釣りビジョン

つり船有馬・兵庫県垂水漁港

2017.7.15号

兵庫・明石海峡東の玄関口、垂水漁港発のマダコ釣り!

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今年は、前半あまりパッとしなかった明石海峡海域のマダコ。その明石海峡の東の玄関口、兵庫県・垂水漁港は県内屈指の港である。今回はその垂水漁港に拠点を置く『釣り船 有馬』の乗合船に乗り込み、本格化の兆しが見えだしたマダコを狙った。

マダコ人気健在!

「マダコと言えば明石」というのは全国区。明石海峡大橋が通る神戸市垂水区は地図で見れば明石海峡海域の真ん中に位置しているのは容易に分かる。また、明石海峡大橋を車で渡る機会が多い人なら、激流の中に位置する垂水漁港を目にする事もあるはず。勿論、対岸の淡路側も明石海峡海域だが、この季節はマダコ以外にも手軽にできる釣りとしてはシロギスも有名。マダコとシロギスのリレーもしている『釣り船 有馬』の「海神丸」ではあるが、この日はマダコオンリーで出船。最近は爆発的釣果という訳ではないが、多くの釣り人が集まり、やはりマダコ人気は健在だ。

有馬政文船長 漁港駐車場のゲートからまっすぐ進んだ岸壁に「海神丸」が係留してある
明石海峡大橋の本州側は神戸市垂水区に接続されている
漁港には『海神社』の大鳥居がある

まずは明石港付近で1投目!

垂水漁港は場内の整備も行き届いており、漁業、遊漁ともに活気のある場所。場内の有料駐車場前には開場待ちの車が並んでいた。漁港内で釣りをする人、渡船で一文字波止へ渡る釣り人も多数いる。駐車場が開場し、私は乗船場所に程近い奥(東側)へ車を停めて準備に取り掛かった。『釣り船 有馬』以外にも船宿は複数あり、いたるところで釣り談義が聞こえる。私も「海神丸」の前に道具を置き、同船される人に挨拶をしていると、有馬政文船長と女将さんが現れた。船長は乗船準備、女将さんは乗船名簿や釣り人への説明、貸し道具の手配を淡々とこなしている。釣り座の決定は先着順だが、駐車場の開門が決まっているため、先着順といってもほぼ同時になることが多い。初心者は船長横の胴の間(中央)であれば仕掛け流しに困る事は少ないだろう。『釣り船 有馬』では、各釣り座に独立した椅子が設置してあり、隣との間隔は均等に開いているので釣りやすい。
釣り人が揃ったところで垂水漁港を出港、船はゆっくりと漁港内を西進、そのまま明石海峡をまたいだ反対側の明石港付近で第1投のアナウンスが流れた。しかし、船長はすぐに見切り、淡路側へ移動した。

垂水漁港から明石海峡大橋をくぐるとすぐ明石。まずはここからスタートした
仕掛け図
仕掛け図

2ヶ所目には船団、そしてマダコ登場!

移動した先は1ヶ所目の対岸。そこには船団が出来ていた。期待が持てそうだ。水深は11m。私の後ろで竿を出している釣り人はマダコ初挑戦のようだ。仕掛けはレンタルタックル。マダコ釣りはビギナーにも親しみやすい釣りとはいえ、奥は深い。マダコ釣り経験のある連れの人も同船していたのだが、3人中2人がマダコ釣り初挑戦の為に目が行き届かない。見かねた私は「マダコ釣りが初めてなら、まずはしっかりと底を取り、根掛かりなのかマダコなのかが分からなくとも、重さを確実に感じ取ったら思い切り合わせを入れ、止めることなく巻き上げて下さいね」とアドバイス。その間、周りではマダコが釣れ始めていた。いよいよである。

初挑戦でマダコゲット!
お連れさんはタコエギでマダコゲット!
これで3人ボウズなし!

“プチラッシュ”でひとまず安心

移動早々に竿が曲がり出した船内。周りの船でもそれなりに賑わっている。しかし、船団の中には遠い港の遊漁船も目立つ。船によっては結構な距離を走って来たはずだ。それを思うとまだマダコが散らばっていないのか、数が少ないのか、多少の不安は拭えないが、船内では順調にマダコが釣れ出した。型にはバラつきはあるが、グッドサイズもコンスタントに交じっている。

私の隣でもナイスなマダコが!
トモ(船尾)組「我々はいいから!」と言いながら良型をゲット!
マダコはどの釣り座でも満遍なくアタっていた

そして、アタリが消えた!?

この日は私を含めて11人が「海神丸」へ乗船。仕掛けのタコテンヤとタコエギの比率は半々くらい。そしてどちらに偏ることなくマダコは乗って来た。この状況なら一日を通してそれなりに釣れるだろうと思っていた矢先、アタリが遠のいて来た。時計を見ると9時。しかし、これも釣り、潮が変わればまた釣れ出すだろうと思っていた。私も合間を見て竿を出してはいたものの、小型のマダコが1杯という状況。そうなると目は周りの船へ向いてしまいがちだが、状況は変わらないようだ。

タコエギは多い人で4個付けていた
テンヤ仕掛け。下に手羽先や豚の背脂を付け、上にイワシを置いて針金やタコ糸で縛る
時間が経つにつれ神頼み的な心境になっていった

こんな日もあるのが釣り!

船内では、この時間に食事を済ませたり休憩している姿が目立った。その間も船長は、浅い場所から水深30mラインまでを模索しながら操船している。食事を終えた釣り人が次々と再開する中、船は急加速で南へ移動した。時計は11時を回っていた。他の船も移動しているようだ。良い情報が入ったのか、それとも潮のタイミングによるポイント移動なのか、結構な勢いで移動する船に期待が膨らんだ。
勢いよく走った船がスローダウン、そしてすぐに投入の合図。期待が膨らむ瞬間だが、そのポイントを暫く流したものの期待に反して反応は皆無。これには参った。しかし、こんな日もあるのが釣り。船長は終了のアナウンスをして港へ戻った。後半はパッとしなかったが、徐々に上向いてきているのは確かなようだ。このままでは終わらないはず。リベンジを誓って帰路に付いた。

帰港すると女将さんがおしぼりを用意してくれていた
港には海神社とは別に『寶ノ海神社』もある
海神社は国道2号線沿いにあり、帰港後に寄り道。静かに佇んでいた七福神をパチリ

(釣りビジョンAPC・小川泰史)

今回利用した釣船
兵庫県垂水漁港『つり船有馬』
〒655-0892 兵庫県神戸市垂水区平磯4-1-15
TEL:078-709-5507
定休日:正月1/1~3、6~9月は第2水曜日
詳細情報(釣りビジョン)
出船データ
<乗合>
1人7,000円(餌付き)
<仕立>
8人まで5万円
1人増+6,000円
エサ代別料金、1人×1人分の金額です
<レンタルタックル>
竿リールセット1,000円 仕掛け別
<休日>
  正月1月1~3日、6~9月は第2水曜日
<駐車場>
漁港内の有料駐車場(600円)
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