2025年09月23日公開

今シーズンもこの地にやって参りました!波打ち際まで友を引ける川・富山県小川!台風15号が猛威を振るい列島を横断後、間もないタイミングでの釣行となったが、幸い週末の日本海側は影響を受けることなく、台風一過の突き抜けるような青空が広がり、爽やかな風が吹いていた。今シーズンも天然鮎の遡上が好調とのことだが、シーズン終盤の小川ではどんな鮎たちに出会えるだろうか?カモメの鳴き声を聞きながら鮎釣りができるという、一風変わったフィールド。仲間たちとの楽しい時間が始まる。
台風一過!濁り残る川にはアオノロも…
台風の心配もあったが、富山県小川に前乗りしていた先輩の情報では〝竿出し可能〟とのことだったので、迷わず真夜中の高速を突き進んだ。途中、休憩したパーキングエリアで見たあの美しい朝焼け。まるで私たちを出迎えてくれているようだった。糸魚川のえびす釣具さんでオトリ鮎を購入すれば、目的地まであと30分ほどだ!
小川に来るのは実に1年ぶりである。前乗りしていた先輩方に挨拶をし、さっそく川をチェックしてみると増水はないとまではいかないものの、笹濁りという状況。さらにじっくり見て見ると、緑色の青ノロが散見できた。今回の台風の影響で水は出たものの、長く続いた渇水の影響で発生した青ノロを流し去る程の出水ではなかったようだ。ベストコンディションとは言えないが、ここは海に注ぐ河口近くでも鮎釣りが可能な特異なフィールド。川と海のコントラスト、美しいこの釣り場で竿が出せるだけで満足だ!
毎年、小川で一緒に竿を出している仲間たちも到着。さっそく川へ繰り出していく!準備を終え、足を水に浸けると「ヒヤリッ!」。思ったより水温は低く、ライトスタイルの装備では肌寒い程である。トロ、チャラ、瀬、上流、下流と各々が思い思いのポイントへ散っていったが、私は川を歩いて観察してみることにした。一歩踏み出すと、逃げ惑う多くの鮎の姿。石色の良い場所と垢ぐされが進む場所は明確だったため、なるべく石色の良い場所を探してポイントを決めていくことが重要になるだろう。
少し進むと、くるぶしほどの水深のチャラ瀬で、石色の良い場所を発見!ひとまず、ここで竿を出してみる。根掛かり防止で〝ハリスは短め〟に。腰を下ろしソロソロと横出しし、上流へ。すると、すぐさま「パン!」と目印が飛んだ!決して強くはないが、鋭いアタリは気持ち良い!一年ぶりの小川鮎は天然海産たる凛々しい表情であった。この後、朝のうちは連チャンすることはなく、ポツリポツリと拾い釣り、といった感じであった。
遥か上流に向かった友人たち。どうやら上流部は垢ぐされが進みかなり厳しい状況のようで、早々に下ってきたようだ。飛びつきの鮎が釣れるのみとのことである。これに対して、〝目の前はすぐ海〟の下流の深場を狙った友人たち…なんとなんと良型鮎の「レンチャ~ン!」で数を伸ばしていた。
水温上がる10時から追いが立つ!「下流・深場・ヘチ」がキーワード!
朝の状況から判断すると、どうやら今回は下流の深場が好ポイントになりそうだ。とはいえ、10時をまわるとだいぶ水温は上がり、それに比例するように川全体の活性も徐々に上がっていった。そう!何年もここ小川に通っているが、いつもこの〝10時〟という時間は「活性の上がるポイント」のひとつである。
今回も「入れ掛かり!」とまではいかないものの、掛かるペースは明らかに上がり、朝方は鮎の姿が見えなかった場所でも目視できるようになっていた。浅場では小型の鮎が多いが、水深のある場所では思わぬ大物も!しかしながら、やはり下流の深場で竿を出している友人たちは、コンスタントに大きく竿を曲げていたようで、私も少しずつ下流へと釣り下ることにした。
下流で印象的だったのが瀬落ちの深場ヘチの石。黒々としており、良く磨かれていた。話を聞くと、やはりこの黒い石を狙うことがキーポイントとのことである。さっそく私も葦の際ギリギリを狙ってみると「ガッツーン!」「ギューン!」と、今日イチのアタリが!グングングンと粘りの引きは流石天然海産鮎のパワーである。
潮の満ち引きが釣果に影響する!
この日は「大潮」。お昼過ぎに満潮を迎え、夕方に駆けて大きく潮が引いていった。河口の波打ち際付近でも鮎が掛かる小川では、この潮の満ち引きも釣果に影響すると言われている。潮の動く時間に追いが立つのだそうだ。釣行の際は、ぜひ潮まわりもチェックしてみてほしい。他の河川にはない面白い発見があるかも知れない!
さてさて、海まで100mと言う深場のポイントでは、夕方になっても好調をキープしていた。「ザバーン、ザバーン」と波の音を聞きながらの鮎釣りだ。右岸ヘチは手前の流心にかけ深くなり、カケアガっている。壁となるヘチの石は良く磨かれていた。流心にも大きな石が点在し、そこに追いの強い鮎が溜まっていたのだろう。このポイントでは、友人たちが交互に竿を曲げた。大きく曲がる竿の先に広がる海。小川ならではの特別な光景であった。
1日を通して、今回の小川釣行で分かったことは、「数・型共に深場が良好!」「狙うは黒石!」そして何よりも「オトリの状態にはかなりシビア」であったこと。少しでも泳ぎが悪ければ、迷わず選手交代を!そして軽い小針を使うとバレが非常に多かった。バレが多発した場合には、少し重めでサイズアップした針を使うことで改善された。
素直な小川鮎を仲間たちと満喫!プチ大会も!
2日目。この日も快晴!だったのだが、お昼頃からあいにくの〝爆風予報〟とあって、午前中のみが勝負になりそうだ。さらに、せっかく仲間で集まったこともあり「プチ釣り大会」を開催することとなった。
2時間半勝負で、上位2名は30分の早掛け。「スタート!」の合図と共に、各々が一斉に好きなポイントを目指した。もちろん、一番人気は「下流の深場」!であったが、私は鮎は小さいものの確実に釣果をあげられるであろう上流のチャラ瀬を目指した。竿を出してからしばらくは自分の釣りに夢中になっていたが、周りを見渡すと下流深場に入った友人が早々に移動していた。どうやら前日とは鮎の付き場が変わってしまっているようだ。そんな中、私の下流右岸の瀬落ちを丁寧に泳がせていた友人が入れ掛かり状態に!実に良いペースだ。そのポイントは前日はあまり反応がよくなかった場所である…前日とは異なる付き場に皆、頭を悩ませた。
こうなったら足を使うしかない!とばかりに、あちこちに竿を入れていく。前日よりも早い時間に浅場に鮎たちが出ている印象だ。誰もここでは竿を出さないであろう〝極浅のポイント〟では背掛かり鮎もすっ飛んできた!ポツポツと拾い釣りであったがどのポイントでも素直な反応を見せてくれる小川鮎を大いに楽しむ時間となった。
そして「プチ釣り大会」は終了となったのだが、検量を行うと接戦!2時間半で上位2名は17尾、15尾となった。そんな中、相方は苦戦していたらしく、検量で曳舟の中から最後に出して来たのはなんと「石」!〝鮎は石を釣れ〟とはよく言ったもんだが、まさか本物の石を釣ってくるとは…釣果は伸びなかったようだが、しっかりみんなの笑いをとり爪痕を残してくれた(笑)。
そして最後は上位2名による早掛けが行われたのだが、仲間の中で鮎釣り歴が一番浅い友人が、瀬肩での丁寧な釣りを披露し優勝を掴んだのである!付き場の変わった状況でもしっかり川見ができた釣り人が釣果を伸ばした印象であった。
今回の釣行で釣り上げた鮎の中には白子、卵を持ったものも見られ、小川の鮎は少しずつ色付き始めていた印象だ。吹く風は夏の名残を残しつつも、日本海の鮎たちは命を繋ぐ季節へと着実に向かっている。
また来年!波打ち際の素直な鮎たちに会えることを楽しみに帰路へと着いた。
施設等情報
施設等関連情報
「えびす釣具」(24時間営業)
新潟県糸魚川市大野1198-1
TEL:025-553-1363
※ここでは小川の遊漁券は購入できないので注意!
「遊漁券」
ローソン朝日町平柳店にて販売
※釣り場にあったトイレが無くなっていたのでこちらもご注意を!
この記事を書いたライター
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