2026年10月12日公開
すべてのものは移ろいゆくもの。日本海の朝は寒さを感じる頃となっていた。いよいよ短き日本海の鮎釣りシーズンが幕を閉じようとしている。禁漁間近の9月下旬、長雨の隙間を掻い潜り、今シーズン最後の日本海鮎に、逢いに出かけた。向ったのは富山県の小川。毎年、仲間と共に1度は訪れる河川だが、長雨、台風と河川状況が安定せず、釣行の機会を失っていた。やっと叶った釣行。禁漁まで数日と迫った小川の鮎はどんな顔を見せてくれるだろうか?過ぎ行く季節を憂いながら竿を出すことに!
小雨に低気温!
迎えた朝は、前日の雨がまだ残り小雨が降っていた。気温は18度ともう半袖ではいられない。小川に向かい車を走らせるが、人気がない。しかし、海まですぐという河原に到着すると、河口付近に数台の車と釣り人と思わしき姿。仲間が居たかと安心したのも束の間、その人たちが手にしていたのはリール竿。そう、鮎釣りではなく、海釣りの釣り人だった。エギやルアーも見える。この時期、好調なアオリイカや青物などを狙いにきたのであろう。これが盛期であれば「貸し切りだ~!」と喜ぶところだが、この時期、この天気、この寒さ。心細く仲間が欲しい所である。「誰か来ないかな~」。河原には、これから始まる鮭釣りに向けた準備で重機だけが停まっていた。
川は、鮎の姿は見えないものの水量、垢付き共に良し。しかも、木の葉一枚揺れることない無風と、条件は悪くなさそうだ。かれこれ1時間は経っただろうか。上流方面から1台の車が河原へ入ってきた。車からチラリと見えたタモ。「おお~これは鮎釣り!間違いない!」。話を聞けば、仲間と共に最後の日本海鮎を楽しみに来たという同志。話も盛り上がり、仲良くしていただき皆で小川を楽しむこととなった。どーか鮎に出会えますように。
低水温、場所ムラありの小川は石を釣れ!
「想定内!」と言いたいところだが、かなり水温が低くブルッと震え上がる。もちろんドライ着用。「さ~て、どこに入ろうか?」。少し前の情報で、分流で釣果が良かったということだったので、分流へ向かう。分流は水深が浅く、川幅も狭いので、立ち位置を気を付けなければならない。とりあえず朝のうちは掛かりが良くない事が予想されたので、相方とゆっくりオトリを弱らせないよう話し、上下に別れて竿を出す。
今日のオトリ鮎は少し小ぶりだった事もあり、いつもに増して慎重に送り出す。小石底の分流はチャラ瀬が続いている。竿を立て、ゆっくりゆっくりとオバセを使い上飛ばし。小ぶりなオトリだが、見た目よりも泳ぎは力強く、良く泳いでくれていた。どんな感じで掛かるのか分からなかったので、とにかく広範囲に探っていく。時折「シュン!」と追われたかのような動きを見せるオトリ鮎。それは決まって石色が明るい場所だった。見渡すと、点々と石色の明るい小場所が見てとれたので、重点的に石色の明るい所を探ってみる。フワフワと泳がせること30分。「ガサガサスッコーン!」。アタリが突然やってきた。引きの感じが小型鮎のようだったので、バラさぬよう慎重に引き抜き。やっときた1匹目は、細身ではあったが香りの良い若い鮎だった。小川にはまだサビの出ていない若い鮎も残っているようだ。オトリが変わったこと、そして早い段階でパターンが読めたことにより、ここから3連チャン。幸先の良いスタートが切れた。
しかし、下流の相方が苦戦中。明るい石色が重要なことを伝え、釣れた今日イチの野鮎を1匹プレゼント。「まっ!い~ってことよ(笑)」。分かってはいたが、やはりこの時期はオトリの元気さは勿論、狙うポイントを外してしまうとかなりシビアな状況になってしまうようだ。そもそも追いの強い鮎の個体が少なくなっているのであろう。相方は心機一転、分流から抜け出し本流へと向った。私は少しずつ分流を釣り上がることにした。この時ここから始まる逆転劇を私はまだ知る由もなかった。
瀬!ヘチに良型鮎あり!1場所1場所丁寧に
本流へ出た相方から早速、釣り上げた鮎の写真が送られてきた。渡した野鮎が良い仕事をしてくれたようで、これで2人とも坊主を免れて一安心。私は、1匹追加できたところでまったく反応がなくなってしまい右往左往。しかし、冷たい雨が上がり天気は回復。気温も上昇傾向にあり、さほど悲観することはなかった。「これから!これから!」と自分を励ます。いよいよ分流もやる所がなくなり、本流へ出ようとした時だった。
上流で手を振る釣り人の姿。何と毎年、日本海河川に釣行の際、お世話になっている先輩方が来ていたのだ。先輩方は今日で納竿とのこと。最後の日にご一緒できるとはうれし~!暫し先輩方と並んで竿出し。トロ場左岸ヘチを狙う。すると、1番上流の瀬落ちに入った先輩の竿が何度も曲がっているではないか。しかも、釣れてくるのは良型鮎ばかり。数メートル下流の私の竿は異常なし。やはりオトリの循環はかなり重要。そして、釣れるポイントはかなり狭い範囲のピンポイントを見つけなければならないようだ。この頃、更に下流へ向かった相方は、ポツポツだが良型鮎を手にしたとのこと。形勢逆転、気付いてみれば竿が曲がらぬのは私だけとなり、ここから放浪の旅が始まるのだった。
ま~歩きました、気付けば最下流。波の音を聞きながら1匹を求めて竿出し。下流のトロ場に、下った鮎がバチャバチャと溜まっているのを見て、終わりゆくシーズンを感じるのであった。下流から折り返し、左岸流れのヘチ。じっくりじっくり止めの釣り。ここで出なければいよいよオトリもピンチといった時、遂に遂に!「スッコーン!こりゃ~良型の予感!」。予想通りタモに収まったのは良型プリプリメス鮎であった。ここから日暮れにかかえて活性の上がった鮎が最後の連チャンを見せ、歓喜の中、納竿とした。
いよいよ2026年鮎釣りシーズンもラストスパート。1人また1人とシーズンに別れを告げ、納竿していく時期がやってきた。シーズンの終わりというのは時の早さを感じ、寂しいものだが、去っていく鮎を嘆くのではなく、再び巡り来る季節を楽しみに待とうではないか!また来年、日本海河川を輝かせてくれる鮎との再会を楽しみに!
施設等情報
施設等関連情報
フィッシング浜ちゃん
住所:富山県下新川郡入善町古黒部2105-4
■遊漁券
ローソン朝日町平柳店にて販売
この記事を書いたライター
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