2026年10月17日公開
降り続いた雨から一転、秋めいた柔らかな陽光が川に立つ釣り人たちを照らしていた。空は高く澄み渡り、絶好の秋日和。いよいよ鮎釣りシーズンも最終盤。今回訪れたのは、毎年この時期に足を運ぶ岐阜県・長良川だ。今シーズンは目まぐるしく変わる天候に翻弄され、ここ長良川でも渇水と増水を繰り返していた。今回訪れたタイミングは増水後の引き水。シーズン初期から多くの鮎が見られた長良川だが、遡上や生育の遅れの影響か、小型の鮎が目立ち、サイズには悩まされていたようだ。シーズン最終盤の長良川で待っている出会いとはどのようなものなのか。通い慣れた郡上エリアへ向かい、仲間たちとの釣り時間が始まる。
水温16度、秋本番の長良川!
少し前の連休には18度を超えていた水温も一気に下がり、長良川はすっかり秋の川となっていた。しかし空には抜けるような青空が広がり、陽射しも十分。この陽射しの力に期待したいところだ。
多くの大会が開催されることでも有名な奥長良のウインドパークでは、この日もイベントが開かれていた。会場には多くの友人たちの顔も見える。どうやらミニ大会が開催されているようだ。みんな頑張れ!
まずは川の様子をチェック。橋の上から川をのぞくと、流心の大石周りには良型鮎の姿が見えた。
「これはデカイ!」
しかも動きは機敏そのもの。しっかりと縄張りを意識しているようにも見える。チビ鮎ばかりという話はどうしたのだろう。成長したのかもしれない。何はともあれ、こんな鮎を目にしてしまったら竿を出さずにはいられない。
私たちは大会参加者の邪魔にならないよう、名皿部橋からさらに上流へ進み、神社前へ入ることにした。
川沿いを歩きながら水面を見れば、どこでも鮎の姿を確認できる。見える範囲だけでも相当数の鮎がおり、期待に胸が膨らむ。
しかし実際に川へ足を浸けると、水はかなり冷たい。この水温では、そう簡単にはいかない予感がした。
見た目とは裏腹?釣れるのはヘチだった!
右岸側から入川。降りてすぐの分流にある浅場のヘチには、かなりの数の鮎が見えていた。
まずはここから竿を出すことに。腰を下ろし、草むらに身を潜めながらオトリを送り込む。
スーッと泳いでいったと思えば、今度はグルグルと旋回。どうやら群れの中に入ったようだ。
「ヨシヨシ!」
そう思ったものの、いつまで経っても野鮎たちと仲良く泳ぐばかり(笑)。
これはいかん。
そこで狙いを少しガチャガチャした流れへ変更。浅場の流れで掛かる確率を上げる作戦だ。
「さあ、いけ!オトリくん!」
答えは早かった。
狙い通り流れの中で鮎が絡み、長良鮎をキャッチ。しかし掛かりどころはあまり良くなく、ギリギリオトリに使えるかなというサイズだった。
その掛かり鮎をオトリにすると、これが意外にもよく泳ぐ。すると間もなく2尾目がヒット。さらに同じ流れで4尾を追加した。
ただし良型が交じることはなく、今度は分流から本流へ移動することに。
「思い切って芯を攻めてみるか?」
そう考え、良さそうなポイントを隅々まで探るも反応はなし。
そこで流心脇からヘチにかけて探ることにした。
橋の上から見たとき、大きな黒い石に鮎が付いている印象があったため、大石周りを重点的に狙う。上流へ向かって上飛ばしで攻めてみると、オトリ鮎がかなり上流まで泳ぎ、ラインが後方へ倒れた。
オトリの尾が激しく振られたその瞬間、
ギューン!
「キター!」
良型とまではいかないものの、確実なサイズアップに成功。分流で掛かった鮎よりも色が濃く、くっきりとした追星が見える。まだまだ若々しい鮎だった。
どうやら場所ムラがあるようで、1尾掛かると同じポイントで2〜3尾続けて釣れる。一方で反応のない場所は、いくら待っても鮎からの返事はなかった。
サイズこそ小型が多かったものの、美しい長良川の鮎たちにしっかり遊んでもらい、ここでひとまず昼休憩とすることにした。
名皿部橋下流は大量の鮎の姿!
丹羽オトリ店で休憩していると、次から次へと釣り人たちが川から上がってきた。話を聞けば、やはりこの水温低下が釣果に大きく影響しているようだ。
この時期になると、水温はもちろん、ちょっとした天候の変化ひとつで釣果は大きく左右される。それも秋の鮎釣りならではと言えるだろう。
降り注ぐ陽射しに期待を込め、午後は良型鮎の姿を確認した名皿部橋下流へ向かうことにした。
ちょうどその頃、川から上がってきた地元の釣り人が良型を交えた見事な釣果を携えていた。
「やはり良型はいる!」
そう確信し、再び右岸側から入川する。
ヘチには真っ黒に磨かれた石が並び、その周りには逃げ惑う多くの鮎の姿が見えた。しかし午後の活性上昇に期待し、まずは良型鮎が見えた大石周りを狙ってみる。
すると、
ガツッ!
反応はあるものの針掛かりしない。
針を交換して再チャレンジするが、結果は同じ。どんどん下流へ進みながら探ってみるものの、ときおり反応はあるものの鮎を掛けることができない。
そこで向きを変え、右岸のヘチを丁寧に探ると、今度は即掛かり。しかしやはりサイズは小さめだ。
どうやらこの場所では、小型の鮎の方が追いが良いらしい。
上から様子を見ていた友人からは、
「そこ、めちゃくちゃ鮎いるぞ~!」
との声が飛ぶ(笑)。
確かに鮎の数は多い。その群れの中で突如スイッチが入った個体だけがオトリを追い、掛かってくるようだった。
やがて日が傾き始め、肌寒い風が吹き抜ける。思わず身震いしたところで納竿とした。
上流のポイントへ向かった友人は、時速10尾を超える入れ掛かりを楽しめたという。場所ムラがあり、水温も下がってしまった長良川。それでも釣れてくる鮎はまだ若い個体が多く、上流域にも多くの鮎の姿が残っていた。ほんの少しのタイミング次第で、シーズン終盤の爆釣劇が待っているかもしれない。実際、翌週に訪れた長良川では、暑い陽射しの下で活性を上げた良型鮎たちの姿を数多く確認することができた。
今年も変わらず迎えてくれた美しい長良川の鮎たち。その時間は、シーズンの終わりを惜しむ私の心を満たしてくれる、かけがえのないひとときとなった。
天高く秋空が広がる長良川には、私の後ろ髪を引いて離さない鮎たちの姿があった。
長良鮎よ、また来年会おう!
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