釣りビジョン

心震わす感動の景色!未来へ繋ぐ九頭竜鮎の確かな奇跡!

2026年10月21日公開

1814_main

記憶にも新しい8月末、福井県を襲った線状降水帯。県のシンボル的存在でもあり、鮎の聖地として全国にその名を轟かせる「九頭竜川」は濁流と化した。水位が7m程上昇した九頭竜川の支流は決壊し、道路の冠水、住宅への浸水が相次ぎ、大きな被害をもたらした。テレビから流れる映像を見て九頭竜川を愛する多くの鮎師が心を痛めたことだろう。あれから1ヶ月ほど経った10月初旬、九頭竜川を訪れた。そこには大増水の爪痕が残り、河原には大木や何処からか流れてきたブロックなどが見られ、大きな変貌を遂げていた。しかしそんな中、奇跡とも言える光景を目にする。あれほど大増水があったにも関わらず力強く生き抜いた多くの鮎が九頭竜川を輝かせていた。感動さえ覚える鮎との時間は、シーズンの終わりを憂う多くの鮎師の心を揺さぶるものとなった。

【この記事を書いたライター】SHOHEY

一変した流れ!そこには金色の追い星纏う力強い鮎の姿が!

アニキの誘いを受け、九頭竜川・五松橋へ向かう。季節は進み、朝の気温は15度と肌寒さを感じる頃となっていた。ポイントに着き、目にした景色は自分の知る九頭竜川とは全く違うものとなっていた。橋上右岸手前の流れは広く浅瀬に、左岸には激しい瀬ができていた。それは自然の力を思い知る光景であった。着替えを済ませ遡行すると浅瀬の至る所に鮎の姿。しかも、あの増水をいかに生き抜いたのかと不思議なぐらい小さな鮎の姿も見られた。

私と相方は、左岸へ流れこむように広がる浅瀬のヘチから、アニキは左岸荒瀬へ。仕掛けを張りながら足元を見れば、踏んでしまうのではないかと思うほどの鮎の姿。果たしてこの鮎たちは追ってくるのだろうか?まずは足元からヘチのチャラを上へと泳がしていく。すると鮎の気配、ラインにも鮎が当たるのが分かる。竿出し3分、早速「ギュン!」と海産鮎らしい強いアタリが。手にしたのは、小ぶりだが錆びも見られぬ若い鮎であった。丁度その頃、瀬を見切ったアニキが浅瀬へ戻ってきた。後から聞けば、荒瀬の石は真っ白、垢が付いてなかったとのことだ。さすが、アニキは状況判断が早い。そして、見切りからものの数分、もう竿を曲げていた。どうやら今日は浅瀬に分があるようだ。掛かり鮎を放つと、すぐさまヒット。どの鮎も力強い泳ぎを見せ、次から次へと〝友〟を連れ帰っててきてくれた。

左岸浅瀬の反応が抜群だが、沖の流れではペースは落ちるが、良型鮎が顔を見せてくれた。予報より早めに降り出した冷たい雨の中、決して良い状況とは言えないが、九頭竜鮎の追いは止まることがなかった。終わってみれば、時速10匹を超える釣果。大増水を乗り越え、血気盛んに追い回す様には、ただただ驚くばかりであった。間違いなく今、日本イチの釣果を叩き出しているのは九頭竜川であろう。帰り際、「来週は天気が良い予報だからもっと釣れるだろう、来た方が良い」とのアニキの言葉に、翌週もここ九頭竜川へと釣行する事に。

晴天秋晴れ!気温上昇で九頭竜鮎のパワーも全開!

2週連続となる九頭竜釣行。そこには雲一つなく晴れ渡る秋空が広がっていた。少々強めの風が吹くが、陽射しは強く川を見れば多くの鮎の輝きが見られた。河原はまるで真夏の川のような賑わいだ。今日は岐阜の名手たちと、五松橋より少し上流の鳴鹿堰堤下へ入る。

私は相方、友人と下流へ向かい、右岸にチャラ瀬、左岸に瀬が広がるポイントへ。まずは1匹。お得意のみんなと反対向きで右岸に向いてチャラを狙う。足元から元気よく走り出したオトリ鮎はあっという間に友を連れ帰ってきた。やはり、ここ鳴鹿堰堤下ポイントにも相当数の鮎がいるようだ。後ろを振り返れば、瀬を攻める釣り人たちも順調に竿を曲げている。瀬では良型鮎が上がっているようだ。

しかし、このチャラ瀬では、小型が混じるものの瀬を上回る驚異の回転率!筋を変え、細かく狙えばとにかく掛かる。だが、オトリの元気さにはシビアな九頭竜鮎。反応が鈍れば、即オトリ交換が釣果を伸ばす決め手となった。そして、追いのキツい九頭竜鮎にはハリスを短くセットすることが必須だ!

10時をまわると、陽射しがさらに強くなり、水温上昇とともにチャラ瀬でも良型鮎が混じるようになった。良型鮎が取れれば瀬を狙う、すると盛期のような爽快なアタリで目印が吹っ飛ぶ。本当にシーズン終盤なのか!?と思わせるものであった。何度となくタモに飛び込んでくる鮎に夢中になり、あっという間に時間が過ぎていった。午後になると、アニキたちの怒涛の入れ掛かりが始まった。追って追って追いまくる九頭竜鮎!瀬でヘチで何度となく曲がる竿!私が目にした今シーズンイチの入れ掛かり!突き抜ける青空の元、川には釣り人の笑顔が溢れた。

14時を過ぎる頃、更なる活性アップの夕マヅメかと思われたが、そこはやはり秋。涼しい風が吹き始め反応が少ない中、捻り出した1匹を手にし、九頭竜鮎に別れを告げた。

 

終わりは始まり!奇跡が描いた軌跡!

大きな被害をもたらした大雨から復活の九頭竜川。今回の釣行を通し、多くの鮎との時間が楽しかったのは勿論だが、釣れる、釣れない関係なく、多くの感動をもらった時間となった。自然という圧倒的な力をまざまざと感じるとともに、必死にあらがい、力強く生き抜いた奇跡の鮎の姿は、多くの釣り人の記憶に刻まれたはずだ。必ずや来シーズンも九頭竜鮎らしいパワーを持って、再会を果たしてくれることだろう!

施設等情報

九頭竜川中部漁業協同組合 九頭竜川中部漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

日釣り券3,000円
「末永鮎店」末永鮎店Instagram「森石オトリ店」森石オトリ店ホームページ
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
instagram:
@hangover.camp
このライターの他の記事も読む

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部