釣りビジョン

たいぞう丸・神奈川県葉山あぶずり港

2017.8.15号

神奈川県・相模湾はキハダ、本ガツオで大盛況!

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相模湾の夏を熱くするキハダマグロと本ガツオ。例年6月中旬頃から黒潮に乗ってやって来て10月頃までフィーバーが続く。コマセ釣りの開幕は8月1日。これに魅せられた数多くのアングラーが指折りこの日を待ちわびる。ルアー釣りはすでに6月後半から始まっており、例年以上の好釣果で活況。さてコマセ釣りはいかに?8月10日、葉山鐙摺港『たいぞう丸』に向かった。

道具の進化がもたらした身近な大物釣り

開店前は店前の紙に釣り座を記入しておこう

飛躍的な道具の進化により、ここ数年ですっかり身近な釣り物となったキハダ&本ガツオ。相模湾で狙える魚種としては最大級、多くの大物フリークがこの釣りに魅せられる。8月のコマセ釣り開幕と共に相模湾の釣り船が一斉にこの群れを追い掛ける場面はもはや風物詩と呼ぶに相応しい。早くからこの釣りに注目、高い実績を誇るのが葉山鐙摺港『たいぞう丸』。船長の山本真一郎船長は海の男ならではの厳しい言葉の裏で、必死に釣り人に釣らせようという心遣いで人気。この日も早朝から多くの釣り人で港が溢れた。

『たいぞう丸』船宿です
船宿の手前の入り口を奥に入ると駐車場
キハダ&本ガツオ人気。駐車場は満車です

鳥を探せ!!

待ちきれないキハダ&本ガツオフリーク達

集合は朝5時、6時に出船。コマセ釣りの投入開始は午前7時と協定で決められている。つまり出船後1時間をかけて相模湾内を魚の群れを探し回るのだ。と言ってもこれだけ広い海を弾丸のようなスピードで泳ぎまわるキハダ&本ガツオ、中々見つかるものではない。参考になるのが“鳥山”。鳥山下の小魚の群れを下から狙っているのがキハダ&本ガツオという構図。双眼鏡で鳥山を探し、近づくとソナーを駆使して群れの動きを正確に把握する。

氷は1杯300円を漁協で。量に余裕を持って買う事をお勧め
受け付けで支払いを済ませていざ出船
乗船は皆で助け合って

アッという間の大船団

キハダ&本ガツオ用の貸し竿も完備で安心

この日最初に向かったポイントは真鶴沖。午前6時45分頃に到着、辺りでは本ガツオと思われる魚が跳ねている。目の前に見える魚に、今仕掛けをすぐに下ろせば釣れるはずと思うのが釣り人の性。相手は動きの速い本ガツオ。待っている内にどこかに行ってしまう可能性もある。そんな中無線で聞きつけた他の遊漁船が駆けつけ、次第に数が増える。異様な熱気の中で迎えた午前7時の“号砲”。船長の「はい、どうぞ!」の声と同時に一斉に仕掛けが放たれた。

船宿推奨の仕掛け
コマセカゴと天ビンのセット
仕掛けは入念に補強しておこう
オキアミの抱き合わせで
アッという間の大船団
仕掛け図

まさにこれがモーニングサービス

「嘘だろ?」。投入とほぼ同時。指示ダナが15~20m程度と浅いから仕方ないのだが、それにしても早過ぎる。船中2カ所で同時に竿先が激しくビビビッと本ガツオ特有の動きを見せている。その後もこっちで釣れたら次はあっち。まさに次々とアタリがある。しかも取り込まれるのは立派な本ガツオ。朝一のサービスタイム15分はさながら漁のような状況だった。その後もポツリポツリと魚が上がる。左舷胴の間(中央)の持木豊さんは、この日が初のカツオ釣り。最初はタナ合わせやドラグ調整に苦しんでいたが、その微妙な動きが本ガツオの感性に合ったのか?アタリが続く。本ガツオ釣り「あるある」の「バラシ」も経験しながら朝の1時間で3匹の本ガツオを釣り上げてしまった。初でこの体験をしてしまっては嵌ること必至ですね。

キハダマグロのついた鳥山を発見

4匹をかけて竿頭の斉藤哲さん

本ガツオのアタリも減り始め、船長は移動を決断。次なる狙いはキハダマグロ。30分程“鳥山”を探し相模湾を走り回る。ここでついに大きな鳥の群れを発見。まだ他船は1隻もいない。暫くするとその鳥山の周りでキハダの大ジャンプ。いわゆる「ナブラ(群れ)」だ。高速で移動するキハダに合わせて頻繁な移動をしながら狙う。しかし、キハダはイワシに夢中なのか?中々オキアミに口を使わない。船長の目論見通り船の下を魚が通過しても掛からない。

釣れたての本ガツオはきれいな青色なんです
朝一あっという間に桶が埋まっていく
良型本ガツオでお土産充分

「昨日は3匹釣れたのに…」キハダは海には沢山!

船長はナブラを探す

前日は26.5kgを頭に20kg以上のキハダが3匹も上がっている。1週間前は20kg超えを5匹。その前評判に違わず、魚の群れは例年以上に濃い。次第にその群れは大きさを増す。一時は網ですくえるのでは?と言うほど数多くのキハダが船のすぐ周りで飛び跳ねまわっている。しかし、釣り人の思いとは裏腹にハリには掛かってくれない。ここがキハダの難しさ。その日に食べたい餌というのでもあるのだろうか?中々口を使わない時がある。残念ながらこの日は最後までイワシに夢中だった。

ソナーにより飛躍的に釣果が向上
これが探している“鳥山”
キハダの跳ねは本当に沢山あったのだが…

良型本ガツオのナブラは圧巻!

大型の電動リールは必携

沖上がりまで1時間弱。ここで僚船から無線で良型本ガツオが付いた大きなナブラがあるとの報せ。丁度港に帰る方向と言う事もあり急いで船を進める。そこはまさに本ガツオ天国。表層を無数の本ガツオが跳ねまくっている。仕掛けを落とすと10mも経たない内に即食い。しかもサイズが大きい。アタリはあるがバラシも多い。朝一のサービスタイム以上の2度目のサービスタイムを堪能してこの日は納竿。

腕っぷし自慢は大型の手巻きでガチ勝負
魚に比例してタモもデカい
糸で指が切れないように指サックか手袋を

次こそはこの手に

お世話になった「第二十三たいぞう丸」

真夏の海を更に熱くするキハダ。大概の魚は腕があれば確実に釣れる。しかし、この魚だけは腕があるだけでは釣れない。腕の他に運、そしてキハダとのやり取りを制する体力と3点があって初めてその手に出来る。だから、これだけ多くのアングラーを虜にするのだろう。いつ訪れるかわからない出会いに期待して、今年は何回この魚を狙って海に出るのだろう?しかし、それだけの価値がこの魚には確実にある。

夏ですねー!隣のビーチは海水浴客で溢れる
キハダ・本ガツオのスペシャリスト 山本真一郎船長
昨日はこんな壮観な釣果が(写真は船宿提供)

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣船
神奈川県葉山あぶずり港『たいぞう丸』
〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内50
TEL:046-875-1932
定休日:第1・3・5木曜日
詳細情報(釣りビジョン)
たいぞう丸ホームページ
出船データ
本ガツオ・キハダマグロ船
乗合料金:コマセ釣り1万2,500円(コマセ付き)便乗ルアー1万1,000円
出船:集合 午前5時 出船 午前6時~ 沖上がり 午後1時30分
駐車場:無料
貸し道具:有(2,000円)
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