺りには猿島行って、みたいな感じです。猿島は型は小さいんですけど数は釣れます。この(本牧)辺りは25cm弱ぐらいが毎年釣れてますね。本牧全体がすごくゴツゴツしてるんで、根っこと根っこの間とかに入れると、もっと釣れるんですけど……でもその分、根掛かりがスゴいんです」

──根掛かりへの対策などありますか?
船長「ハリが(根に)掛かってるんだったら、少し弛ませれば取れるんですけど、オモリが(障害物の間に)入っちゃうと流石に取れないです。“根掛かりしたな”と思ったら、早めに抜くと、意外とスポッと抜けたりします。巻けるところまで糸を巻いて、道糸と竿先を一緒に持つじゃないですか、それで垂直に(真上に)スポンとやると、結構抜けるんですよ」

──投入してからの基本的な釣り方をおさらいさせてください。
船長「オモリが着底したら糸フケを取って貰って、気持ち30cmくらい上げて、またゆ~っくり底を取って貰えると。底を取るときはオモリを立てた状態で、糸を張った状態で3~4秒待って貰う。アタリがなかったらまたゆっくり上げて、ゆっくり底を取る。で、大体オモリが底に着いたときにアタリがあるんですよ。なんで、1回目のアタリがもしあったら、ほんの少し(2~3cm)上げてみて少し待つ。2回目のアタリがグググッって来たら、聞きアワセながら巻いて貰えれば」

──「1回目のアタリで少し待つ」の狙いは?
船長「喰い気のある時は一発でグググッて来てくれれば良いんですけど、最近、本牧は潮が澄んでるんで、食いが浅い時があるんです。なので2回目のアタリまで待った方が確実になるんで」

カサゴに関する造詣の深さは、周年カサゴ釣りと向き合っている船長ならでは。エサ付けについても解説して貰ったので画像とキャプションを参照頂きたい。

誰でも楽しめる、奥深きカサゴ釣り

この日の竿頭は船中1尾目を獲った服部さんの57匹。次点は50匹、3番手49匹と、釣座を問わず好釣そのもの。船釣り初挑戦のアングラーも22匹を釣り上げ、笑顔の沖上がりとなった。

釣り味はもちろん食材としてのカサゴも魅力的だ。定番の唐揚げや煮付けはご存じの通り、刺身、塩焼き、味噌汁、アクアパッツァに清蒸魚と和・洋・中万能。釣り人ならではの特権を存分に味わえる。

“お手軽さ”“奥深さ”“美味しさ”の三拍子が揃った東京湾のカサゴ釣り。まだ暑さの残る9月も熱中症対策を万全に、豊穣の東京湾を満喫して頂きたい。

今回利用した釣り船

神奈川県金沢八景 『新修丸』
〒236-0025 神奈川県横浜市金沢区野島町10
TEL:045-784-2636(店・送迎)
TEL:080-5099-0050(船長携帯・問い合わせ)
定休日:毎週木曜日 釣果・施設情報 新修丸ホームページ

出船データ

カサゴ・ショート乗合
乗船料金:男性8,000円、女性6,000円、中学生以下5,000円(エサ・氷1個付き/※氷追加:100円)
駐車場:1台500円(中型バス可)
集合:6時30分
出船:7時20分
帰港:13時前後
貸し竿:500円
※金沢八景駅よりTELで送迎、詳細は問い合わせ。
※カサゴショート乗合船に乗船できるのは小学生以上、未就学児は乗船出来ませんので ご了承ください。
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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