釣りビジョン

2016.12.15号

儀兵衛丸・神奈川県長井港
相模湾・長井沖のカワハギ、初心者でも気軽に楽しめる!

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例年、この時期になると釣具店の一角に特設コーナーが出来る釣り物がある。奥深いテクニカルな釣りと膨らむ肝が魅力の魚・カワハギである。そのカワハギ釣りを初心者にも気軽に楽しませてくれる事で知られるのが、三浦半島・長井港の『儀兵衛丸』だ。

午前と午後に4時間ずつのショートフィッシング

長井港は横浜横須賀道路を衣笠ICで降り、そのまま三浦縦貫道路に乗り継ぐ。林ICで降りれば港まではほんの数分の便利さだ。土・日曜日ともなると交通渋滞の激しい三浦半島にあって、ほとんど渋滞せずに行き帰り出来るのが嬉しい。『儀兵衛丸』では、ショートカワハギ船を出しており、午前と午後でそれぞれ4時間ずつの釣りとなる。午前は7時出船、午後は11時30分出船。この日は午後船に乗った。多摩地区の自宅を9時頃に出発しても10時半に港に到着。朝がゆっくりなのは、布団を出にくいこの季節には嬉しい。

午前・午後共2隻出しの大人気!

待合室で出船までのんびりと
長井港の目の前が『儀兵衛丸』の待合所。駐車場も目の前。10時半に港に着くと、相当数停められる駐車場が車で一杯。午前船は2隻満船。午後船も総勢37人が集まり、2隻に分かれての出船となった。翌日の天気予報が悪かった事もあり、土曜日に集中したというのもあるがすごい人気だ。しかも女性が多いのにも驚いた。カワハギと言うとその戦術の奥深さから百戦錬磨の猛者が集まるイメージが強いが、全然そんなことはなく気軽に楽しめる雰囲気で嬉しい。

仕掛け買えます。釣具店泣かせの驚きの価格!
午前船は釣り座をマグネットで先着順。午後船は自由
長井港目の前の『儀兵衛丸』。看板が目印です。

3つのグループでワイワイガヤガヤ

駐車場も満車の人気ぶり
私が乗ったのは梶ヶ谷孝宏船長操船の「第三儀兵衛丸」。総勢15人を乗せて出船。3人グループが3組あり、出船前からワイワイガヤガヤ。6人は貸し竿セットを借りて初のカワハギ釣り。右舷ミヨシ(船首)の3人グループは中嶋ちえみさん、松嶋このみさん、難波みつきさんの女子大生3人グループ。同じ大学の研究室に通う今流行り?(もう古い?)のリケジョだ。図らずも私はこの3人の指南役を務める事となった。

受け付けを済ませていざ出船
午前船の帰港を待つ間に港で準備
2隻出しの大人気

道具のラインアップが豊富で

この日使用した船宿推奨仕掛け
釣り場は、長井港を出てすぐ。ものの数分でポイントへ到着。最初のポイントは水深13m。カワハギと言えば道具に凝る釣り物の一つだと思う。オモリも中オモリも、そしてハリスまでもがキラキラな反射板やカラフルなビーズで彩られる。釣り人はカワハギの気を引くのに必死なのだ。そしてそのアピールの仕方も様々。底にオモリを付けて激しく叩く「叩き釣り」、オモリを底につけて少し糸を少し弛ませる「弛ませ釣り」等々。

餌のアサリのむき身も船宿受付で購入。お値打ち価格
カワハギの仕掛けは本当にカラフルです
仕掛け図

嬉しい最初の1匹!

嬉しい最初の1匹
カワハギは、別名「餌取り名人」とも呼ばれるほどおちょぼ口で餌だけキレイに取っていく。その中でいかにハリ掛かりさせるかが釣果に繋がる。まず初めに女子大生3人組への釣り方教室でリールの使い方、餌の付け方などを教えた後、いざ仕掛けを投入。いきなり餌をついばむアタリが…これは幸先いいかも?と思い、竿を手渡すも、なかなかハリ掛かりさせられない。さすがの餌取りぶり。「弄ばれてるね…」などと冗談を言っていると左舷胴の間(中央)で、最初のヒット。サイズこそ小ぶりだったが、嬉しい最初の1匹に満足していたら、後ろで歓喜の歓声が。3人組の中で1人で、何回か釣りをしたことのある松嶋さんが嬉しい1匹。いやー、良かった。実は船長が一番嬉しそうだったのは内緒です。

松嶋さんに嬉しい1匹が
続いて少しサイズアップしたカワハギが来ました
このおちょぼ口が上手く餌をついばみます

最初はアタリが連発…しかし…

ベテラン勢は上手にアタリを拾います
続いてまたまた左舷でいいサイズのカワハギが。カワハギは同じポイントに複数いることが多いので、1匹釣れるとバタバタッと続くことも多いが、この日の出だしはまさにそんな感じ。右舷はベテラン勢が多く座っていたが、最初に左舷にアタリが集中したのは潮のいたずらか? しかし、このアタリの後はなかなか続かなかったのでポイントを移動。長井沖は広い範囲でカワハギのポイントがある。ここのカワハギに精通している梶ヶ谷船長が、その引き出しから次々とポイントを選んでいく。次のポイントでは逆に右舷にアタリが出た。ポイントごとに拾い釣りという感じだ。

貸し竿でうれしい初カワハギ
小まめな誘いで嬉しい1匹
きれいな1匹。色の違いは海底の様子の違い?

ベテランはアタリを確実にモノにします

12匹を釣り上げた。さすがの腕前。村上照夫さん
前半は水深13~18m付近の浅場を攻めていたが、なかなかアタリが続かないこともあり、船長は深場への移動を決め、水深37m付近を探った。ここで3人組の中嶋さん、難波さんにも待望のカワハギがヒット。これで3人ともに“本命”をゲット。船長と共に指南役の私も一安心。
ベテラン勢が座る右舷では、ポイント毎に確実にカワハギのアタリを拾っていく。実は釣行2日前に関東では観測史上初の11月の積雪を観測。その影響を受けてか、釣行前日とこの日の午前は、共に食いが落ちていた。そんな中でも少ないアタリを確実にモノにしていくのがカワハギに精通したベテラン勢。さすがの腕前で右舷トモ(後方)の村山照夫氏は、最終的に12匹のカワハギを釣り上げた。

替えバリを手元に用意して小まめに交換
アサリトレーも便利ツール
アサリ用の〆塩も重宝します

楽しい釣りが一番!

中嶋さんにも待望の1匹が
さて、左舷では…グループならではの楽しそうな声が聞こえてくる。“本命”が上がらなくとも“外道”だけで大盛り上がり。初めて見るキタマクラにキャーキャー、ガヤガヤ。何とも楽しそうでいいじゃないですか。やはり釣りは楽しむことが一番。楽しんでいるとやはり釣果も引きずられるようで、厳しい状況の中、初めてのカワハギ釣りで何と3人で10匹をゲット。他船ではオデコ(0匹)の声も数多く聞こえる中で大満足な釣果。これをきっかけに、今後も色々な釣りに挑戦してくれることを期待!!

難波さんは初カワハギで4匹を釣り上げました
梶ヶ谷孝宏船長が優しく初心者にも教えてくれます
この日乗船した「第三儀兵衛丸」

気軽にカワハギにトライ!

通年カワハギ船を出している『儀兵衛丸』だが、数釣りには今がベストの長井沖。肝もこれからどんどん膨らむ。初心者でもグループでも船長が優しく教えてくれるので気兼ねなくカワハギ釣りを楽しめる。しかも4時間という集中して楽しめるのも初心者には最適。勿論、ベテラン勢には“一日通し”というチョイスもあるので自分にあった釣りができるのもいい。この日の初心者の皆さん、1年後にはどっぷりカワハギの奥深さにはまっているかもしれません。

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣り船
神奈川県長井港『儀兵衛丸』
〒238-0316 神奈川県横須賀市長井5-3-5
TEL:046-856-2758
定休日:第1・3・5金曜日
詳細情報(釣りビジョン)
儀兵衛丸ホームページ
出船データ
出船時間:1便午前7時 沖上がり午前11時
     2便午前11時半 沖上がり午後3時半
     基本料金=5,000円/1日通しの場合+3,000円
     男女ペア割引=9,000円/1日通しの場合+5,000円
     親子割引=6,500円/1日通しは+5,000円(中学生まで 高校生はペア割り適応)
     駐車場=無料
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