伊藤遊船・千葉県江戸川放水路・行徳
2017.7.15号
江戸川放水路に夏が来た!手漕ぎボートでハゼ釣り

地下鉄の手すりに凭れていると、車内のモニターから「来ないかなぁ~」の声。あの石原さとみが釣り竿を手に人待ち顔で目を伏せている。「そうだ、ハゼ釣りに行こう!」。ビビっと来たら大安吉日。東京メトロ、東西線・妙典駅から徒歩10分、行徳『伊藤遊船』へ出掛けた。
川を渡る風に少年の夏が甦る
江戸川放水路の河口付近、地下鉄東西線の鉄橋脇に『伊藤遊船』はある。6歳の誕生日、父親から与えられたのがハゼ釣りの竿だった。あれから40年、去りし日の麦わら帽子は伊豆の地磯で飛ばされ、ゴム草履は相模川に流され、ハゼ竿は多摩川の野ゴイに折られてしまったが、川岸の草いきれと、釣り場に立つワクワク感は今も変わらない。シロギスの乗合船が出船した後、のんびり8時過ぎに浮き桟橋を後にした。






漕ぎ出せば、ぐるり360度がポイントだ
エンジン船でボートを曳いて貰うこと2分弱。ボート乗り場の対岸からこの日の釣りはスタートした。アンカー(イカリ)を降ろして、エンジン船が桟橋へ帰ると、水上は驚くほど静かだ。護岸されていないアシの茂る岸近く、カキが自生するエリアにハゼたちは潜んでいた。今年は釣れ出しが遅れた江戸川放水路のハゼ。水中は2、3週間カレンダーが遅れているようで、“デキハゼ”と呼ばれる小さな個体が多く見受けられた。それでもトゥルルルッ!と元気なアタリを出して釣れてくると、自然と笑みがこぼれてしまう。シンプルだが釣りの面白みは全て詰まっている。そんな趣きが、この釣りにはある。



手ぶらで行って楽しめる、ハゼ釣りの身近さと気軽さ
レンタルタックルも充実、手ぶらで行っても楽しめる『伊藤遊船』のハゼ釣り。沢山釣るコツを木ノ内一嘉船長に訊いた。「(釣り座を中心として)扇型に広く探ることと、仕掛けを沈めるときもストンと落とさずに扇型に沈めること。また、釣れていても10匹釣ったらアンカーロープを50cm程短くするなど、少しずつ移動することですね。アタリばかりで釣れなくなっちゃったら餌を小さめにするのも手です」と上級者の秘策を教えてくれた。
近頃話題のハードルアーによるハゼ釣り「ハゼクランク」にもチャレンジしたが、岸近くの浅場はこの釣りに最適。アジやメバルのワーム釣りで用いる“サポートフック”を付けると釣果がぐんと伸びるのでお試しあれ。






お父さん必見、子供と釣りを楽しむコツは?
ボートでハゼ釣りを楽しむ上での注意点を木ノ内船長に訊いた。「暑さ対策と天候対策に気を付けて下さい。日除けと、風除けと、水分補給ですね。ライフジャケット(救命胴衣)はお子様用も用意があります。酔い止め薬は飲んだ方が良いですね」とのこと。トイレや岸に上がって休憩したくなったら、オールを立てればエンジン船が迎えに来てくれる。無理せずのびのびと釣りを楽しむよう心掛けたい。「子供さんと手を取り合って釣る楽しみを味わって頂きたいですね。釣りに夢中になっちゃって子供から目を離してしまったりしないように」。お父さん、メモですよ!



夏休みはのんびりボートハゼがお勧め!
道具は必要な物が全て揃っているし、スタッフのサポート体制も“上げ膳据え膳”で万全な『伊藤遊船』。道路が混む時期は電車で来ても充分楽しめるし、桟橋のすぐ近くまで車で入って来られるので、脚が不自由な方やシルバー層にも安心だ。さて、次は娘を連れて来ようか、それとも久しぶりに父親を釣りに誘ってみようか…何歳になっても、男にとって夏は短か過ぎるようだ。



(釣りビジョンAPC・川添法臣)
今回利用した釣船 |
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千葉県江戸川放水路・行徳『伊藤遊船』 〒272-0111 千葉県市川市妙典2-2-14 TEL:047-358-5774 定休日:毎週火曜日(ボートは無休) 詳細情報(釣りビジョン) 伊藤遊船ホームページ |
出船データ |
ボート貸出し時間:6時~15時 (※ボートは予約受け付けなし) 【平日料金】 2人乗り:3,000円/3人乗り:4,000円/4人乗り:5,000円/ 6人乗り:6,000円/8人乗り:8,000円 【土日・祝祭日料金】 2人乗り:3,500円/3人乗り:5,000円/4人乗り:6,000円/ 6人乗り:7,000円/8人乗り:1万円 ライフジャケット貸し出し:無料(子供用もアリ) レンタル竿:300円 餌:540円 定休日:毎週火曜日(ボートは無休) |