釣りビジョン

2017.2.1号

よしえ丸・千葉県大原港
千葉県・大原沖、イワシの群れ下で“大判ヒラメ”が虎視眈々

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イワシの群れを追ってヒラメが千葉県・大原沖の浅場に入ってきた。イワシを追うヒラメはサイズも大きく非常に積極的。浅場でのやり取りは最高に楽しい。連日“大判ヒラメ”が上がって最高潮!との報に大原港『よしえ丸』に出掛けた。

圏央道で都内から約2時間

外房の朝は早い。5時前には集合していました
千葉県・外房地区を代表する港の一つである大原漁港。都心方面から車で向かうならアクアラインを渡り、圏央道の市原鶴舞ICを降り、国道297号線→465号線で約40分。「いすみ市」の看板を目指せば夜でも迷うことなく到着できる。港周辺にはコンビニも沢山ある。外房らしく朝が早いことは否めないが、当日は集合が午前5時だったので、東京・多摩の自宅を3時前に出て十分間に合った。

赤とピンクの外装が目をひく『よしえ丸』
港にある『よしえ丸』の看板を左に入った奥が船着場
堤防の先に船が停泊しています

今シーズン最強寒波来襲

グループ釣行は楽しいですね!
出掛けたのは1月22日の日曜日。木曜日から今シーズン最強寒波に見舞われ、前日の土曜日は強風で出船出来ず、この日も午後からはまた強風の予報。そんな中でも7人グループが乗船、昨年12月にリニューアルされたばかりの「よしえ丸」は、私を加えた8人を乗せて、田中等船長操船で午前6時前に出船した。普段なら5時集合から準備が出来次第に出船、6時には仕掛けを投入となるのだが、この日は寒波による前日のシケの影響で、港前の防波堤に激しく波しぶきが立つほどのウネリ。少し様子を見ての遅めの出船となったのだ。

暗い内から準備に余念がありません
今日の餌は活きイワシ
船長が淹れてくれるあったかいコーヒー。嬉しいサービス

ライトタックル(LT)がお勧め

仕掛け図
『よしえ丸』では、ノーマルとライトと2種のタックルで楽しめる。ノーマルが80号のオモリを使用するのに対し、ライトでは道糸のPEを2号と細くしてオモリを40号と軽くする。ライトタックル(LT)は、オモリが軽い分やり取りの感触がいい上に、終日手持ちで対応するにも疲れにくいのが嬉しい。そのため『よしえ丸』ではLT釣法を勧めている。

水深20mラインで第1投

港を出るといきなり激しい高低差のウネリが打ち寄せた。連日イワシの群れを狙って好釣果が続く浅場には、このウネリで濁りが入ってしまい厳しい。船長は早々に決断し、40分程沖の太東沖に船を移動させた。水深は20mほど。十分に浅いのだが、いつものポイントが15mほどのことを考えるとこれでも深い。さて、様々な不安が頭をよぎる中での第1投となった。しかし、そんな不安も早々に払拭されることになる。1投目から竿先にヒラメの魚信が訪れた。7人のグループのうち3人はヒラメが初という事もあり、最初はアタリからフッキングへのタイミングに苦しんでいたが、ベテラン勢は一流し目から小型ながら“本命”を釣りあげた。

イワシをすくう網があると便利
歯が鋭いのでハリ外しにプライヤーが必須
定番のイワシの腹掛け

活発なアタリをモノに…!

サイズはともかく嬉しい朝の一発目
魚群探知機にはイワシの反応が映し出された。ヒラメは確実にその下にいる。2流し目、3流し目と段々に慣れてくるに従い、ヒラメ初体験の人達にも、アタリからフッキングへと繋げられるようになり、数が出るようになって来た。イワシを追うこの時期には、居着きのヒラメとイワシを追って入って来たヒラメと2種類いる。イワシを追って入って来たものは、尾ビレの内側が黄色がかっているのが特徴だ。イワシを追って来ている位だから、食い方も積極的だ。「ヒラメ40」とよく言うが、見ていると一発で呑み込むようなアタリも頻発していた。数は出始めたが、今のところサイズは今一だった。こうなると今度はサイズが欲しくなる。

なかなかのサイズも上がりました
「ヒラメ40」。粘りに粘って食わせました
ヒラメの歯型がバッチリ

波風が勢いを増す

ウネリが大きく向こうの船が隠れます
天気予報では、午後からだったはずの強風が8時頃から強さを増した。朝からのウネリに加えて、この風。釣りにくいことこの上ない。さすがにこのシケ状態では、ヒラメも違和感を持ち、“本食い”せずに、イワシを離してしまう事もしばしば。そんな時は餌を送り込んで食い込ませる事で対応したい。また、底立ちを頻繁にとる事も必須だ。
午前10時を回った頃、船長は一大決心。風の陰となり、影響が少ないであろう浅場への移動を決めた。

サメの後にやっと上げた嬉しい“本命”
イワシの反応がバッチリ出ています
2匹目できっちりサイズアップ!

最後に“大判ヒラメ”連発!

5匹を釣り上げて竿頭の建村光洋さん
浅場のポイントに移動すると、予想通り波は沖よりもかなり弱かった。最後の30分をこのポイントに賭けることになった。沖の厳しい状況の中で十分に技量を鍛えられたのか?皆さん明らかにアタリを取るのが上手くなっていた。
ここでこの日最大の見せ場が訪れた。ここまでオデコだった2人にほぼ同時にヒット。しかも、ヒラメ挑戦2回目での初獲物を掛けた小川浩平さんのロッドは、明らかにこの日最大を確信させる大きな弓なりになっている。周りの仲間のドラグ調整のアドバイスや応援の声を受けて上がって来たのは、堂々の2.725kgの“大判ヒラメ”。
そして小川さんの隣りでコンスタントにアタリを拾っていた建村光洋さんは、この日5匹目を釣り上げた。こちらも2kg級のグッドサイズ。ここでタイムアップ。噂通りの「イワシを追うヒラメ」を見て、最高の締めくくりとなった。

獰猛そうなヒラメ
この口でイワシをひと飲み
最後の最後で嬉しい“初ヒラメ”を掛けました

3月までのロングランに期待大!

この日も広範囲にイワシの群れを確認出来たが、これでも例年よりも遅れて入って来たそうだ。この分だと、ロングランでイワシの群れが期待出来るとの事。そのイワシの群れ下には、それを虎視眈々と狙う“大判ヒラメ”が多数いることは必至。船長の話では3月頃までは大丈夫ではとの事。イワシを狙うアグレッシブなヒラメを存分に楽しんでみてはいかがだろう。

この日の指南役、田中等船長
2016年12月にリニューアルした綺麗な船

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣り船
千葉県大原港『よしえ丸』
〒298-0004 千葉県いすみ市大原10092-5
TEL:090-7823-0324
定休日:第1・3月曜日
詳細情報(釣りビジョン)
よしえ丸ホームページ
出船データ
ヒラメ予約乗合
料金:1万2,000円(活イワシ・氷付き)
出船:午前:5時集合 準備が整い次第出船 午前11時30分沖上がり
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