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秋の外房でマダイ&高級魚連発!一つテンヤの魅力と攻略法をレポート!千葉県大原港『新幸丸』

2025年11月21日公開

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シンプルなタックルとダイレクトな引き味で人気の一つテンヤ・マダイ。秋も深まり数釣りのシーズンに突入!この時期特有の〝風格のある色合い〟のマダイに加え、豊富なゲストフィッシュたちも狙える。最高の釣りを堪能するべく、マダイ専門の船宿『新幸丸』より出船する。

【この記事を書いたライター】山口 充

都心から約2時間!大原港へのアクセス

大原港は都心方面からの様々なアクセスがある。横浜方面からゆっくり走り約2時間で宿に到着した。外房エリアのアクセスが非常に良くなったのは嬉しい。
また、宿泊や午後船などの利用を考えての電車釣行もおススメだ。美味しいお店もあり大原エリアを満喫できる。

集合は午前5時。4時位から船宿の前にお客が集まり始めた。釣り座は抽選なので急がなくても大丈夫。時間になると宿が開くので乗船名簿の記入と料金を支払い、また受付の際にオリジナルのカブラやテンヤ等も購入できる。クーラーボックスなどの荷物はトラックで船の前まで移動してくれるのでありがたい。

受付のあとは港に移動、山口新一船長が座席の抽選をしてくれるので釣り座が決まったら乗船を開始する。この時期は明け方の気温が低く船が凍っている場合があるので慎重に乗船しよう。

乗船したらエサの冷凍エビが配られるので、水を汲んだバケツに入れて解凍しておく。凍ったまま無理にテンヤに付けると身崩れしやすいので注意が必要だ。

一つテンヤマダイのおすすめタックル&仕掛け

タックルは2.4m前後の一つテンヤ専用竿に、小型~中型のスピニングリールを組み合わせる。道糸はPEライン0.8号前後。リーダーとなる先糸はフロロカーボン3~5号を3~5m。

テンヤは5~10号をメインに使用。前後の号数もあるとより攻略の幅が広がる。狙う水深は10~30mで、潮の影響、水深などを考慮してマメに細かく重さを変えるのもよいだろう。

例えば潮上と潮下で重さを変えたりして沈むスピードを調整。個人的には、なるべく軽めのものを使うように心掛けていて、潮に影響されにくい状況であれば3号に。エサのエビの大きさで沈降速度を変化させる等、色々な組み合わせを試してみるとよい。

一つテンヤマダイでは「カブラ」と「テンヤ」の2つの形状を使い分ける。活性が高く浮いている場合や潮が速い場合は「カブラ」。底2~3mから誘い上げ、もしくは誘い下げで誘っていく。これに対して、活性が低めでタナも低い場合は「テンヤ」。底からシャクるようにして使う。近年はタイラバスタイルの遊動式を使う人も多くなった。また、タイメタルやタイラバを使う場合、ロッドは別に用意したい。

 

朝マヅメからスタート!釣果アップの秘訣

港を出てダイナミックで綺麗な御来光を拝みながらポイントまで35分ほど船を走らせ、大原沖水深19mに到着。シーアンカーが投入されスタートの合図が鳴った。
御来光のなか、早くもマダイがヒット。タナは底から1m。アタリは多いようで海面を照らす光量が上がってくればさらに期待が持てる。立て続けにヒットしていた人に話を聞くと、やはり底から1mから2m辺りでアタリが多いとのこと。底を中心に狙ってしまうと根掛りやエサ取りも多くなってしまうのでテンヤがどの層で動いているかイメージすることが大切だろう。

また新幸丸では、上乗りの山口大地さんが一つテンヤの操作法やエサ付けを丁寧にレクチャーしてくれるので初めての人も安心だ。

イナダ・ヒラマサ・マハタも!豪華ゲスト魚種紹介

潮回りして再度投入の合図が出た。間もなく初めてテンヤマダイ釣りに挑戦している知人がビッグファイト、引きが強く気が抜けない展開だ。船長からのアドバイスもあり無事ネットに収まったのはイナダ。「このタックルで掛かると冷や冷やします」と、楽しそうであった。

マダイのサイズも30cm前後まで上がって来て引き味も十分。誘い上げからのフォール、いわゆる「落とし込んでいく」時にアタリが出るパターンもあるようで活性が上がって来たのだろう。

すると左舷大ドモでワラサがヒット、さらにヒラマサもヒットしてきた。一つテンヤ竿の特性上スリリングなやりとりで見応えがあった。ワラサ、ヒラマサと羨ましい展開だが、右舷でもファイト中。強い引きで慎重にやり取り。ネットに入ったのは「マハタ」。また、右舷の大ドモでも竿がフルストローク、こちらも上がったのはマハタ。良型のウッカリカサゴも顔を出して船上は賑やかだ。様々なゲストフィッシュが釣れるのも一つテンヤの楽しさだろう。

秋の数釣りシーズン到来!後半戦で良型マダイ続出

後半に入り良型サイズも混ざり「秋の数釣りシーズン」と言う感じになって来た。春頃の「大型狙い」と秋の「数釣り」。手軽でシンプルなタックルで狙えるのは最高だ。今回初チャレンジの知人も「このタックルでマダイが釣れるんだから楽し過ぎます」とお気に入りの釣りに。慣れて来ると次々にヒットさせて楽しそうであった。

再び左舷大ドモでビッグファイト。またまたヒラマサがネットに収まった。細い竿、道糸、先糸、リールのバランスが完成されている証拠で無理せずやり取りして魚と対峙する基本が詰まっている釣りだ。

最後に記者は「ワインド釣法」でマダイを狙ってみた。道糸やリーダーは同じ号数で対応。実はマダイに対して思いのほか効果があり、試して見たかったアイテムだ。キャストして着底。タナを切り底から2m付近でアクションさせる。するとすぐにアタリがあった。一投目から好反応だ。

そのまま船下まで誘うとヒット!いい感じだ。引きも強く「一投目からよいサイズのマダイか!?」と思ったら赤く細長い魚体が見えた。「ええっ、噓でしょ!?」。釣れた魚の正体はなんと「アカヤガラ」。あの長い口でワインドのアクションにヒットするとは…。船上の皆さんも「これどうやって撮影したらいいの?」と爆笑。思いのほか、皆さん興味津々だ。知人によると「これ最高に美味しいですよ」とのこと。

この後もマダイのアタリは続き、午前11時に沖上がりの時間を迎えた。一つテンヤはお手軽かつ、マダイ以外にも様々なゲストフィッシュが狙えるのも魅力のひとつ。また、『新幸丸』はマダイ釣りを専門として、4代続く老舗船宿。豊富な知識ときめ細やかなサービス、整った設備はビギナーやファミリーでも安心!いい時期に、いい釣りを満喫していただきたい!

今回利用した釣り船

千葉県大原港『新幸丸』
〒298-0004千葉県いすみ市大原10398-21
TEL:0470-62-1500
定休日:第1・第3月曜日 釣果・施設情報 新幸丸ホームページ

出船データ

午前便テンヤ・マダイ予約乗合(午後もあり)
料金:1万3,000円(エサ・氷付き)
※小学生以下・女性・学生割引きあり/エサは3パックまで無料/午後船は問い合わせ
集合:5時(待合所で受け付け)※時間は季節により変動
出船:準備出来次第
沖上がり:11時頃
レンタル:貸し竿あり(事前に申し込み)
※詳細は船宿に問い合わせ
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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