2026年08月17日公開
近年、相模湾でも身近なターゲットとなってきたアカハタ。かつては南伊豆や南房総まで足を延ばして狙うイメージの強かったロックフィッシュが、今では神奈川県内の近場でも楽しめるようになった。多彩な釣法で良型のアカハタやカサゴが上がっているとの情報を聞き、神奈川県真鶴町・岩港の『緑龍丸』を訪ねた。
真鶴岩港から出船!相模湾のアカハタ五目
東京都内方面から国道135号を熱海へ向かう途中、トンネルを抜けると海上を走るような景色が広がる場所がある。その岩大橋のたもとに位置するのが、静かな雰囲気の岩港。車で釣行する場合は、カーナビに船着場付近の「岩漁業協同組合」を入力すると分かりやすい。船宿の公式サイトには写真付きの道案内も掲載されている。初めて訪れる際は、事前に「アクセス」のページを確認し、西湘バイパス「岩IC」から向かうルートがお薦めだ。
取材日は7月末。集合時刻は船着場に午前4時30分までとなっていた。指定された駐車スペースに車を止めて待っていると、駐車証を持った女将が名前を確認し、船着場へ移動するタイミングを案内してくれる。船着場で乗船名簿を記入し、予約時に指定された釣り座へ荷物を運び込めば準備完了。この日は定刻より少し早めに出船した。
1投目から本命登場!35cm級アカハタ浮上
取材日は乗合船ながら、乗船したのは4人グループの1組のみ。チャーター船のような、ゆったりとした釣り座で出船となった。最初の釣り場は港を出て数分。水深12m前後の港前からスタート。すると、お仲間に釣り方を教わりながら右舷で竿を出した初心者のあかりさんに、船中最初のアタリが。グングンと竿を引き絞る力強いファイト。慎重に巻き上げて取り込まれたのは35cmの良型アカハタだった。
1投目からの見事な釣果に、船上のボルテージは急上昇!続いて上がったカサゴも、30cmに迫る良型。さらに36cm、37cmとサイズアップしながらアカハタが取り込まれ、開始からわずか1時間ほどで魚桶は良型の根魚でにぎやかになった。
ルアー、エサ、オモックで攻略
『緑龍丸』のアカハタ五目では、ルアー釣りとエサ釣りの同船が可能だ。エサやルアー、仕掛け類は基本的に各自で用意するが、状況に合わせてタックルを持ち替え、自由な釣り方で根魚攻略を満喫できる。ルアーは、ジグヘッドリグやテキサスリグのソフトルアー(ワーム)が主力で、取材日は特にホッグ系やバルキーなスティックベイトなど、ボリュームのあるタイプに反応が良いように見受けられた。また、カサゴやマハタに用いられる胴突き仕掛けに、サバの短冊切りなどを付けるエサ釣りも好適で、サイズや魚種を問わなければアタリの数は最も多かった。
中でも、取材日の主力となった仕掛けが、スナップスイベルのスナップ部分に、小田原型(六角)オモリとタチウオ針(ワームフック)を付けた「オモック」のようなリグに、サバなどの身エサを付けた仕掛けで、すこぶる良好だった。ブラクリ仕掛けの釣り同様、海底の障害物の中へ送り込む釣法のため、根掛かりは避けて通れないのだが、そのリスクに値するアタリの多さと釣れる魚の型の良さ。仕掛けを根掛かりで失っても、すぐに作り直せるのも利点だ。
ポイントによってはアカハタやカサゴに交じってカマスが回遊することがある。市販のカマスサビキは全長が長いため、船上で扱いやすいよう2つ、または3つに分割し、その下へ根魚用の仕掛けを取り付ければ、カマスと根魚の両方を狙えると船長。カマス用の仕掛けは船でも販売しているため、必要な場合は船長に相談してみよう。
またアカハタやカサゴなどの根魚は、ひとつの場所に生息する魚の数が限られ、成長にも時間がかかる。「25cm以下は持ち帰らない」「30cm以下はリリースする」など、アングラー自身が持ち帰るサイズの基準を決めて釣りを楽しむ例も多いそうだ。すべての釣果を持ち帰るのではなく、小型魚や食べ切れない分は元気なうちに海へ返す。末永く根魚釣りを楽しむためにも、一人ひとりが意識したい心掛けだ。
船長に訊く『アカハタ五目』のコツ
真鶴沖のアカハタ五目について、向笠 仁志(むかさ ひとし)船長に訊いた。
──今シーズンの模様はいかがですか?
向笠船長「水温が低かったからスタートはイマイチだったけど、今は例年通り釣れている。潮が良ければカサゴやメバルも交じってきます」
──ビギナーへのアドバイスは?
向笠船長「底をコツコツやるのが基本なんだけど、今はオモリの横にハリをちょこっと出す。あれが多いですね。通常は15号、投げる人は10号。一つテンヤは10号から15号。ブラクリも10号。釣れないことはないけど、メタルジグは食いが悪いのでオススメしてません。ワームも色が合わないと釣れない。釣れない時は色を変えたり、形を変えたり、工夫するといいです」
「釣るメンバーは根掛かりしますよ」と言う船長。“虎穴に入らずんば虎児を得ず”の格言通り、多少の根掛かりは覚悟し、魚が潜む障害物の中へ仕掛けを送り込むことが釣果へのカギ。着底後すぐに底を切ったり、根掛かりした際の外し方を覚えたりすることで、仕掛けのロストを減らせるようになる。初めから完璧を目指さず、トライ&エラーを楽しみながら身に付けていきたい。
ゲーム性も食味も魅力のアカハタ
港前から江之浦沖の水深14mを中心に6~29mを攻略した取材日。竿頭は右舷・まことさんがリリース含め13匹。船長によれば、この日は「活性が上がりづらい潮」だったとのこと。それでも、ほとんどの人が10匹前後を釣り、30cm級を中心に良型をそろえた。取材日には姿を見せなかったが、35cmクラスの大型メバルが交じることもあるという。
海底の障害物を緻密に攻略するゲーム性と、竿を絞り込むファイト。サイズ以上に迫力のある魚体や、帰宅後に楽しむ食卓での多彩な味覚のバリエーションまで、釣りの楽しみがぎっしり詰まった『緑龍丸』のアカハタ五目。釣り場の景観の良さも合わせてお薦めしたい、夏の好ターゲットだ。
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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